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選択肢試験目次
ki171 高度試験午前I 平成29年度春期
[ki171-01][ki091-01]
(1+α)nの計算を,1+n×αで近似計算ができる条件として、適切なものはどれか。
ア |α|が1に比べて非常に小さい。
イ |α|が n に比べて非常に大きい。
ウ |α÷n|が1より大きい。
エ |n×α|が1より大きい。
【解答】
正解:ア
テーラー展開
(1+α)n=1+n×α+n(n-1)/2×α2+n(n-1)(n-1)/6×α3+・・・
(1+α)n=1+n×αに近似できる→α2以降の項が0に近い
→αが0に近い→|α|が1に比べて非常に小さい→アが〇
[ki171-02][ki111-02]
あるプログラム言語において,識別子(identifier)は,先頭が英字で始まり,それ以降に任意個の英数字が続く文字列である。これをBNFで定義したとき,aに入るものはどれか。
<digit>::=0|1|2|3|4|5|6|7|8|9
<letter>::=A|B|C|…|X|Y|Z|a|b|c|…|x|y|z
<identifier>::= [ a ]
ア <letter>|<digit>|<identifier><letter>|<identifier><digit>
イ <letter>|<digit>|<letter><identifier>|<identifier><digit>
ウ <letter>|<identifier><digit>
エ <letter>|<identifier><digit>|<identifier><letter>
【解答】
正解:エ
BNFの読み方
<digit>::=0|1|…|9 「digitとは、0 または 1 または・・・ 9 から成る。」
ア・イは×。<identifier>::=<digit>でもよい→先頭が数字でもよい
ウは×。<identifier>::=<digit>で先頭は英字になるが、<identifier>::=<identifier><digit>だけなので、2桁目以降があればそれが全て数字になってしまう。
エは〇。ウに加えて、<identifier>::=<identifier><letter>があるので、2桁目以降があれば数字でも英字でもよいことになる。
参照:BNF
[ki171-03]
次の流れ図の処理で,終了時のxに格納されているものはどれか。ここで,与えられたa,bは正の整数であり,mod(x,y)はxをyで割った余りを返す。
ア aとbの最小公倍数 イ aとbの最大公約数
ウ aとbの小さい方に最も近い素数 エ aをbで割った商
【解答】
正解:イ
仮に a = 18, b = 12 してトレースしてみる。
x = 18, y = 12
t = mod(18,12) = 6, x = 12, y = 6
t = mod(12,6) = 0, x = 6, y = 0 打切り
終了時 x = 6
a = 18 = 2x3x3, b = 12 = 2x2x3 だから
aとbの最小公倍数 = 2x2x3x3 = 36 →アは×
aとbの最大公約数 = 2x3 = 6 →イは〇
aとbの小さい方 = 12, 最も近い素数 = 13 →ウは×
aをbで割った商 = 18/12 = 1.5 →エは×
このアルゴリズムは「ユークリッドの互除法」という。
参照:ユークリッドの互除法
[ki171-04]
15Mバイトのプログラムを圧縮した状態でフラッシュメモリに格納している。プログラムの圧縮率が40%,フラッシュメモリから主記憶への転送速度が20Mバイト/秒であり,1Mバイトに圧縮されたデータの展開に主記憶上で0.03秒が掛かるとき,このプログラムが主記憶に展開されるまでの時間は何秒か。ここで,フラッシュメモリから主記憶への転送と圧縮データの展開は同時には行われないものとする。
ア 0.48 イ 0.75 ウ 0.93 エ 1.20
【解答】
正解:ア
圧縮後のデータ量=15[Mバイト]×40[%]=6[Mバイト]
転送時間=6[Mバイト]/20[Mバイト/秒]=0.3[秒]
展開時間=6[Mバイト]×0.03[秒/Mバイト]=0.18[秒]
求める時間=0.3秒+0.18秒=0.48秒 →アが〇
参照:通信速度の計算
[ki171-05]
図に示す二つの装置から構成される並列システムの稼働率は幾らか。ここで,どちらか一つの装置が稼働していればシステムとして稼働しているとみなし,装置A,Bとも,MTBFは450時間,MTTRは50時間とする。
┌───┐
┌┤装置A├┐
│└───┘│
─┤ ├─
│┌───┐│
└┤装置B├┘
└───┘
ア 0.81 イ 0.90 ウ 0.96 エ 0.99
【解答】
正解:エ
一つの装置の稼働率をRとすれば、並列システムの稼働率は1-(1-R)2
R=MTBF/(MTBF+MTTR)=450/500
1-R=50/500=0.1
1-(1-R)2=1-0.12=0.99 →エが〇
参照:「RAS MTTR MTBF」,
「システムの信頼性」
[ki171-06]
4ブロック分のキャッシュメモリC0~C3が表に示す状態である。ここで,新たに別のブロックの内容をキャッシュメモリにロードする必要が生じたとき,C2のブロックを置換の対象とするアルゴリズムはどれか。
キャッシュメモリ ロード時刻(分:秒) 最終参照時刻(分:秒) 参照回数
C0 0:00 0:08 10
C1 0:03 0:06 1
C2 0:04 0:05 3
C3 0:05 0:10 5
ア FIFO イ LFU ウ LIFO エ LRU
【解答】
正解:エ
FIFO:ロード時刻が最古 →C0を置換 →アは×
LFU:参照回数が最小 →C1を置換 →イは×
LIFO:ロード時刻が最新 →C3を置換 →ウは×
LRU:最終参照時刻が最古 →C2を置換 →エは〇
参照:ページアウトの方式
[ki171-07]
図の回路が実現する論理式はどれか。ここで,論理式中の"・"は論理積,"+"は論理和を表す。
ア F=A イ F=B ウ F=A・B エ F=A+B
【解答】
正解:イ
F=(¬A・B)+(A・B)=(¬A+A)・B=B →イが〇
参照:組み合わせ回路
[ki171-08]
トランザクションAとBが,共通の資源であるテーブルaとbを表に示すように更新するとき,デッドロックとなるのはどの時点か。ここで,表中の①~⑧は処理の実行順序を示す。また,ロックはテーブルの更新直前にテーブル単位で行い,アンロックはトランザクションの終了後に行うものとする。
トランザクションA トランザクションB
│ ① トランザクション開始
│ ② トランザクション開始
│ ③ テーブルa更新
時│ ④ テーブルb更新
間│ ⑤ テーブルb更新
│ ⑥ テーブルa更新
│ ⑦ トランザクション終了
↓ ⑧ トランザクション終了
ア ③ イ ④ ウ ⑤ エ ⑥
【解答】
正解:エ
③ Aがaをロック aはロック bはフリー
④ Bがbをロック aはロック bはロック
⑤ Aはbが解放されるまで待つ この段階ではデッドロック状態ではない。
⑥ Bはaが解放されるまで待つ
Aはbの解放を待ち、Bはaの解放まで待つ→両方が待ち状態
→デッドロックは⑥で発生→エが〇
参照:デッドロック
[ki171-09]
ビッグデータの利用におけるデータマイニングを説明したものはどれか。
- ア 蓄積されたデータを分析し,単なる検索だけでは分からない隠れた規則や相関関係を見つけ出すこと
- イ データウェアハウスに格納されたデータの一部を,特定の用途や部門用に切り出して,データベースに格納すること
- ウ データ処理の対象となる情報を基に規定した,データの構造,意味及び操作の枠組みのこと
- エ データを複数のサーバに複製し,性能と可用性を向上させること
【解答】
[ki171-10]
イーサネットで使用されるメディアアクセス制御方式であるCSMA/CDに関する記述として,適切なものはどれか。
- ア それぞれのステーションがキャリア検知を行うとともに,送信データの衝突が起きた場合は再送する。
- イ タイムスロットと呼ばれる単位で分割して,同一周波数において複数の通信を可能にする。
- ウ データ送受信の開始時にデータ送受信のネゴシエーションとしてRTS/CTS方式を用い,受信の確認はACKを使用する。
- エ 伝送路上にトークンを巡回させ,トークンを受け取った端末だけがデータを送信できる。
【解答】
[ki171-11]
OpenFlowを使ったSDN(Software-Defined Networking)の説明として,適切なものはどれか。
- ア 単一の物理サーバ内の仮想サーバ同士が,外部のネットワーク機器を経由せずに,物理サーバ内部のソフトウェアで実現された仮想スイッチを経由して,通信する方式
- イ データを転送するネットワーク機器とは分離したソフトウェアによって,ネットワーク機器を集中的に制御,管理するアーキテクチャ
- ウ プロトコルの文法を形式言語を使って厳密に定義する,ISOで標準化された通信プロトコルの規格
- エ ルータやスイッチの機器内部で動作するソフトウェアを,オープンソースソフトウェア(OSS)で実現する方式
【解答】
正解:イ
アは×。ネットワーク仮想化
イは〇。SDN:動的ネットワーク仮想化実現ための総合的な概念。
OpenFlowは、SDNを実現するための代表的なプロトコル
参照:SDNとOpenFlow
ウは×。ASN.1(Abstract Syntax Notation One:抽象構文記法1):主にアプリケーション層プロトコルの記述に用いられるBNFに似た記法。ISO 8824/8825(JIS X 5603)
エは×。OpenFlowに準拠したソフトウェアは、かならずしもOSSではない。
[ki171-12]
A社のWebサーバは,サーバ証明書を使ってTLS通信を行っている。PCからA社のWebサーバへのTLSを用いたアクセスにおいて,当該PCがサーバ証明書を入手した後に,認証局の公開鍵を利用して行う動作はどれか。
ア 暗号化通信に利用する共通鍵を生成し,認証局の公開鍵を使って暗号化する。
イ 暗号化通信に利用する共通鍵を,認証局の公開鍵を使って復号する。
ウ サーバ証明書の正当性を,認証局の公開鍵を使って検証する。
エ 利用者が入力して送付する秘匿データを,認証局の公開鍵を使って暗号化する。
【解答】
正解:ウ
TLSはSSLの後継プロトコル。ディジタル署名やサーバ証明書の機能はSSLと同様。
PCはサーバ証明書から得たサーバの公開鍵により暗号化した共通鍵生成用データをサーバに送信、サーバはサーバの秘密鍵で復号して共通鍵を確認。以降は共通鍵で暗号化通信をする。→「認証局の公開鍵」はサーバの正当性を確認するためとサーバの公開鍵を得るためであり、通信自体には不要→ウ以外は×
「認証局の公開鍵」はサーバ証明書の復号とその正当性の検証に使う→ウが〇
参照:SSL、
電子署名の認証
[ki171-13]
暗号方式に関する説明のうち,適切なものはどれか。
- ア 共通鍵暗号方式で相手ごとに秘密の通信をする場合,通信相手が多くなるに従って,鍵管理の手間が増える。
- イ 共通鍵暗号方式を用いて通信を暗号化するときには,送信者と受信者で異なる鍵を用いるが,通信相手にその鍵を知らせる必要はない。
- ウ 公開鍵暗号方式で通信文を暗号化して内容を秘密にした通信をするときには,復号鍵を公開することによって,鍵管理の手間を減らす。
- エ 公開鍵暗号方式では,署名に用いる鍵を公開しておく必要がある。
【解答】
正解:ア
アは○。
イは×。鍵を安全に知らせる手段が欠点
ウは×。暗号化鍵を公開
エは×。送信者の秘密鍵で署名
参照:共通鍵暗号方式,
公開鍵暗号方式i
[ki171-14]
経済産業省とIPAが策定した"サイバーセキュリティ経営ガイドライン(Ver1.1)"の説明はどれか。
- ア 企業がIT活用を推進していく中で,サイバー攻撃から企業を守る観点で経営者が認識すべき3原則と,情報セキュリティ対策を実施する上での責任者となる担当幹部に,経営者が指示すべき事項をまとめたもの
- イ 経営者が,情報セキュリティについて方針を示し,マネジメントシステムの要求事項を満たすルールを定め,組織が保有する情報をCIAの観点から維持し,継続的に見直すためのプロセス及び管理策を体系的に規定したもの
- ウ 事業体のITに関する経営者の活動を大きくITガバナンス(統制)とITマネジメント(管理)に分割し,具体的な目標と工程として37のプロセスを定義したもの
- エ 世界的規模で生じているサイバーセキュリティ上の脅威に関して,企業の経営者を支援する施策を総合的かつ効果的に推進するための国の責務を定めたもの
【解答】
[ki171-15]
無線LAN環境におけるWPA2-PSKの機能はどれか。
- ア アクセスポイントに設定されているSSIDを共通鍵とし,通信を暗号化する。
- イ アクセスポイントに設定されているのと同じSSIDとパスワード(Pre-Shared Key)が設定されている端末だけを接続させる。
- ウ アクセスポイントは,IEEE 802.11acに準拠している端末だけに接続を許可する。
- エ アクセスポイントは,利用者ごとに付与されたSSIDを確認し,無線LANへのアクセス権限を識別する。
【解答】
正解:イ
アは×。SSID:アクセスポイントとパソコンの間のネットワークにつける識別名。SSID自体は第三者端末からも見られる。
イは〇。PSK(事前共有鍵):パソコンとアクセスポイント間の暗号方式。
WPA2:PSKによる暗号化方式
ウは×。近年の端末あるいは無線LAN子機は、ほとんどIEEE 802.11acに準拠。端末の限定にはならない。PSKでパソコンを認識
エは×。SSIDは「利用者ごとに付与」ではない。WPA2ではなくIEEE 802.11の機能
[ki171-16]
汎化の適切な例はどれか。
┌─────┐ ┌─────┐
ア │ 哺乳類 │ イ │ 自動車 │
└─────┘ └─────┘
△ △
┌──────┼──────┐ ┌──────┼──────┐
┌──┴──┐┌──┴──┐┌──┴──┐ ┌──┴──┐┌──┴──┐┌──┴──┐
│ 人 ││ 犬 ││ 猫 │ │ アクセル ││ ブレーキ ││ ハンドル │
└─────┘└─────┘└─────┘ └─────┘└─────┘└─────┘
┌─────┐ ┌─────┐
ウ │ 商品 │ エ │ 取引先 │
└─────┘ └─────┘
△ △
┌──────┼──────┐ ┌──────┼──────┐
┌──┴──┐┌──┴──┐┌──┴──┐ ┌──┴──┐┌──┴──┐┌──┴──┐
│ 受注 ││ 在庫 ││ 出荷 │ │ 会社名 ││ 住所 ││ 電話番号 │
└─────┘└─────┘└─────┘ └─────┘└─────┘└─────┘
【解答】
[ki171-17]
アジャイル開発で"イテレーション"を行う目的のうち,適切なものはどれか。
- ア ソフトウェアに存在する顧客の要求との不一致を解消したり,要求の変化に柔軟に対応したりする。
- イ タスクの実施状況を可視化して,いつでも確認できるようにする。
- ウ ペアプログラミングのドライバとナビゲータを固定化させない。
- エ 毎日決めた時刻にチームメンバが集まって開発の状況を共有し,問題が拡大したり,状況が悪化したりするのを避ける。
【解答】
正解:ア
アジャイル開発とは、短期間でシステム開発を行う開発技法の総称
イテレーションとは、要求分析から移行までの一連の活動。アジャイル開発では短期間にイテレーションを行い、繰り返す。その目的はア→アが〇。
参照:アジャイル開発技法
アジャイル開発の代表的な技法にXP(エクストリーム・プログラミング)がある。イ・ウ・エはXPで重視している方法。内容は正しいが、イテレーションの目的とは直接の関係はない。
イは計画ゲーム(ストーリ)あるいはYAGNI(可視化より相互確認が主目的だが)
ウはペアプログラミングの運用
エはスクラムあるいはYAGNI(毎日定刻かどうかは私は知らない)
参照:XP
[ki171-18][ki122-18]
図のアローダイアグラムから読み取ったことのうち,適切なものはどれか。ここで,プロジェクトの開始日は0日目とする。
ア 作業Cを最も早く開始できるのは5日目である。
イ 作業Dはクリテイカルパス上の作業である。
ウ 作業Eの余裕日数は30日である。
エ 作業Fを最も遅く開始できるのは10日目である。
【解答】
正解:ウ
アは×。③の最早開始日=最大(A、B+I)=10 →10日目
イは×。クリティカルではない
ウは〇。③の最早開始日=10日目→Eを直ちに開始すれば、10+10=20日に完了
図の緑線がクリティカルパス=B+I+C+G+H=60日
青のようにたどれば、④の最遅開始日は50日→Eは50日までに終わればよい
余裕=50-20=30日
エは×。②の最遅開始日は40日目
参照:作業の開始・完了時刻と余裕時間
[ki171-19]≒[ki151-20]
PMBOKガイド第5版によれば,定量的リスク分析で実施することはどれか。
ア 特定したリスクがプロジェクト目標全体に与える影響を数量的に分析する。
イ 特定したリスクの発生確率や影響度を評価してリスクに優先順位を付ける。
ウ 特定したリスクへの対応計画を策定する。
エ プロジェクトに影響を与える可能性があるリスクを洗い出す。
【解答】
正解:ア
アは〇。数量的→定量的リスク分析
イは×。リスク分析だがアが数量的→定性的リスク分析
ウは×。対応計画策定 → リスク対応計画
エは×。洗い出し → リスク特定
参照:リスクマネジメント
[ki171-20]
ITIL 2011 editionの可用性管理プロセスにおいて,ITサービスの可用性と信頼性の管理に関わるKPIとして用いるものはどれか。
ア サービスの中断回数及びそのインパクトの削減率
イ 災害を想定した復旧テストの回数
ウ 処理能力不足に起因するインシデント数の削減率
エ 目標を達成できなかったSLAの項目数
【解答】
正解:ア
KPI:重要目標達成指標
以下はITILのサービス設計の管理項目
アは〇。サービスの可用性→可用性管理
イは×。災害対策→事業継続→継続性管理
ウは×。性能不足→キャパシティ管理
エは×。SLA→サービスレベル管理
[ki171-21]
ITサービスマネジメントにおける問題管理プロセスの活動はどれか。
ア 根本原因の特定 イ サービス要求の優先度付け
ウ 変更要求の記録 エ リリースの試験
【解答】
正解:ア
アは〇。問題管理
イは×。イベント管理、インシデント管理
ウは×。変更管理
エは×。リリース管理
参照:ITIL サービス運用
[ki171-22]
システム監査人が監査報告書に記載する改善勧告に関する説明のうち,適切なものはどれか。
- ア 改善の実現可能性は考慮せず,監査人が改善の必要があると判断した事項だけを記載する。
- イ 監査証拠による裏付けの有無にかかわらず,監査人が改善の必要があると判断した事項を記載する。
- ウ 監査人が改善の必要があると判断した事項のうち,被監査部門の責任者が承認した事項だけを記載する。
- エ 調査結果に事実誤認がないことを被監査部門に確認した上で,監査人が改善の必要があると判断した事項を記載する。
【解答】
正解:エ
アは×。実現不可能な指摘は専門能力に欠ける。所要の措置をするための適切な指導ができない。
イは×。監査証拠に裏付けられた合理的な根拠に基づくものでなければならない。
ウは×。被監査部門の意向に左右されてはならない。独立性が保てない。
エは〇。事実確認は必要。合理的な根拠が求められる。
参照:システム監査人,
報告基準
[ki171-23]
事業目標達成のためのプログラムマネジメントの考え方として,適切なものはどれか。
- ア 活動全体を複数のプロジェクトの結合体と捉え,複数のプロジェクトの連携,統合,相互作用を通じて価値を高め,組織全体の戦略の実現を図る。
- イ 個々のプロジェクト管理を更に細分化することによって,プロジェクトに必要な技術や確保すべき経営資源の明確化を図る。
- ウ システムの開発に使用するプログラム言語や開発手法を早期に検討することによって,開発リスクを低減し,投資効果の最大化を図る。
- エ リスクを最小化するように支援する専門組織を設けることによって,組織全体のプロジェクトマネジメントの能力と品質の向上を図る。
【解答】
正解:ア
プロジェクトと似た概念にプログラムがある。ここでのプログラムとはソフトウェアのプログラムではなく(ウは×)、プログラムとは複数のプロジェクトが互いに関連して並行して行われる場合、その全体をグルーピングし統合的に管理する概念である(アが〇、イは×)。
参照:プログラム&プロジェクトマネジメント(P2M)
エは×。PMO(Project Management Office:プロジェクト支援部門)
[ki171-24]
IT投資に対する評価指標の設定に際し,バランススコアカードの手法を用いてKPIを設定する場合に,内部ビジネスプロセスの視点に立ったKPIの例はどれか。
ア 売上高営業利益率を前年比5%アップとする。
イ 顧客クレーム件数を1か月当たり20件以内とする。
ウ 新システムの利用者研修会の受講率を100%とする。
エ 注文受付から製品出荷までの日数を3日短縮とする。
【解答】
正解:エ
KPI:重要目標達成指標
アは×。財務の視点
イは×。顧客の視点
ウは×。学習と成長の視点
エは〇。業務プロセスの視点
参照:バランススコアカード
[ki171-25]
業務要件定義において,業務フローを記述する際に,処理の分岐や並行処理,処理の同期などを表現できる図はどれか。
ア アクティビティ図 イ クラス図 ウ 状態遷移図 エ ユースケース図
【解答】
[ki171-26]
事業戦略のうち,浸透価格戦略に該当するものはどれか。
- ア 売上高をできるだけ維持しながら,製品や事業に掛けるコストを徐々に引き下げていくことによって,短期的なキャッシュフローの増大を図る。
- イ 事業を分社化し,その会社を売却することによって,投下資金の回収を図る。
- ウ 新規事業に進出することによって,企業を成長させ,利益の増大を図る。
- エ 低価格戦略と積極的なプロモーションによって,新製品のマーケットシェアの増大を図る。
【解答】
[ki171-27][fe141-70]≒[ad032-70]
他の技法では答えが得られにくい,未来予測のような問題に多く用いられ,(1)~(3)の手順に従って行われる予測技法はどれか。
(1)複数の専門家を回答者として選定する。
(2)質問に対する回答結果を集約してフィードバックし,再度質問を行う。
(3)回答結果を統計的に処理し,分布とともに回答結果を示す。
ア クロスセクション法 イ シナリオライティング法
ウ 親和図法 エ デルファイ法
【解答】
正解:エ
アは×。ある時点での予測値を,その時点での他の項目の予測値から求める方法
イは×。仮定による将来の出来事を時系列に列挙し,それに関連する他分野の状況を示すことにより,定性的に整合性のある予測をする方法
ウは×。KJ法などのブレーンストーミングで集めたカードを似たもの集めをして,ストーリにした図
エは○。
参照:「予測手法の概要」
[ki171-28]
セル生産方式の特徴はどれか。
ア 作業指示と現場管理を見えるようにするために,かんばんを使用する。
イ 生産ライン上の作業場所を通過するに従い製品の加工が進む。
ウ 必要とする部品,仕様,数量が後工程から前工程へと順次伝わる。
エ 部品の組立てから完成検査まで,ほとんどの工程を1人又は数人で作業する。
【解答】
正解:エ
アは×。かんばん方式
イは×。ライン生産方式
ウは×。後工程引取方式
エは○。セル生産方式。作業者の達成感の向上。品質向上に好影響,生産性も向上するといわれる。
参照:セル生産方式
[ki171-29][fe101-77][ad082-64][ad052-65]
損益分岐点の特性を説明したものはどれか。
ア 固定費が変わらないとき,変動費率が低くなると損益分岐点は高くなる。
イ 固定費が変わらないとき,変動費率の変化と損益分岐点の変化は正比例する。
ウ 損益分岐点での売上高は,固定費と変動費の和に等しい。
エ 変動費率が変わらないとき,固定費が小さくなると損益分岐点は高くなる。
【解答】
正解:ウ
ウは○。利益=売上高-(固定費+変動費)=0
これより,固定費=売上高-変動費=売上高(1-変動費率)
売上高=固定費/(1-変動費率)
この売上高が損益分岐点
アは×。変動費率↓ → (1-変動費率)↑ → 固定費/(1-変動費率)↓
エは×。固定費↓ → 固定費/(1-変動費率)↓
イは×。変動費率が1/2倍になっても,(1-変動費率)は2倍にならない。
参照:損益分岐点
[ki171-30][sd05-51][su05-46][su02-41]
Webページの著作権に関する記述のうち、適切なものはどれか。
- ア 個人が開設しているWebページに、営利目的でなく個人の趣味として他人の著作物を無断掲載しても、私的利用であるから著作権の侵害とはならない。
- イ 作成したプログラムをインターネット上でフリーウェアとして公開した場合、配布されたプログラムは、著作権法による保護の対象とはならない。
- ウ 試用期間中のシェアウェアを使用して作成したデータを、試用期間終了後もWebページに掲載することは、著作権の侵害に当たる。
- エ 特定の分野ごとにWebページのURLを収集し、簡単なコメントを付けたリンク集は、著作権法で保護される。
【解答】
正解:エ
アは×。営利目的・非営利目的に関係なく著作権の侵害になる。
→参照:「著作権の概要」
イは×。フリーウェアでも作成者が著作権を有する。
ウは×。データそのものは,作成手段とは無関係である。
著作権は作成した時点(試用期間中)で発生する。
→参照:「購入ソフトウェアと著作権」
エは○。創作性のあるデータベースである。
→参照:「プログラムと著作権」