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正規分布

参照:JavaScriptの計算プログラム


正規分布とは

例えば、すべての成人男子の身長Xを測定してグラフにすると、下左図のようなグラフになります。
 このとき、Xは、平均μ分散σ標準偏差σ)の正規分布に従うといいます。
 そして、Z=(X-μ)/σ とおくと、Zは平均0、分散1の標準正規分布(下右図)に従います。

正規分布表

標準正規分布では、Zが決まれば、P(≧Z)の表が計算されています。それを 正規分布表 といいます。主な値を掲げます。

 Z     P
1.0   0.135
1.65  0.05
2.0   0.023
2.32  0.01
3.0   0.001

数値例

成人男子の平均身長は170センチ、標準偏差は10センチであることがわかっているとします。
 180センチ以上の人は何%でしょうか?
 μ=170、σ=10、X=180なので、
   Z=(X-μ)/σ=(180-170)/10=1
 このときのPは0.135→13.5%・・・答

成人男子の90%の身長は、どの範囲になるでしょうか?
 それ以外の10%の人は高い場合と低い場合があります。高い場合は5%なので、P=0.05
 P=0.05対するZは1.65
 求める範囲は、μ±Zσ=170±1.65×10=153.5~186.5[センチ]・・・答

中心極限定理

ある母集団の分布はわからないが、平均μと分散σはわかっているとします。
その母集団から、n個の標本xを取り出したとき、標本平均の確率分布は、nが十分に大きい(n≧12程度)ならば、その母集団の分布がどのようなものであっても、平均μ、分散σの正規分布に近づくことが証明されています。これを中心極限定理といいます。
 「インターネット利用者全体で、各人が毎日何通の電子メールを受け取っているかの分布は不明だが、平均50通で標準偏差は8通であることがわかっている。あるグループの16人を選んで調べたとき、その平均が54通以上である確率を求めよ。」という問題を考えます。
 標本平均の分布は、
   平均:50通
   標準偏差:√σ/n =√/16=2通
の正規分布に従います。すなわち、Z=(-50)/2とすれば、Zは標準正規分布に従います。
 そして、(54-50)/2=2ですから、正規分布表からP=0.023。すなわち、平均が54通以上である確率は2.3%となります。
 これにより、このグループはインターネット利用者全体からみると、かなり電子メールを多く受け取っている人たちだと結論することができます。


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