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選択肢試験目次
ki231 高度試験午前I 令和5年度春期
[ki231-01][ki191-01]
0以上255以下の整数nに対して,
┌ n+1 (0≦n<255)
next(n)=┤
└ 0 (n=255)
と定義する。next(n)と等しい式はどれか。ここで,x AND y 及び x OR y は,それぞれxとyを2進数表現にして,桁ごとの論理積及び論理和をとったものとする。
ア (n+1)AND 255 イ (n+1)AND 256
ウ (n+1)OR 255 エ (n+1)OR 256
【解答】
正解:ア
実際に上式にn=0,下式にn=255を入れて,ア~エの各式が1と0になるかをチェックする。
0 = 0000 0000
1 = 0000 0001
255= 1111 1111
256=1 0000 0000
論理積 論理和
x y xANDy xORy
1 1 1 1
1 0 0 1
0 1 0 1
0 0 0 0
nの仮定 n=0 n=255
与式 next(0) = 1(正解) next(255) = 0(正解)
ア: next(1) = 1 AND 255 next(255) = 256 AND 255
0 0000 0001 ←1 1 0000 0000 ←256
AND 0 1111 1111 ←255 AND 0 1111 1111 ←255
──────── ────────
0 0000 0001 =1 →〇 0 0000 0000 =0 →〇
イ: next(1) = 1 AND 256 next(255) = 256 AND 256
0 0000 0001 ←1 1 0000 0000 ←256
AND 1 0000 0000 ←256 AND 1 0000 0000 ←256
──────── ────────
0 0000 0000 =0 →× 1 0000 0000 =256 →×
=0→〇(注)
ウ: next(1) = 1 OR 255 next(255) = 256 OR 255
0 0000 0001 ←1 1 0000 0000 ←256
OR 0 1111 1111 ←255 OR 0 1111 1111 ←255
──────── ────────
0 1111 1111 =255 →× 1 1111 1111 =511 →×
=255→×(注)
エ: next(1) = 1 OR 256 next(255) = 256 OR 256
0 0000 0001 ←1 1 0000 0000 ←256
OR 1 0000 0000 ←256 OR 1 0000 0000 ←256
──────── ────────
1 0000 0001 =257 →× 1 0000 0000 =256 →×
=1→0(注) =0→〇(注)
1,0になるのはア→アが〇
(注)「0以上255以下の整数n」を「8ビット2進数」を解釈すれば,下8ビットを計算対象とするので,エも〇になるが,設問中に256があることから,このような解釈はできない。
参照:ビット演算
[ki231-02][fe192-05]
平均が60,標準偏差が10の正規分布を表すグラフはどれか。
【解答】
正解:ア
正規分布は平均を中心に左右対称 →ウ・エは×
標準偏差は,平均からの差 →アは〇。イは×
参照:正規分布,
標準偏差
[ki231-03]
配列に格納されたデータ2,3,5,4,1に対して,クイックソートを用いて昇順に並べ替える。2回目の分割が終わった状態はどれか。ここで,分割は基準値より小さい値と大きい値のグループに分けるものとする。また,分割のたびに基準値はグループ内の配列の左端の値とし,グループ内の配列の値の順番は元の配列と同じとする。
ア 1,2,3,5,4
イ 1,2,5,4,3
ウ 2,3,1,4,5
エ 2,3,4,5,1
【解答】
正解:ア
小さいグループ 基準 大きいグループ
1回目 [1] [2] [3,5,4]
2回目 [1][2] [3] [5.4] → 解=[1,2,3,5,4]→正解はア
3回目 「1」[2][3]「4][5] → 昇順完了
参照:クイックソート
[ki231-04]
動作周波数1.25GHzのシングルコアCPSが1秒間に10億回の命令を実行するときこのCPUの平均CPI(Cycles Per Instruction)として,適切なものはどれか。
ア 0.8 イ 1.25 ウ 2.5 エ 10
【解答】
正解:イ
1GHz=109Hz=109回, 10億回=109回
平均CPI=1秒間のクロック発生数(動作周波数)/1秒間の実行命令
=1.2×109 / 1×109
=1.2 →イが○
参照:CPI
[ki231-05]
スケールインの説明として,適切なものはどれか。
ア 想定されるCPU使用率に対して,サーバの能力が過剰なとき,CPUの能力を減らすこと
イ 想定されるシステムの処理量に対して,サーバの台数が過剰なとき,サーバの台数を減らすこと
ウ 想定されるシステムの処理量に対して,サーバの台数が不足するとき,サーバの台数を増やすこと
エ 想定されるメモリ使用率に対して,サーバの能力が不足するとき,メモリの容量を増やすこと
【解答】
正解:イ
アは×。スケールダウン
イは○。スケールイン
ウは×。スケールアウト
エは×。スケールアップ
参照:クラスタコンピュータ
[ki231-06][sd06-02][su06-02]
ハッシュ表の理論的な探索時間を示すグラフはどれか。ここで,複数のデータが同じハッシュ値になることはないものとする。
【解答】
正解:エ
ハッシュ表を探索するのは,ハッシュ関数で計算した値を用いる。
それで,表の大きさには無関係。
[ki231-07][ki141-07][fe122-22][ki111-08]
NAND素子を用いた次の組み合わせ回路の出力Zを表す式はどれか。ここで,論理式中の「・」は論理積,「+」は論理和,「X」はXの否定を表す。
ア X・Y イ X+Y ウ X・Y エ X+Y
【解答】
正解:イ
X Y A B Z
0 0 1 1 0
0 1 1 0 1
1 0 0 1 1
1 1 0 0 1
↓
X+Y (イ)
参照:「論理演算の発展と回路」
[ki231-08]
コンピュータグラフィックスに関する記述のうち,適切なものはどれか。
- ア テクスチャマッピングは,すべてのピクセルについて,視線とすべての物体との交点を計算し,その中から視点に最も近い交点を選択することによって,陰面消去を行う。
- イ メタボールは,反射・透過方向への視線追跡を行わず,与えられた空間中のデータから輝度を計算する。
- ウ ラジオシティ法は,拡散反射面間の相互反射による効果を考慮して拡散反射面の輝度を決める。
- エ レイトレーシング法は,形状が定義された物体の表面に,別に定義された模様を張り付けて画像を作成する。
【解答】
正解:ウ
アは×。レイトレーシング法の説明
イは×。スキャンライン
ウは○。ラジオシティ法
エは×。テクスチャマッピング
参照:レンダリング
[ki231-09][fe182-26]
UMLを用いて表した図のデータモデルのa,bに入れる多重度はどれか。
[条件]
(1)部門には1人以上の社員が所属する。
(2)社員はいずれか一つの部門に所属する。
(3)社員が部門に所属した履歴を所属履歴として記録する。
┌─────┐ ┌─────┐ ┌─────┐
│ 部門 │ │ 所属履歴 │ │ 社員 │
├─────┤1 【 a 】├─────┤【 b 】 1├─────┤
│部門コード├────────┤開始日 ├────────┤社員コード│
│部門名 │ │終了日 │ │氏名 │
│ : │ │ : │ │ : │
└─────┘ └─────┘ └─────┘
a b
ア 0..* 0..*
イ 0..* 1..*
ウ 1..* 0..*
エ 1..* 1..*
【解答】
正解:エ
社員は部門に所属する→社員には1つ以上の所属履歴がある→bは1..*
部門は1人以上の社員が所属する→部門には1つ以上の所属履歴がある→aは1..*
→エが○
参照:多重度
[ki231-10][fe132-37]
1個のTCPパケットをイーサネットに送出したとき,イーサネットフレームに含まれる宛先情報の,送出順序はどれか。
ア 宛先IPアドレス,宛先MACアドレス,宛先ポート番号
イ 宛先IPアドレス,宛先ポート番号,宛先MACアドレス
ウ 宛先MACアドレス,宛先IPアドレス,宛先ポート番号
エ 宛先MACアドレス,宛先ポート番号,宛先IPアドレス
【解答】
正解:ウ
送信側では「上位層から下位層へ渡すたびに,先頭にヘッダ情報が付け加わえられる」ことを考えればよい。
アプリケーション層→トランスポート層:Webページ閲覧や電子メールのためのデータであることを示すために,ポート番号が付けられる。
トランスポート層→インターネット層(TCP→IP):宛先ネットワークをIPプロトコルに知らせるために,宛先IPアドレスが付けられる。
インターネット層→リンク層:宛先側のネットワークには,リンク層(データリンク層)でMACアドレスで宛先ホストを特定する。宛先MACアドレスが付けられる。
結果として,左側から「宛先MACアドレス-宛先IPアドレス-ポート番号」の順になる。→ウが○
参照:パケットとヘッダ
[ki231-11]
モバイル通信サービスにおいて,移動中のモバイル端末が通信相手との接続を維持したまま,ある基地局経由から別の基地局経由の通信へ切り替えることを何と呼ぶか。
ア テザリング イ ハンドオーバー
ウ フォールバック エ ローミング
【解答】
正解:イ
- アは×。テザリング:
モバイル端末機能のないパソコンなどにスマートフォンなどを接続してインターネットを利用する仕組み
- イは○。ハンドオーバー:
問題文の通り
- ウは×。フォールバック:
回線の状態が悪い場合に,通信速度を落として,通信を続行できるようにすること
- エは×。ローミング:
あるキャリアの無線基地局がないエリアでも,ローミング連携しているキャリアの無線基地局があれば元のキャリアと同様のサービスを利用できる仕組み
[ki231-12]≒[fe172-36]
ボットネットにおいてC&Cサーバが果たす役割はどれか。
ア 遠隔操作が可能なマルウェアに,情報収集及び攻撃活動を指示する。
イ 攻撃の踏み台となった複数のサーバからの通信を制御して遮断する。
ウ 電子商取引事業者などへの偽のデジタル証明書の発行を命令する。
エ 不正なWebコンテンツのテキスト,画像およびレイアウト情報を一元的に管理する。
【解答】
正解:ア
- アは○。設問文の通り。C&Cサーバとは,遠隔操作が可能な状態にしたパソコン(踏み台)に潜ませたマルウェアに指示するサーバのこと。参照:ボット
- イは×。DoS攻撃などC&Cサーバからのボットネットを介した攻撃への対策であり,「C&Cサーバが果たす役割」への対策である。
- ウは×。認証局システムの弱いハッシュ関数を狙った攻撃であり,ボットネットとは直接な関係はない。
- エは×。コンテンツの不正利用の発見をするには電子透かしなどの技術があるし,不正利用の発見から停止までのプロセスを一貫してサポートするアウトソーシングサービスがある。これらはボットネットとは直接な関係はない。
[ki231-13][ki191-13]
ディジタルフォレンジックスの手順は収集,検査,分析及び報告から成る。このとき,ディジタルフォレンジックスの手順に含まれるものはどれか。
- ア サーバとネットワーク機器のログをログ管理サーバに集約し,リアルタイムに相関分析することによって,不正アクセスを検出する。
- イ サーバのハードディスクを解析し,削除されたログファイルを復元することによって,不正アクセスの痕跡を発見する。
- ウ 電子メールを外部に送る際に,本文及び添付ファイルを暗号化することによって,情報漏えいを防ぐ。
- エ プログラムを実行する際に,プログラムファイルのハッシュ値と脅威情報を突き合わせることによって,プログラムがマルウェアかどうかを検査する。
【解答】
正解:イ
ディジタルフォレンジクスとは,デジタル記録を法定証拠とすること。一般に不正行為の事後調査であり,不正リスクの事前回避を目的としたものではない。
ア・ウ・エは×。イが○。「収集・検査」に該当
[ki231-14]
スパムメール対策として,サブミッションポート(ポート番号587)を導入する目的はどれか。
ア DNSサーバにSPFレコードを問い合わせる。
イ DNSサーバに登録されている公開鍵を用いてデジタル署名を検証する。
ウ POP before SMTPを使用して,メール送信者を認証する。
エ SMTP-AUTHを使用して,メール送信者を認証する。
【解答】
正解:エ
対策を講じていない場合,差出人はインターネットに接続さえできれば,送信先メールサーバにメール送信できる。送信先メールサーバのメールのポートは25である。
設問は,すべてスパムメール対策に有効な手段であるが,エ以外はサブミッションポートとは直接の関係はない。
アは,メール差出人のIPアドレスを知ることができる。
イは,暗号メールの差出人確認に用いられる。
ウは,メール送信前にメール受信のために設定したパスワード確認により,不特定のメール送信者の利用を防ぐ。
エのSMTP-AUTHは,送信者のユーザー認証を行なう。OP25Bとはポート25を閉じ,その代わりに別のポート(587)を開き,信頼できるサーバからのメールだけを受け取る仕組み。その「別のポート」をサブミッションポートという。
→エが正解
参照:スパムメール防止の技術的対策
[ki231-15]
次に示すような組織の業務環境において,特定のIPセグメントのIPアドレスを幹部のPCに動的に割り当て,一部のサーバへのアクセスをそのIPセグメントからだけ許可することによって,幹部のPCだけが当該サーバにアクセスできるようにしたい。利用するセキュリティ技術として,適切なものはどれか。
〔組織の業務環境〕
- 業務ではサーバにアクセスする。サーバは,組織の内部ネットワークからだけアクセスできる。
- 幹部及び一般従業員は同一フロアで業務を行っており,日によって席が異なるフリーアドレス制を取っている。
- 各席には有線LANポートが設置されており,PCを接続して組織の内部ネットワークに接続する。
- ネットワークスイッチ1台に全てのPCとサーバが接続される。
ア IDS イ IPマスカレード ウ スタティックVLAN エ 認証VLAN
【解答】
正解:エ
- アは×。IDS:
(Intrusion Detection System;侵入検知システム)サーバやネットワークを監視し,侵入や侵害を検知した場合に管理者へ通知する仕組み
- イは×。IPマスカレード:
NAPT(Network Address and Port Translation)ともいう。一時的にプライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスのポートに変換
- ウは×。スタティックVLAN:
VLAN(Virtual Local Area Network)はLAN構成を仮想化する技術。スタティックVLANは,構成を手動で設定。グループに変化がないときに適する。
- エは〇。認証VLAN:VLANにユーザ認証機能を加えた方式。ユーザがどこに移動しても,本人確認ができれば,あらかじめ許可されているVLANのアクセスできる。
[ki231-16][fe161-47][fe081-44]
モジュールの独立性を高めるには,モジュール結合度を弱くする必要がある。モジュール間の情報の受渡し方法のうち,モジュール結合度が最も低いものはどれか。
ア 共通域に定義したデータを,関係するモジュールが参照する。
イ 制御パラメータを引数として渡し,モジュールの実行順序を制御する。
ウ 入出力に必要なデータ項目だけをモジュール間の引数として渡す。
エ 必要なデータを外部宣言して共有する。
【解答】
正解:ウ
モジュール結合度
弱い
1 データ結合:データパラメータのみの受け渡し→ウ
2 スタンプ結合:データ構造を決めるパラメータを渡す
3 制御結合:他モジュールのパラメータを渡す→イ
4 外部結合:複数モジュールが共通データを使用→エ
5 共通結合:複数モジュールが共通領域を使用→ア
6 内部結合:他モジュールの内部を直接参照
強い
参照:「モジュールの強度と結合度」
[ki231-17]
サーバプロビジョニングツールを使用する目的として,適切なものはどれか。
ア サーバ上のサービスが動作しているかどうかを,他のシステムからリモートで監視する。
イ サーバにインストールされているソフトウェアを一元的に管理する。
ウ サーバを監視して,システムやアプリケーションのパフォーマンスを管理する。
エ システム構成をあらかじめ記述しておくことによって,サーバを自動的に構成する。
【解答】
正解:エ
プロビジョニングとは「準備すること」。一般にシステム構成はサーバで管理している。その管理手段を容易にするのがサーバプロビジョニングツールである。 → エが○。
ア・ウは,リモート監視サービスの形態。
イは,サーバプロビジョニングを効果的に行うための手段(目的ではない)
参照:サーバープロビジョニング
[ki231-18]
プロジェクトマネジメントにおける「プロジェクト憲章」の説明はどれか。
- ア プロジェクトの実行,監視,管理の方法を規定するために,スケジュール,リスクなどに関するマネジメントの役割や責任などを記した文書
- イ プロジェクトのスコープを定義するために,プロジェクトの目標,成果物,要求事項及び境界を記した文書
- ウ プロジェクトの目標を達成し,必要な成果物を作成するために,プロジェクトで実行する作業を階層構造で記した文書
- エ プロジェクトを正式に認可するために,ビジネスニーズ,目標,成果物,プロジェクトマネージャ,及びプロジェクトマネージャの責任・権限を記した文書
【解答】
[ki231-19][ki162-20][ki132-18]
過去のプロジェクトの開発実績から構築した作業配分モデルがある。システム要件定義からシステム内部設計までをモデルどおりに228日で完了し,プログラム開発を開始した。現在,200本のプログラムのうち100本のプログラム開発を完了し,残り100本は未着手の状況である。プログラム開発以降もモデルどおりに進捗すると仮定するとき,プロジェクト全体の完了まで,あと何日掛かるか。ここで,各プログラムの開発に掛かる工数及び期間は,全てのプログラムで同一であるものとする。
[作業配分モデル]
システム システム システム プログラム システム システム
要件定義 外部設計 内部設計 開発 結合 テスト
工数比 0.17 0.21 0.16 0.16 0.11 0.19
期間比 0.25 0.21 0.11 0.11 0.11 0.21
ア 140 イ 150 ウ 161 エ 172
【解答】
正解:イ
「要求定義から内部設計までを228日で完了」
→0.25+0.21+0.11=57%に228日かかった→1%あたり4日
現在の状況
期間比 0.25+0.21+0.11+0.11*0.5=62.5%
残りの期間=37.5%→37.5*4=150日 →イが〇
[ki231-20]
JIS Q 20000-1:2020(サービスマネジメントシステム要求事項)によれば,組織は,サービスレベル目標に照らしたパフォーマンスを監視し,レビューし,顧客に報告しなければならない。レビューをいつ行うかについて,この規格はどのように規定しているか。
ア SLAに大きな変更があったときに実施する。
イ あらかじめ定めた間隔で実施する。
ウ 間隔を定めず,必要に応じて実施する。
エ サービス目標の未達成が続いたときに実施する。
【解答】
[ki231-21]
システム監査基準(平成30年)における予備調査についての記述として,適切なものはどれか。
- ア 監査対象の実態を把握するために,必ず現地に赴いて実施する。
- イ 監査対象部門の事務手続やマニュアルなどを通じて,業務内容,業務分掌の体制などを把握する。
- ウ 監査の結論を裏付けるために,十分な監査証拠を入手する。
- エ 調査の範囲は,監査対象部門だけに限定する。
【解答】
正解:イ
アは×。現地調査は本調査で行うのが通常
イは○。予備調査では被監査部門へのヒアリング,資料の収集・確認などを行うのが通常
ウは×。監査報告作成での事項
エは×。システム利用部門など関連部門の調査も必要
参照:システム監査の手順
[ki231-22][ki192-22]
システム監査基準(平成30年)における監査手続の実施に際して利用する技法に関する記述のうち,適切なものはどれか。
- ア インタビュー法とは,システム監査人が,直接,関係者に応答で問合せ,回答を入手する技法をいう。
- イ 現地調査法は,システム監査人が監査対象部門に直接赴いて,自ら観察・調査するものなので,当該部門の業務時間外に実施しなければならない。
- ウ コンピュータ支援監査技法は,システム監査上使用頻度の高い機能に特化した,しかも非常に簡単な操作で利用できる専用ソフトウェアによらなければならない。
- エ チェクリスト法とは,監査対象部門がチェックリストを作成及び利用して,監査対象部門の見解を取りまとめた結果をシステム監査人が点検する方法をいう。
【解答】
正解:ア
アは○。インタビューでは直接相手と面談
イは×。業務実態を調査するには業務時間内に実施
ウは×。専用ツール以外にも使えるものが多い。限定する必要はない。
エは×。チェクリストは監査人が作成。監査関連機関のものを監査人が適宜修正して作成することもある。
参照:監査証拠の入手・分析技法
[ki231-23][fe131-61][ki112-23]
情報化投資計画において,投資価値の評価指標であるROIを説明したものはどれか。
ア 売上増やコスト削減などによって創出された利益額を投資額で割ったもの
イ 売上高投資金額比,従業員当たりの投資金額などを他社と比較したもの
ウ 現金流入の現在価値から,現金流出の現在価値を差し引いたもの
エ プロジェクトを実施しない場合の,市場での競争力を表したもの
【解答】
[ki231-24]
システム要件定義プロセスにおいて,トレーサビリティが確保されていることを説明した記述として,適切なものはどれか。
- ア 移行マニュアルや運用マニュアルなどの文書化が完了しており,システム上でどのように業務を実施するのかを利用者が確認できる。
- イ 所定の内外作基準に基づいて外製する部分が決定され,調達先が選定され,契約が締結されており,調達先を容易に変更することはできない。
- ウ モジュールの相互依存関係が確定されており,以降の開発プロセスにおいて個別モジュールの仕様を変更することはできない。
- エ 利害関係者の要求の根拠と成果物の相互関係が文書化されており,開発の途中で生じる仕様変更をシステムに求められる品質に立ち返って検証できる。
【解答】
正解:エ
エは〇。トレーサビリティとは追跡可能性のこと。追跡可能性を高めるには,現在の状況になるまでの各工程の履歴が整備されていることが基本。
ア・イ・ウは×。トレーサビリティを高める手段としては有効だが一面的であり,トレーサビリティの確保にはならない。
[ki231-25][ki211-24][ki181-25][ki152-24]
情報システムの調達の際に作成されるRFIの説明はどれか。
- ア 調達者から供給者候補に対して,システム化の目的や業務内容などを示し,必要な情報の提供を依頼すること
- イ 調達者から供給者候補に対して,対象システムや調達条件などを示し,提案書の提出を依頼すること
- ウ 調達者から供給者に対して,契約内容で取り決めた内容に関して,変更を要請すること
- エ 調達者から供給者に対して,双方の役割分担などを確認し,契約の締結を要請すること
【解答】
正解:ア
アは〇。RFI(Request For Information:情報提供依頼書)
イは×。RFP(Request For Proposal:提案依頼書)
ウは×。私は名称を知らない。一般にはITILで利用者から運用者に変更依頼をするときの文書をRFC(Request for Change:変更要求書)というが・・・。
エは×。SOW(Statement of Work:作業範囲記述書)。むしろ双方向で合意することが多い。
参照:「システム外注の手順」
[ki231-26][fe142-71]
バランススコアカードで使われる戦略マップの説明はどれか。
- ア 切り口となる二つの要素をX軸,Y軸として,市場における自社又は自社製品のポジションを表現したもの
- イ 財務,顧客,内部ビジネスプロセス,学習と成長の四つの視点ごとの課題,施策,目標の間の因果関係を表現したもの
- ウ 市場の魅力度,自社の優位性の二つの軸から成る四つのセルに自社の製品や事業を分類して表現したもの
- エ どのような顧客層に対して,どのような経営資源を使用し,どのような製品・サービスを提供するのかを表現したもの
【解答】
[ki231-27]
IoTを支える技術の一つであるエネルギーハーベスティングを説明したものはどれか。
- ア IoTデバイスに対して,一定期間のエネルギー使用量や稼働状況を把握して電力使用の最適化を図る技術
- イ 周囲の環境から振動,熱,光,電磁波などの微小なエネルギーを集めて電力に変換して,IoTデバイスに供給する技術
- ウ データ通信に利用するカテゴリ5以上のLANケーブルによって,IoTデバイスに電力を供給する技術
- エ 必要な時だけ,デバイスの電源をONにして通信を行うことによって,IoTデバイスの省電力化を図る技術
【解答】
[ki231-28][ki211-28]
アグリゲーションサービスに関する記述として,適切なものはどれか。
- ア 小売販売の会社が,店舗やECサイトなどあらゆる顧客接点をシームレスに統合し,どの顧客接点でも顧客に最適な購買体験を提供して,顧客の利便性を高めるサービス
- イ 物品などの売買に際し,信頼のおける中立的な第三者が契約当事者の間に入り,代金決済等取引の安全性を確保するサービス
- ウ 分散的に存在する事業者,個人や機能への一括的なアクセスを顧客に提供し,比較,まとめ,統一的な制御,最適な組合せなどワンストップでのサービス提供を可能にするサービス
- エ 本部と契約した加盟店が,本部に対価を支払い,販売促進,確立したサービスや商品などを使う権利をもらうサービス
【解答】
[ki231-29]
原価計算基準に従い製造原価の経費に算入する費用はどれか。
ア 製品を生産している機械装置の修繕費用
イ 台風で被害を受けた製品倉庫の修繕費用
ウ 賃貸目的で購入した倉庫の管理費用
エ 本社社屋建設のために借り入れた資金の支払利息
【解答】
正解:ア
アは〇。生産設備の費用は製造原価の対象。その修繕費用は経費
イは×。倉庫が流通倉庫などであれば,製造原価には入らない。
災害により被害を受けた固定資産は,被災資産として特別損失勘定になることもある。
ウは×。投資なので営業外損益の対象
エは×。本社社屋は販売費及び一般管理費の対象。貸借対照表では固定資産積立金
参照:損益計算書
[ki231-30]
労働者派遣法において,派遣元事業主の講ずべき措置等として定められているものはどれか。
ア 派遣先管理台帳の作成
イ 派遣先責任者の選任
ウ 派遣労働者を指揮命令する者やその他関係者への派遣契約内容の周知
エ 労働者の教育訓練の機会の確保など,福祉の増進
【解答】
正解:エ
アは×。派遣先(第四十二条)
イは×。派遣先(第四十一条)
ウは×。派遣先(第四十一条)
エは〇。派遣元(第三十条の二)「派遣元事業主は,その雇用する派遣労働者が段階的かつ体系的に派遣就業に必要な技能及び知識を習得することができるように教育訓練を実施しなければならない。」
参照:労働者派遣法