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ERPパッケージの概要

キーワード

ERPパッケージ、統合業務パッケージ、カスタマイズ、アドオン


パッケージとは

給与計算や財務会計などの業務は、ほとんどの企業でシステム化していますし、多くの企業が同じような処理をしています。それならば、個々の企業が個別な仕様で自社のためのシステム(カスタムソフトウェアという)を開発するよりも、ベンダが標準的なソフトウェアを構築しておき、それを利用するほうが便利です。それを市販アプリケーションパッケージ(略してパッケージ)といいます。
 給与計算や会計処理のように、限定した業務を対象にしたパッケージのことを個別業務パッケージといいます。

個別業務パッケージは、中小企業ではパソコン用のパッケージが多く利用されていますが、1980年代には、大企業を対象としたものもありました。
 カスタムソフトウェアを誂えの洋服だとするならば、パッケージはイージーオーダーだといえます。次のような利点があります。それで、当時はMakeからBuyへというキャッチフレーズで、パッケージの活用が進みました。

ERPパッケージ

1990年代になると、ERPパッケージが注目されるようになりました。ERPパッケージとは、統合業務パッケージともいわれ、企業の業務全体をカバーするパッケージのことです。
 ERP(Enterprise Resource Planning)とは経営資源最適化であり、BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)と同じような意味です。ERPパッケージの目的は、ビジネスプロセスを見直して、経営資源全体をリアルタイムに把握し、その有効利用を図ることにあります。

ERPパッケージの利点

ERPパッケージには、個別業務パッケージの利点に加えて、次のような利点があります。

ERPパッケージは、次の理由により、大企業を中心に急速に広まりました。

しかし、当時のERPパッケージは、パッケージ価格だけでも数億円かかり、実際にシステムを構築するには数十億円の費用がかかりましたので、導入は大企業にとどまりました。
 2000年代の中頃になると、大企業での導入が一段落したことから、中堅・中小企業を対象とした小規模なERPパッケージが普及してきました。

ERPパッケージ導入での留意点

BPRの実現を目的とする
ERPパッケージ導入には多大の費用がかかりますので、単にシステム改訂のコストダウン対策としたのでは、その効果は十分ではありません。ERPパッケージの効果をあげるには、業務の仕方や組織構成などを抜本的に変革すること、すなわちBPRを行うことがが必要です。
カスタマイズ(アドオン)の抑制
自社環境に合わせることを(広義の)カスタマイズといいます。それには、部門構成を定義するとか、定額償却/定率償却を選択するなど、メーカーが想定しておりパラメタで指定できる(狭義の)カスタマイズと、メーカーが想定していない自社独特の処理で、プログラムを作成する必要のあるアドオンがあります。
アドオンを多く行うと、ERPパッケージの利点が生かされません。カスタマイズ(アドオン)を極力抑えることが、ERPパッケージ導入を成功させる秘訣だといわれています。すなわち、ERPパッケージに合わせて、業務の仕方を変えることになります。
適切なERPパッケージの選択
カスタマイズを少なくするということは、システムに業務を合わせることになります。また、ERPパッケージには、製造業に適したものや小売業あるいは医療業界など特定の業種に特化したものなど多様です。それで、自社ニーズとERPパッケージの機能を比較検討(フィット・ギャップ分析という)して、適切なERPパッケージを選択することが重要です。
適切なパートナーを選定する
ERPパッケージそのものは単なるプログラムの集合体です。それを自社のニーズとマッチさせ、BPR実現に結びつけるには、適切な経営コンサルタントや優秀なベンダの協力が必要です。しかも、いったんERPパッケージを導入したら、簡単にカスタム開発に戻すことができません。ビジネスパートナーとして適切なコンサルタント、ベンダを選定することが重要です。
経営者の積極的なリーダーシップが重要
多大な費用がかかること、業務改革への利用部門の協力を得ることなどから、通常のシステム開発と比較して、さらに経営者の積極的なリーダーシップが重要になります。

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