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情報システム調達の基礎

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学習のポイント

本章では、個別の情報システムを調達し、運用する段階での基礎的な知識を習得します。


個別システムの開発

ライフサイクル

「共通フレーム」

単純化したライフサイクル

過去問題:「共通フレーム」 (slcp)、 「システム開発のライフサイクル」 (kaihatu-lifecycle)

要求定義

要求分析では、経営戦略や情報化戦略からの要求と、実際に使う利用者からの要求をすりあわせる段階です。要求に優先順位をつけることが重要です。

ここでは記述を省略しますが、要求分析の方法や利用部門の任務に関する過去問題を掲げます。

過去問題: 「開発での部門の任務」(bumon-ninmu)、 「要求分析技法」(youkyu-bunseki)、 「プレゼンテーション」(presentation)

システム開発技法

過去問題:「システム開発技法」(kaihatsu-gihou)

開発工数の見積

過去問題:「システム開発の工数見積」(kousu-mitumori)

プロジェクト管理

情報システムの納期が遅れると、経営戦略の実現にも影響するし、社外利用を目的とした情報システムでは、顧客や社会に迷惑をかけることになります。それで、進捗管理が必要になります。

ガントチャート
作業別にタスク内容とその実施期間を棒状に図示したもので、各作業の開始時点と終了時点が一目で把握できる特徴があります。
PERT
各作業の先行・後続の関係を重視したアローダイヤグラム(矢線図)を作り、最早完成日やクリティカルパスを求める技法です。これに関しては別章「ORの基礎」で取り扱います。
参照:「ORの基礎」(or-kiso)

PMBOK

EVM

過去問題:「プロジェクト管理」(project)


テストの方法

出来上がったシステムを実施移行するには、システムが正しく動くか、実際に用いる性能があるかなどをテストする必要があります。初級シスアドでは、この分野からの出題が多いので、別章にて取り扱います。

●参照:「テストの方法」(kj-test-kiso)
●過去問題:「テストの種類」(test-syurui)、 「テストの方法」(test-houhou)


システムの保守・運用

日常的な運用管理

データの入力・修正
誤ったデータがコンピュータに入ると、多様なシステムに影響するし、エラーを探すのが困難なので、入力時のデータチェックシステムを整備することが必要です。
 データの入力や修正は、責任を明確にするために、そのデータが発生した現業部門が行うのが適切です。情報システム部門が代行する場合は、処理結果リストをユーザ部門に送付して確認をとることが必要です。
データの保管
原始伝票は、会計監査や内部統制の監査証跡になるので、業務規程に従った保管をする必要があります。
●参照:「e-文書法」(std-e-bunsyohou)、「金融商品取引法(日本版SOX法)」(std-sox)
コンピュータデータもコンピュータ室の災害対策のために、バックアップファイルを遠隔地に保管するのが安全です。
障害対策
利用中の障害には、「パソコンのコンセントが外れた」ようなものから「プログラムにエラーがある」ものまで多様です。利用者には、自分で対応できる障害か、情報システム部門へ依頼すべき障害かを判断する能力が求められます。すべて情報システム部門に頼るのは困りますし、情報システム部門管轄の事項まで勝手にいじくるのは2次障害の原因になります。
システムのバージョンアップ
パソコンのOSやソフトウェアのバージョンアップは、利用者が勝手に行うとトラブルの原因になるので、情報システム部門が管理するべきです。しかし、実作業では現場部門が情報システム部門の指示に従って協力することが求められます。

保守管理

ソフトウェア保守費用の推移
稼動直後は、テストでの漏れがあったり、実際に使ってみて発見される改善事項が多いので、保守費用は大きくなります。その後は安定期に入るので費用は小さくなります。長期使用後は、環境変化による適合保守が増加するので費用も次第に増加します。
保守の種類
障害が発生したので保守をすることを、緊急保守、スポット保守などといいます。それに対して、障害が発生する前に対策を実施することを予防保守といいます。予防保守の一つに、定期的に検査をして保守する定期保守があります。
担当者が現場で保守するのが通常ですが、ネットワークを用いて遠隔地のセンターから障害診断をしたり、プログラムを取り替えるなどの保守をすることがあります。それを遠隔保守、リモート保守などといいます。
なお、ハードウェアの保守において取外付けの作業に工具を必要としないようにすることをツールレス保守といいます。
記録の重要性
運用や保守において重要なのは、記録をとってデータベース化することにより一元管理するです。それをリポジトリとかCMDB(構成管理データベース)といいます。それにより、用語を統一することもでき、障害原因などを究明する際に重要な情報が得られます。これらは、ソフトウェア開発の段階から考慮するべきです。

運用保守での契約

瑕疵責任

製造物瑕疵責任とは、引渡後の一定期間内に製造物の欠陥が発見されたときは、製造者が無償で保守しなければならないという法的な保護です。契約でどこまでが瑕疵責任であり、どこからが有償で対処すべき修正作業なのかを明確にしておかないと、トラブルの原因になります。

ITIL

SLA

過去問題:「システムの運用」(unyou)、 「システムの保守」(hosyu)


外注、ERPパッケージ

外注による開発

外部委託での一般的注意事項

委託分野
システム開発や運用などは外部委託できますが、経営戦略や情報化戦略は自社で行うべきものであり、外部に依頼するのは不適切です。
ベンダの選定
単に見積金額が安いことで決定するべきではありません。次の事項を検討するのが適切です。
  ・委託先の経営安定性
  ・システム開発の成熟度→CMM/CMMI
  ・業務への精通度
  ・要員のスキル→ITSS
契約
システム開発や運用では、多くの事柄が複雑に関連しているし、多様なリスクが存在します。トラブルを避けるために、しっかりとした契約内容にすることが必要です。
コミュニケーション
丸投げはいけません。定期、不定期な会合を持ち、状況把握をして対策を相談することが大切です。

システム運用の外部委託

汎用コンピュータ時代から、コンピュータのオペレータ業務は3交代勤務が多く、外部要員を活用するのが通常でした。最近では、インターネット接続サーバの運用管理が、勤務事情だけではなく、セキュリティ対策の観点から外部委託する形態が増加しています。

ハウジング
顧客企業のサーバ類を預かって管理するサービス形態をハウジング・サービスといいます。
ホスティング
サーバやファイアウオールなどの機器あるいはディスクの一部を貸して、WWWサイトや電子メールなどの環境を提供する形態を、ホスティング・サービスといいます。
ASP(アプリケーションサービス・プロバイダ)
ERPパッケージやECのシステムなど、顧客企業の情報システムについて、サーバ側の業務に必要なハードウェアやソフトウェアを提供する形態です。
iDC(インターネット・データセンター)
巨大なディスク群を設置して、顧客企業での膨大なデータを保管し、必要に応じて顧客のコンピュータに転送することに限定したサービスです。

契約範囲での区分

請負契約と派遣契約

過去問題:「開発の外部委託」(kaihatu-itaku)

ERPパッケージ

過去問題:「ERPパッケージ」(erp)