スタートページ主張・講演経営者・利用部門のためのIT入門第1章 ITへの期待の変化

全体の流れ


日本の大企業を対象に、経営におけるITの位置づけが、時代によりどのように変化してきたかを、ITのコンセプト、利用形態、ネットワークの観点から整理すると、下図のようになります。経営からの要請とネットワークの発展により、利用形態が多様になってきたことがわかります。本章は、この図の説明をすることが主な内容ですので、必要に応じて参照してください。

経営とITの関係の変化

ITの歴史は、コンピュータ利用の大衆化の歴史だといえます。利用層が増大するのに伴い、経営におけるITの位置づけが変化し、位置づけが変化するのに伴い、大衆利用が求められます。その原動力は、コンピュータ自体の進化によるのは当然ですが、それにもまして、ネットワークの発展が大きく影響しています。
 およそ次の4世代に区分されます。

流行語のような専門用語をバズワード(buzzword)というのだそうです。バズワードには栄枯盛衰があり(参照:「ハイプ曲線(hype-cycle)」)、それらの多くは現在では死語になっています。だからといって、その概念の意義を失ったのではありません。例えば、現在でも基幹業務系システムは重要な利用形態ですし、SISやBPRはIT経営での基本です。「いままでは~、これからは~」なのではなく、いままでの概念に加えて新しい概念が重要になったのだと理解すべきなのです。