Web教材一覧ハードウェアとソフトウェア

プリンタ

キーワード

プリンタ、インクジェットプリンタ、レーザプリンタ、インパクトプリンタ、ノンインパクトプリンタ、ドットインパクトプリンタ、熱転写プリンタ、感熱紙プリンタ、シリアルプリンタ、ラインプリンタ、ページプリンタ、解像度、dpi、表示色、減法混色、CMYK方式、インク、ppm, ipm


印刷方式による区分

インクジェットプリンタ
細かいノズルを持つ印字ヘッドからインクを吹き出すことにより用紙に印刷します。カラー印刷する場合は、黒色+シアン、マゼンタ、イエローの3原色(以下4色といいます)のインクの濃度を調節して印刷します。色の再現性能が高く、比較的安価なことから,個人用プリンタで最も普及している方式です。
レーザプリンタ
インクジェット方式が1字づつ(あるいは1行づつ)印刷するのに対して,レーザ方式は、感光ドラムに1ページ全体の印刷イメージを作成しておき、それを用紙に印刷します。
 印刷イメージをレーザーによりドラムに電荷を与える→電荷のある部分にトナーを付着させる→印刷用紙を押し付ける→ドラムと逆の電荷を与えてイメージを印刷用紙に転写する という手順で印刷します。
 カラー印刷では、4色を別々にこの手順を繰り返す4パス方式と、一度に4色のトナーを付着させる1パス方式がありますが、1パスのほうが高速であり、主流になってきました。
 インクジェット方式に比べてレーザ方式は、色の再現性が低く高価である欠点がありますが、印刷が高速で紙質が低い再生紙でも十分ですので、印刷量が多い企業では広く用いられています。

以下の方式は、現在では特殊用途以外で用いられるのは稀です。

インパクトプリンタ
活字を塗料の付いたリボン越しにたたくことにより印刷する方式です。プリンタに用意されている活字(英数カナ程度)しか使えません。印刷用紙の間にカーボン紙を挟むことにより、一度に複数の伝票等を複写印刷するときに用います。
 リボンの上部を黒、下部を赤の塗料にしておき、リボンを上下させてカラー印刷するのですが、黒赤の2色が限界ですし、複写したものは黒だけになります。
 コンピュータの初期には広く使われていましたが、現在はほとんど使われていません。
 なお、インパクト方式ではないプリンタの総称をノンインパクトプリンタといいます。インクジェットプリンタもレーザプリンタもノンインパクトプリンタです。
ドットインパクトプリンタ
インパクトプリンタの活字をピンの組み合わせにして、任意の文字や画像を印刷できるようにしたものです。文字形状をROMに記憶しておき(これにより漢字など字種を飛躍的に増加できます)、それに合わせてプリントヘッドに電流を流して、ピンを飛び出させてます。
熱転写プリンタ
インクを薄く塗布したリボンを印刷用紙に密着させ、印刷したい部分だけを印字ピンで熱してインクを紙に転写して印刷します。インクを塗布したテープに熱した印字ヘッドを押し当て、インクを溶かして紙に転写すします。熱を加えることで固形のインクを溶融させて紙に付着させる方式のものを「熱溶融型プリンタ」、インクを昇華させる方式のものを「昇華型プリンタ」といいます。
 カラー印刷するときは、4色のリボンを備えておき各色毎に印刷を行うので時間がかかります。昇華型は細かな濃度調整が可能で美しい印刷が可能なため、写真印刷専用プリンタで用いられることがあります。
感熱紙プリンタ
熱で発色する材料を塗布した印刷用紙を感熱紙といいます。過熱したピンを押しつけることにより印刷します。リボンは使いません。カラー印刷はできません。構造が単純で安価なため、初期の個人用プリンタとして普及しましたが、現在ではほとんど使われていません。レジの領収書で見かけたことがあります。

印刷単位による区分

シリアルプリンタ
印刷ヘッドを横方向に動かしながら、文字またはドットを単位として扱うプリンタの総称です。
インクジェットプリンタ、ドットプリンタ、熱転写プリンタなどがあります。
ラインプリンタ
文字を一行ずつ印刷していく方式です。業務で帳票印刷用に使うドットインパクトプリンタではこの方式が多い。
ページプリンタ
1枚のページをまとめて印刷するプリンタです。レーザプリンタがこれに属します。コピー機(複写機)などと同じ乾式電子写真方式で印刷します。
 企業などで大量の印刷を行うためのプリンタで、毎分数十枚の速度のものから毎分数百枚の速度を持つものもあります。大企業での大量の請求書作成などに使われています。
 カット紙を用いるものだけでなく、高速にするために、数百枚をつなげた、あるいはロール状にした連続用紙を用い、その切断や仕分など関連機器を連動したシステムにしたものもあります。

プリンタの仕様

解像度
プリンタの解像度の尺度はディスプレイとは異なり,用紙の1インチ(2.54cm)あたりのドット数はdpi(dot per inch)で表します。この数が大きいほどギザギザが少ないなめらかな文字や図形になります。一般には150~300dpi程度で十分です。
スキャナも同じですが,写真など繊細な画像を取り込むには600~1200dpiが用いられます。しかし,あまり大きくするとデータ量が増大するし,200dpiのプリンタで印刷すると非常に大きな画像になってしまいます。
表示色
インクの3原色 通常のインクジェット方式では,シアン(Cyan)、マゼンタ(Magenta)、イエロー(Yellow)を3原色にしており,それらのインクを混ぜて多様な色を出しています。黄とマゼンタを混ぜて赤,マゼンタとシアンで青,シアンと黄で緑になります。インクでは減法混色になりますので,この3原色を均等に混ぜれば黒になりますが,黒の発色をよくするためと黒は多く用いられるために,黒も基本色(Key Plate)としています。この方式をCMYK方式といいます。
dpiと印刷品質
ドットプリンタでのモノクロ印刷ならば、原則としてdpiの値がそのままキメの細かさに一致します。実際には用紙でのインクのにじみが発生するので、高dpiの場合は高品位用の紙を使う必要があります。また、低品質用の紙に高dpiで印刷するのは無意味ですし、インクのムダになります。近年のプリンタでは紙の品位をしていすることにより、dpiを変えたりインクの吹出量を変えられる機種もあります。
カラー印刷の場合、同じドット(点)に異なる色インクを重ねるのではなく、隣接したドットにインクを出します。すなわち、4×4ドットで一つの画素(ピクセル)のが通常です。そのため、写真のようなきめ細かいカラー印刷をする場合は、高品位用の紙に高dpiで印刷する必要があります。
インクの種類
インクジェットプリンタのインクは、インクを紙の繊維を染める方式の染料インクとインクを紙の表面に塗る方式の顔料インクに区分されます。個人用プリンタでは染料インクのほうが広く用いられています。
両者の長所を列挙します。
染料インクの長所(写真などのカラー印刷に適する)
 ・光沢紙に適している。印刷個所に凸凹がなく、こすってもはがれにくい。
 ・色素数は多く、鮮やかでクリアな発色ができる
 ・プリンタヘッドのノズル詰まりが少ない
顔料インクの長所(文字印刷が主なときに適する)
 ・にじみが少ない。光沢がある
 ・早乾性。
 ・耐水性、耐紫外線性がある。色あせしない
個人用プリンタでは染料インクが主流ですが、文字等をクッキリさせるために黒インクだけを顔料インクにすることもあります。
印刷速度(ppm, ipm)
ppm(page per minute)、ipm(image per minute)。どちらもプリンタが1分間に印刷できるページ数です。ppmはメーカーが独自に設定した測定方法であり、ipmはISO規格で定めた測定方法での値です。通常の値は10程度ですが、ppmのほうがやや高い値になります。
この数値はプリンタエンジンの速度で、パソコンからプリンタへのデータ転送時間やプリンタ内部でのデータ展開処理などの時間は含みません。そのため、モノクロ/カラー、低品質/高品質の区別はありません。