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PERTの概要


PERTとは

PERT(Program Evaluation and Review Technique)とは,日程計画,作業計画,スケジューリングなどともいわれ,プロジェクトを最短で完了させるには,どの作業をいつから開始していつまでに完了させればよいか,重点となる作業は何かなどを求めるオペレーションズ・リサーチの方法です。

各作業の所要時間と作業順序を次のように表示します(これをアローダイヤグラムといいます)。各作業は矢印で表し,その上にある数字が所要時間です。○印はイベントといい,作業の開始点・完了点です。これらの情報を与えて,次のような計算をします。
 そこにあるボックスの上の数字はここから始まる作業が最も早く開始できる時刻,下の数字はここで終わる作業が遅くともこの時刻には完了していなければならない時刻です。イベント1が0,イベント6が27になっていますが,これはこのプロジェクトの最短完了時刻が27日であることを示しており,赤線はクリティカル・パスといいますが,27日に完了させるためには,これらの作業が余裕がなく遅らせてはならない作業であることを示しています。PERTとは,このような計算をする手法です。

PERTは,建設工事やプロジェクト計画でのスケジュール立案や進捗管理に広く利用されており,実際に役立っています。また,クリティカル・パスの概念は,業務を重点管理する上で重要な概念です。現実にはPERT専用の多様な機能を持っているコンピュータ・ソフトウェアを利用するのですが,ここでは手計算によりPERTの考え方を理解することを目的とします。

目次

●PERTの基本的概念

上図のアローダイヤグラムの作成からクリティカル・パスを求めるまでの手順を理解します。

アローダイヤグラムの作成(or-pt-arrow)
各作業の作業時間と作業の前後関係を与えて,アローダイヤグラムを作成する方法,すなわちモデル作成の方法を理解します。
PERTの解法(or-pt-pert)
作成したアローダイヤグラムから,最早結合点時刻と最遅結合点時刻を計算し,クリティカル・パスを求めるまでの手順,すなわち,上の図を完成させるまでの手順を理解します。
作業の開始・完了時刻と余裕時間(or-pt-yoyuu)
クリティカル・パスは余裕のない作業ですが,余裕のある作業について,作業の開始・完了時刻と余裕時間を求める計算や,余裕時間が他作業に影響を与えるかどうかの区別を理解します。

●PERTの周辺

実際のスケジューリングでは,さらに多様な要件がありますが,そのうちの代表的な事項を取り上げます。

資源の制約による調整(or-pt-shigen)
複数の作業で1台の機械を使用する場合には,平行作業ができませんので,アローダイヤグラムを修正する必要があります。また,プロジェクト全体での人数に制限がある場合は,ピーク時の山崩しをする必要があります。後者はPERT/MANPOWERといわれる手法ですが,その基本的な考え方を理解します。
CPM(or-pt-cpm)
現実には,プロジェクト完成時期をさらに早めることが要求されることがあります。各作業で追加費用をかけると所用期間が短縮できるとしたとき,費用増加を最小にするにはどの作業を短縮すればよいかという問題になります。それをCPM(クリティカル・パス・メソッド)といいますが,その基本的な考え方を理解します。

理解度チェック

過去問題: 「PERT」