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モバイル通信

学習のポイント

携帯電話やスマートフォンなどモバイル環境における無線通信の仕組みについて学習します。なお、本章以前に「無線LANとセキュリティ」を学習しておいてください。

キーワード

W-CDMA, CDMA2000、公衆無線LAN、モバイルWi-Fi、ホットスポット、WiMAX、LTE、無線基地局、交換局、ゲートウエイ交換局、ホームメモリ局、位置登録、ハンドオフ、ハンドオーバー、ローミング


モバイル通信事業者

モバイル通信を利用するには、モバイル通信事業者と契約する必要があります。その事業者のうち無線局を自ら開設又は運用している者をMNO(Mobile Network Operator)といい、MNOからネットワーク設備を借り受けて、自分のブランドでサービスを提供する者をMVNO(Mobile Virtual Network Operator)といいます。

モバイル通信の規格

携帯電話通信規格の発展:4G(第4世代)への移行

参照:携帯通信端末の歴史

携帯電話の仕組み

ここでは従来の携帯電話から一般的に使われている交換回線方式での電話を対象にします。近年はスマートフォンが主流になっていますが、スマートフォンでLTEのよる通信を行うときも、これと同じ仕組みになります。

携帯電話網の構成

携帯電話での通話

モバイル通信の規格

WiMAX(World Interoperability for Microwave Access)

WiMAXは、異なる機器間での相互接続性確保を目的とした業界団体の名称ですが、そこで策定された無線通信規格(IEEE 802.16に準拠)もWiMAXといい、その認証を得た通信機器をWiMAX準拠といいます。WiMAX準拠の機器間では通信できることが保証されます。
 WiMAXは、高速ブロードバンドの末端部分の規格として主にデータ通信に利用されます。当初は家庭やオフィスでの固定中距離通信を対象にしていました。ADSLやFTTHのような工事は不要で、WiMAXだけでインターネットを利用できることが注目されました。
 その後、広帯域の無線データ通信サービスとして、モバイル環境での利用も普及しました。それをモバイルWiMAXといいます。さらに、WiMAX 2、WiMAX 2+へと発展していました。下り最高110Mbps、上り最高10Mbpsになり、WiMAX 2.1では一部の仕様がTD-LTE規格と互換性をもつようになりました。
 近年は、モバイル環境ではLTEやWi-Fiが主流になってきました。

LTE(Long Term Evolution)

従来の携帯電話を対象とした高度通信方式です。3G(第3世代携帯電話)の通信方式として策定されましたが、現在では、4Gやスマートフォンを対象とする高速通信方式になっています。LTEによる通信の仕組みは「携帯電話での通話」と同じです。

Wi-Fi(Wireless Fidelity)

家庭内や職場内で、無線LANが普及してきましたが、Wi-Fiはその代表的な規格です。
 WiMAXやLTEが長距離の基地局と通信する通信規格ですが、Wi-Fiは数m~数十mの距離にある無線LANのルータとの接続規格です。
 無線通信の国際標準規格にIEEE 802.11規格があります。Wi-Fiとは、無線を利用する機器がIEEE 802.11規格に準拠しており相互接続ができることを、業界団体Wi-Fi Allianceが認めたことを示す名称です。Wi-Fi認証機器間では標準化された通信方式ができます。その通信方式をWi-Fiということもあります。

Wi-Fiによる標準化が進んできたため、街中にWi-Fi対応の無線LANルータを設置することにより、その付近からモバイル機器をインターネットに接続できます。すなわち、家庭やオフィスでの無線LANを公衆化したものです。その接続ができる場所のことを、ホットスポットといいます。
 ・インターネットプロバイダなどの商業目的で街中に設置したもの
  自治体などが住民や観光客の便宜のために設置することも多い
 ・公共施設、駅や空港、ホテル、飲食店、コンビニなどが、利用者向けに公開したもの
  近年は、電車や航空機など高速移動体内でも利用できるようになってきた
 このような環境でWi-Fiを利用することをモバイルWi-Fiといいます。

(注)テザリング(tethering)

ホットスポット以外のモバイル環境で、モバイル端末機能のないパソコンなどからインターネットを利用したいときに役立つ機能です。
パソコンとスマートフォンなどのモバイル端末をUSBケーブルや無線LANで接続し、スマートフォンをモバイルルータのように利用してインターネットに接続します。

スマートフォンの通信

無線通信では、携帯電話ではLTE、パソコンではWi-Fiに限定されていますが、スマートフォンでは両方が使えます。ここでは、スマートフォンでのWi-Fiによる電話利用を対象にします。

近年は、固定電話も含めIP電話が普及しています。IP電話とは、VoIP(Voice over Internet Protocol)による方式で、音声をデータ圧縮・符号化してIPパケットに分割し、ブロードバンド回線によりインターネットを介して通話する方式です。
 スマートフォンでのWi-Fiによる電話もVoIPと同じ方式です。インターネットを用いるので、インターネットの固定料金契約をしていれば通話料金もかからないし、通話時間の制限もないので、LTE利用よりも有利です。
 それに注目して、スマートフォン通話サービスが普及してきました。

SIM(Subscriber Identity Module)カード

スマートフォン、携帯電話、タブレットなどのモバイル端末で、3G/LTEによりデータ通信や電話などを行うために必要なICカードのことです。SIMカードには契約情報が記録されています。いうなれば、SIMカードとはスマートフォンなどを利用するときの身分証明書だといえます。

従来は、キャリアが独自のSIMカードを設定していたため、他のキャリアのスマートフォンに乗り換えると、新規のSIMカードが必要になり、電話番号も変更することになっていました。
 このような抱え込みは消費者の不利益になることが指摘され、SIMカードの仕様を統一して、どのキャリアに乗り換えても、端末機を変えても、前のSIMカードが使えるようになりました。それをSIMフリーといい、それができる端末をSIMフリー端末といいます。