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クラウドコンピューティングの歴史


ここでは、ASP(Application Service Provider)、SaaS(Software as a Service)、クラウドコンピューティング(Cloud Conputing)の歴史を扱うが、その経営への影響については割愛する(参照:「SaaS/クラウドコンピューティング」)。また、個人を対象とした分野も割愛する(参照:「個人向けクラウドサービス」)。

用語の推移

これらの概念は単純にいえば、「プロバイダが所有する情報資源をインターネットを介して利用すること」であり、ハードウェアやソフトウェアを自社で「所有」する形態から、インターネットの向こう側にあるものを必要に応じて「利用」することである。
 ASPの時代では、その狙いはよかったのだが、インターネット環境やソフトウェアのオンライン作成・改訂技術が未熟だったため、効果的な利用が困難だった。それらの制約がかなり解決した時代に出現したのがSaaSである。そして、さらに環境が整備されて、データすらインターネットの向こう側に置かれ、自社にはWebクライアントだけがあればよい、すなわち、「所有から利用へ」が現実的になった状況がクラウドコンピュータなのだと捉えればよかろう。

研究者や企業が新しい概念や製品を発表するとき、単に従来の発展形態だというより、新用語を創造するほうがインパクトがある。また、古臭い用語を使っていると、その業務自体が時代遅れと思われるので、同じ業務をしていても、新用語に乗り換えるのは当然である。そのため、あるときは流行語になった用語が、新用語の出現により死語になるのは、どの分野でもよくあることだ。そのような短期間で消滅する用語をバズワード(buzzword)というのだそうだ(参照:「ハイプ曲線(hype-cycle)」)。
 ASP→SaaS→クラウドコンピューティングと「用語」の変遷があるが、本質的にはそれらを区別する決定的な要素はなく、発展に応じて用語も変化してきたと理解するのが適切である(反論も多いと思うが)。


ASP以前

ASP・SaaS・クラウドの「用語」の歴史

現在でもASP的なサービスが行われているが、そのようなサービスでも現在ではクラウドコンピューティングと称している。ここでは、それらの用語がいつごろから使われ広まったのかを振り返る。

「ASP」の歴史

このような事情により、2000年代中頃には初期のASPは冷めてしまった。その頃、SaaSが話題になり、ASPは死語になった。

「SaaS」の歴史

「クラウドコンピューティング」の歴史

公的機関での用語の推移

用語の知名度があがってから採用するためか、上記の時期とはやや遅れている。「SaaS」は2007年頃に「ASP・SaaS」と併記されるようになり、そのうち「ASP」が外れるようになった。2009年頃から「クラウド」が採用されている。


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