スタートページ主張・講演経営者・利用部門のためのIT入門第1章 ITへの期待の変化

現在のIT活用状況


経済産業省「情報処理実態調査(2006年公表、2005年実績)」によると、実際に効果をあげている情報システムは下図の通りです。
 「社内の情報活用効率が改善」や「作業効率の向上や連携の向上」など事務処理の効率化の分野は,全体的に有効に活用されています。それに対して,「顧客提案の活用」「新市場・新顧客の開拓」「調達単価の引き下げ」「売上の増大」など,ビジネスへの直接的な貢献は不十分な状況です。

効果をあげている分野

また、経済産業省は上場企業をIT成熟度により,4つのステージに区分しています。

未だ多くの企業が未だステージ2以下にとどまっています。
 中小企業はIT利用が遅れたので、低いステージにあるのは仕方がないかもしれませんが、ステージ3・4になることが重要なことは、以前から指摘されているので、当初からそれをめざしたIT化を行うべきだといえます。
 ところが、大企業ですら、ステージ3・4をめざしてはいるのですが、その効果は未だ十分な状態です。

上場企業のステージ比率

しかも、米国企業と比較すると大きな差があります。一般に日本企業のIT投資の対売上比率は米国企業と比較して低いことが指摘されています。さらに、米国企業では、戦略的な利用と日常業務的な利用の比率が2:2の割合であるのに対し、日本企業では1:3だとも指摘されています。
 現在、日本企業の国際競争力が低迷していますが、IT活用の遅れ、その背景にある経営者のITへの関心の低さが大きな要因の一つであるといわれています。