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スマートフォン、タブレット、2in1パソコン


機器の説明

スマートフォンとは

スマートフォン(smartphone)とは、パソコンに近い性質を持った携帯電話(総務省の説明)ですが、電話というより、多様な機能をもつモバイル端末の一つになってきています。明確な定義は無いといってもよいでしょう。
 以前から携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant:携帯端末)がありました。2007年のApple社によるiPhone、2010年のGoogle社によるAndroidの発表により、急速に普及し、スマートフォンの名称が定着しました。→ 参照:携帯通信端末の歴史(目次)スマートフォンの歴史

従来の携帯電話のハードウェアやOSは、各社に特化したものでした。アプリも各社により異なり互換性が乏しい状況でした。日本では、各社が独自の多様な機能を競争するようになり、高度な製品(フューチャーフォン)なったのですが、かえって世界での競争に不利(ガラパゴス的)になり、スマートフォンの普及に負けてしまいました(蔑視してガラケーといわれます)。
 スマートフォンのOSは、iOS(iPhone用)とAndroidが主流ですが、Androidは当初からOSS(オープンソースソフトウェア)として公開してきましたし、現在ではiOSもカーネルをオープンソース化しました。ハードウェアでは、Android機は多くのメーカーが生産しています。iPhoneはApple社が独占していり、ライセンスを受けたメーカーが生産しています。

スマートフォンは、ブラウザやメールなどの機能は、従来からパソコンを対象にしてきたインターネットのプロトコルを採用するなど、パソコンと共通したOSになっています。iOSはAppleのパソコンOSのmacOSと共通していることが多く、Windows10では、パソコンとスマートフォンが統一のOSシリーズになっています。

しかし、販売形態はパソコンとスマートフォンではかなり異なります。パソコンはメーカー直売や量販店を介した販売が主流です。スマートフォンは電話やメールなど通信機能が重要ですし、携帯電話からの歴史もあり、ソフトバンク、NTTドコモ、auなど通信プロバイダ(キャリア)を介しての販売が主流です。キャリアはハードウェアやOSを生産していません。

タブレットと2in1パソコン

ノートパソコンは軽量化、薄型化が進み、ディスプレイの裏側にパソコン本体を内蔵するようになりました。そして、ディスプレイをスマートフォン画面のようなタッチパネルにして、キーボードやマウスを不要にしたものがタブレットです。
 ノートパソコンの軽量化、薄型化において、操作のしやすさから、キーボードの小型化には限界があります。それで、それで、タブレットとキーボードを分離することが考えられます。それが2in1パソコンです。
 すなわち、「タブレット+キーボード=2in1パソコン」のような関係があります。
参照:タブレットの歴史ノートパソコンの歴史

タブレットとキーボードの接続は、タブレットとキーボードの接続コネクタ有無により異なりますが、USB(有線)で接続する以外に、Bluetooth(無線)でも接続でも、ほとんど支障なく接続できます(無効になるキーもあります)。
 そのため、2in1パソコンから取り外したタブレットを行先に持参し、そこにあるキーボードに接続して使うようなこともできます。

2in1パソコン、タブレット、スマートフォンの違い

2in1パソコンとタブレット、スマートフォンでは、次の違いがあります。

タブレットとスマートフォンでは、次の違いがあります。

以下「スマートフォン」とはタブレットも含むものとします。


スマートフォン・タブレットの画面操作

これに関しては、みなさんは「体が知っている」でしょう。むしろ用語を理解することを目的にします。

基本操作

文字入力

文字変換

スマートフォンの通信方式(LTEとWi-Fi)

携帯電話ではLTEという方式を用いています。パソコンの無線通信では無線LANが用いられており、Wi-Fiが無線LANの主流になっています。そして、スマートフォンは、LTEとWi-Fiの両方を切り替えて使えるのです。
 LTEとWi-Fiを含むモバイル通信の詳細に関しては、「モバイル通信」を参照してください。ここでは、利用者の観点で簡単に記述します。

LTE

LTE(Long Term Evolution)<は、携帯電話やスマートフォンと、キャリアが設置している無線基地局の間を無線通信する方式の一つです。電波強度が非常に強く、無線基地局から半径数百メートル~数キロメートルまで電波が届きます。そもそも電話利用を目的としてきたことから、電話に向いた方式です。
 LTEを利用するには、各キャリアが利用量などで区分したサービス体系があり、月決めの有料で契約します。

Wi-Fi

Wi-Fi(Wireless Fidelity)の典型的な例は、家庭内や職場で設置している無線LANです。Wi-Fiルータがあり、パソコンとWi-Fiルータの間を無線接続し、Wi-Fiルータは有線あるいは他のWi-Fiルータを介してインターネットに接続されています。スマートフォンを家庭内や職場で使うときは、パソコンと同じになります。
 既にキャリアとインターネット利用契約をしていれば、追加料金なしに台数や利用量の制限なしに使えます。また、LTEよりも高速ですので、動画やゲームをスムーズに操作できます。

モバイルWi-Fi

外出時にWi-Fiを利用することを、モバイルWi-Fiといいます。
 近くに他社が設置したWi-Fiルータがあれば、屋内と同様に使えます。しかし、Wi-Fiルータの電波強度は弱く、到達距離は数十メートルです。そのため、利用場所は限定されます。その利用可能場所をWi-Fiスポットといいます。

最も基本的なWi-Fi利用は、キャリアが設置しているWi-Fiルータの近くで、そのキャリアと有料契約をしているスマートフォンを使うことです。しかし、その他に多様なWi-Fiスポットがあります。
 Wi-Fiスポットには、キャリア限定かどのキャリアでも使えるか、有料か無料か、の違いがあります。そもそもWi-Fiとは、IEEE 802.11規格に合致していることを認定された機器であり、認定機器間ではハードウェアやOSに関係なく接続できるので、論理的にはキャリアを限定しません。しかし、キャリアの営業上の理由により、契約したキャリアだけに限定していることがあります。
 Wi-Fi利用は、本来はすべて有料なのですが、Wi-Fiルータの設置者が、顧客サービスあるいは公共目的のため、キャリアへの支払をしている(大規模な組織では独自にキャリアになっていることもあります)ので、利用者は無料で使えるのです。
 有料系Wi-Fiスポットは、事前に発行されたパスワードを入力するだけで接続できます。また、通信が暗号化されています。それに対して無料の店舗系Wi-Fiスポットでは、案内画面での操作(簡単ですが)が必要です。暗号化されていないものが多く、盗聴などのセキュリティへの考慮が必要です。

モバイルWi-Fiルータ

Wi-Fiルータを携帯用に小型化したものを、モバイルWi-FiルータあるいはポケットWi-Fiといいます。モバイルWi-Fiルータは、無線でキャリアが設置した無線基地局と通信する機能をもっています。無線基地局からは携帯電話網により他の電話機(スマートフォンや固定電話)やインターネットに接続できます。
 それで、これをスマートフォンとともに携帯していれば、携帯電話がつながるところではどこでも(Wi-Fiスポット以外でも)、電話、メール、インターネットが使えます。
 この方式は必ず無線基地局を通過します。そのため、Wi-Fiルーターを利用するには、キャリアとの契約が必要です。その料金はLTEと同様に利用量により異なり、利用上限が定められます。