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経営者・利用部門のためのIT入門
第6章 IT推進組織とその運営
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前章までは、情報システムというモノとカネについて考察してきました。しかし、それを企画し構築し利用するのはヒトです。本章ではヒトとその集団である組織を対象にします。
6.1は、本章の全体についての概論です。6.2以降はその各論ですが、人や組織に関しては前章までに述べてきた事項は割愛し、いくつかの事項をトピックス的に取り扱います。また、問題点を強調するため、悪い状況をことさらにあげています。
6.1 IT推進組織の任務変化と問題点
6.2 CIOに関する留意事項
6.3 IT部門を戦略部門にするときの留意事項
6.4 IT部門を人材育成部門に
6.5 EUC運営での留意事項
ITの推進は、全社的活動です。
IT部門など一部の部門が担当するものではなく、利用部門が積極的に参加する必要があります。また、IT部門は利用部門のニーズに応えるだけでなく、ITに関する専門的知識スキルや全社的最適化の観点から、適切な運用をする必要があります。
それ以上に、経営者がIT推進を経営戦略の重要な一部であると認識して、積極的なリーダーシップ、マネジメントを行うことが不可欠です。
6.1 IT推進組織の任務変化と問題点
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6.2 CIOに関する留意事項
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- CIOには、経営とITの双方について広く高度な知識スキルが求められる。
- ところが日本では、ITに関して素人のCIO、兼任しかも片手間のCIOが多い。
- これでは、ITの戦略的活用、戦略部門としてのIT部門の活用ができない。日本企業では米国企業と比較して、ITの戦略的利用が遅れているといわれるが、不適切なCIOがその最大の原因である。
- 不適切なCIOが存在する背景には、経営陣がITおよびIT部門を軽視していることがあげられる。
6.3 IT部門を戦略部門にするときの留意事項
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- 従来のIT部門は、戦略部門として不適切な体質をもっていた。そのため、IT部門を戦略部門にするには準備期間が必要である。
- IT部門がそのような体質になったのは、IT部門の責任もあるが、経営者や利用部門の影響もある。準備期間は、経営者や利用部門がIT部門に関する認識を改めるための期間でもある。
6.4 IT部門を人材育成部門に
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- 「IT部門の戦略部門化」は手段であり目的ではない。目的は「経営中枢にITがわかる人材を配置する」ことにある。
- IT部門は、そのような人材を育成するのに適した部門である。IT部門を人材育成部門と位置付けたらどうか。
- 優秀なIT部員を積極的に他部門へ転出させよう。それにあたって、転出者をヒーローにすることが大切だ。本人だけでなく、その部門にとっても、IT部門にとっても利益になる。
- 業務統括部門にITグループを設置するのが効果的である。これは、人材を経営中枢に提供するにも役立つ。
6.5 EUC運営での留意事項
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基幹業務系システムの構築で、利用部門が足を引っ張っていることについては、「第3章 システムの調達(1)」などで述べましたので、ここでは、情報検索系システムやパソコン利用などEUCの分野に限定します。
- 情報検索系システムやパソコンの利用などのEUCを普及することは重要だが、その運用を誤ると、過度依存、過度体裁愛好症、過度自作愛好症など、期待と反する結果を生じることがある。