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OA(オフィスオートメーション)

キーワード

パソコン、OA


1980年代に入ると、パソコンの16ビット化、日本語対応など、性能・機能が急速に発展し、ビジネスに利用されるようになりました。 (参照:「パソコンの歴史」
 それまでのコンピュータ利用形態はメインフレーム(汎用コンピュータ)による集中処理でした。TSSにより利用部門の人がコンピュータを使う環境もありましたが,あくまでも情報システム部門の管理するメインフレームを共同利用するものでした。それがパソコンの普及により,情報システム部門以外の人が,自分のコンピュータを持つようになったのです。

また、オフィス業務の生産性向上のためにパソコンなどの情報機器を活用するべきだという、OA(Office Automation)の概念が普及しました。 (参照:「OAとパソコンのビジネス利用」

(拡大図)

「1968年から1978年までの10年間において,オフィスコストが全コストに占める割合が20-30%から40-50%に増大した。この間に生産部門は90%の生産性向上を実現したが,オフィス部門ではわずか4%の向上しかしていない」という米国SRI社の調査が発表されました。
 従来の情報システムは,たしかに大量データの画一的処理には大きな効果をあげてきました。しかし,オフィス業務では,報告書の作成や配布,会議などに大きな時間を費やしています。そのような業務は,画一化されていし構造化もされていないので,システム化することが困難だとして放置されていました。それでオフィス要員が増大し,コストも増加していたのだといえます。
 ちょうどこの頃にパソコンが急速に発展してきたこともあって,OAブームともいうような急激な普及が進みました。

OAブームの当初は「パソコンの利用=BASIC言語の習得」という現象もありましたが、すぐに表計算ソフトが普及し、パソコン利用の主流になりました。その頃は使い勝手の優れたワープロ専用機があり、パソコンでのワープロ利用が主流になったのは1980年代中頃以降です。(参照:「オフィスソフトの歴史」「ワープロの歴史」
 むしろパソコンは、TSS端末として使うことでオフィスに広がりました。メインフレームから必要なデータをパソコンに取り込み、パソコンの表計算ソフトで編集する連携が行われるようになりました。
 パソコンは急速に普及しましたが、現在のように各人の机の上にパソコンがあるような状況ではありません。部や課に数台ある程度で、体積が大きく、しかもプリンタの騒音が出るので、オフィスの一角に間仕切りした「OAコーナー」に設置して共同で使っていました。

その後、パソコンの性能は急激に向上し、価格は急速に低下しました。それで1980年代末になると、これまでの汎用コンピュータに代わって、ネットワークで接続されたパソコンが中心になります。(参照:「ダウンサイジング」


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