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情報機器


情報機器・OA機器

広義では、情報に触れることができる機器はすべて情報機器であり、狭義では、通信の機能を持っている機器を指します。企業用の機器ではOA(Office Automation)機器ということもあります。従来はパソコンや電話などに限られていましたが、炊飯器や冷蔵庫なども内部で制御のために情報処理をしていますし、近年は、在庫情報をスマートフォンに送る冷蔵庫や、スマートフォンから施錠を確認できるドアなども出現し、どこまでが情報機器なのかを決めることが困難になっています。

ここでは、家庭用機器を対象に、情報機器を固定情報機器と携帯情報機器に大分します。


固定情報機器

情報家電(通信機能あり)
パソコン
パソコンの種類は後述します。
固定電話
参照:公衆交換電話網、IP電話
ファクシミリ
プリンタと電話が接続したような仕組みです。文字や図形や写真など静止画像を細かい画素に分解し、電気信号に変えて、電話機を介して公衆電話回線を用いてファクシミリ伝送方式で伝送します。あるいはVoIPゲートウェイによりインタ^ネット回線で送信する方式もあります。
テレビ
参照:テレビ放送(2k放送)(4k8k放送)
ラジオ
参照:ラジオ放送
スマートスピーカ(AIスピーカ)
内蔵されているマイクで音声を認識し、質問への応答や情報家電の操作を行ないます。
参照:スマートスピーカ
回線接続機器
DCE(データ回線終端装置)、ONU(光回線終端装置)、セットトップボックスなど宅内のパソコンやテレビと外線を接続するための機器類です。
参照:インターネットのアクセス回線
通信機能が主ではない情報家電
単独の機器もありますが、パソコンの周辺機器として使われることもあります。
複写機(コピー機、プリンタ)
参照:プリンタ
音響機器(オーディオ)
音を録音再生したり変換したりするための機器。蓄音機、CDプレイヤー、コンポーネントオーディオなど。参照:光ディスク
映像機器(ビデオ)
映像を表示したり、記録したりすることを目的にした機器。参照:ディスプレイ
白物家電(主目的は情報処理ではないもの)
空調、冷蔵庫、洗濯機などです。ITからの観点では、内部制御のための組込みシステム、スマートフォンなどとの接続などがあります。
「スマート家電」とはインターネットを通じて遠隔操作が可能な家電製品のことをいいます。 スマートフォンやスマートスピーカ等と連携することでリモコンがなくても家電製品を操作することができます。

パソコンの種類

ここでは、形状・サイズによる区分をします。通信機器(クライアント)としての区分は、「クライアントとしてのパソコン」を参照してください。

デスクトップパソコン

デスクトップとは「卓上型」の意味ですが、通常は据置型(固定型)のパソコンを指します。

ノートパソコン

ラップトップパソコン(膝上の意味)、モバイルパソコンともいいます。本体、ディスプレイ、キーボードが一体となっており、基本的にバッテリを搭載しています。

ワークステーション

単純には高性能パソコンとされることもありますが、特定の用途に特化した性能を持つパソコンです。高性能パソコンはサーバとして利用されることもありますが、ワークステーションは個人が独占して利用することを基本としています。
 科学技術計算用では高速な計算能力が要求されるため、特殊なCPUを搭載しています。
 3Dグラフィックスなどの画像処理用には、高速なGPUを搭載しています。


携帯情報機器

携帯情報機器とは、持ち運びができる情報機器の総称です。特に通信機能を持ち端末として利用するのが主であることから携帯情報端末、モバイル端末といいます。スマートデバイスともいいます。

種類

以下「持たない」とは、「その機能を使うことが主目的ではない」という意味です。例えば電子辞書では、ハードウェア内に記録していない単語はインターネットを通してサーバから取りこむこともあります。

通信機能を持たない
これらを統合した機能をPIM(Personal Information Manager)といいます。通常は、ハードウェアに特有のシステムで作られています。現在は、これら単能機能はスマートフォンのアプリになっています。
電卓(ポケットコンピュータ)
加減乗除と√計算しかできないももと、sinやlogなどの高度関数、基数変換なども使えるもの、単純な数式プログラムができるものもあります。
電子辞書
国語辞書、英和辞書などが基本ですが、比較的短い文章を日本語で音声入力すると英語に翻訳して音声出力する翻訳機もあります。
電子手帳
スケジュール、メモ帳、アドレス帳など紙の手帳を電子化したものです。電卓や電子辞書機能も含むのが一般的です。
デジタルカメラ
プロ仕様以外のカメラはほとんどがデジタルカメラです。小型の普及型のポケットカメラと高級機に二極化しましたが、スマートフォンのカメラ機能の高度化に伴い、普及機は少なくなりつつあります。
デジタルカメラも通信機能を持ち写真を伝送したり位置情報を受けたりする機能を持つようになってきました。
通信機能を持つが電話機能を持たない
PDA(Personal Digital Assistant)
電子手帳をベースに、メール機能やWeb閲覧機能も加えたものです。1990年代に普及しました。その後、電話機能を持つようになりスマートフォンと呼ばれるようになりました。
ノート型パソコン
軽量化するために、コネクタ類を極度に減らしたミニノート、ディスプレイを分離してタブレットとして使える2-in-1などもあります。
タブレットPC
タッチパネルのデイスプレイにパソコンと同様の機能を持たせたコンピュータです。OSでiOS、Android、Windowsに区分できます。
参照:タブレット
ウェアラブル端末
腕時計型やメガネ型など、普段身に着けている機器に通信機能やセンサ機能を付けたものです。
参照:ウェアラブル端末
電話機能を持つ
携帯電話(フィーチャーフォン)
スマートフォン
二つの違いは後述します。
参照:スマートフォン無線通信

補足

フィーチャーフォンとスマートフォンの違い

これらが出現する1990年代前半では旧式の携帯電話がアナログからデジタルに移行した頃でした。機能は電話がほとんどで、簡単な機能がいくつかあるだけでした。
 1990年代中頃、日本では、携帯電話の機能拡大競争が進み、世界に先立ちカメラ機能や着メロディ機能などが搭載されました。PDAの機能の多くが携帯電話でも可能になりました。それをフィーチャーフォンといいます。
 その頃、米国ではPDAが広く用いられていましたが、PDAに電話機能が追加されるようになり、2000年頃にスマートフォンへと発展しました。
すなわち、フィーチャーフォンは電話にパソコン機能を付加したのに対して、スマートフォンは小型パソコンのPDAに電話機能が付加したのだといえます。すなわち、発展の違いがあるのです。

電話からの発展では、それぞれのメーカーが独自の組込みシステムにより設計されており社内秘密事項なので、追加されるアプリはメーカー作成のものに限定されていました。パソコンでは、OSの仕様が公開されており、それに準拠したハードウェアやアプリならば互換性があるので、第三者が容易に参加できます。そのため、スマートフォンのほうがフィーチャーフォンよりも新技術をとりこむことだできたのです。

また、2000年代中頃になると、発展途上国での携帯電話が急速に普及してきました。そこでは日本の高度な機能よりも価格が重視されます。逆に低機能のスマートフォンは、かなり安価にできます。そのため、世界の市場はスマートフォンが主流になりました。
 日本の携帯電話業界の国際競争力は低下しました。日本では高機能フィーチャーフォンの成功のため、スマートフォンの対応が遅れてしまいました。狭い島国内で企業内で進化を遂げたが世界では通用しないとのことからガラケー(ガラパゴス・ケータイ)と揶揄されることになりました。

パソコンと電話の通信の違い

パソコンの通信はインターネット、電話は交換局を介した無線電話網を用います、そのため、原則としてパソコンやタブレットで電話はできません。これらで電話をするには次の手段があります。
 スマートフォンを介して通話する:パソコンにスマートフォンを接続してパソコンからの音声データをスマートフォンが受け、スマートフォンの回線を用いて交信します(スマートフォンがあるのにパソコンを使う理由が不明ですが)。
 インターネット電話を用いる:デジタル化音声データをインターネットのデータにして通話する方法です。通話料は安価になりますが、送受信の双方のパソコンで同じシステムを採用している必要があります。

軽量化と省電力化

携帯情報機器に必須な技術は、軽量化と省電力化の技術です。

軽量化

省電力化