スタートページ>
Web教材目次>
選択肢試験目次
ki212 高度試験午前I 令和3年度秋期
[ki212-01]
非線形方程式 f(x) = 0 の近似解法であり,次の手順によって解を求めるものはどれか。ここで y = f(x) には接線が存在するものとし,(3)で x0 と新たな x0 の差の絶対値がある値以下になった時点で繰返しを終了する。
[手順]
(1)解の近くの適当なx軸の値を定め x0 とする。
(2)曲線 y = f(x) の,点 (x0, f(x0)) における接線を求める。
(3)求めた接線と,x軸の交点を新たな x0 とし,手順(2)に戻る。
ア オイラー法 イ ガウスの消去法 ウ シンプソン法 エ ニュートン法
【解答】
[ki212-02][ki152-02]
図のように16ビットのデータを4×4の正方形状に並べ,行と列にパリティビットを付加することによって何ビットまでの誤りを訂正できるか。ここで,図の網掛け部分はパリティビットを表す。
ア 1 イ 2 ウ 3 エ 4
【解答】
正解:ア
水平垂直パリティチェック方式
・1ビットの誤り:誤り個所がわかるので正しく訂正できる
・2ビット以上の誤り:誤りの検出はできるが訂正はできない(誤り箇所が特定できない)
アが〇
[ki212-03]
バブルソートの説明として,適切なものはどれか。
- ア ある間隔おきに取り出した要素からなる部分列をそれぞれ整列し,さらに間隔を詰めて同様の操作を行い,間隔が1になるまでこれを繰り返す。
- イ 中間的な基準値を決めて,それよりも大きな値を集めた区分と,小さな値を集めた区分に要素を振り分ける。次に,それぞれの区分の中で同様な操作を繰り返す。
- ウ 隣り合う要素を比較して,大小の順が逆であれば,それらの要素を入れ替えるという操作を繰り返す。
- エ 未整列の部分を順序木にし,そこから最小値を取り出して整列済の部分に移す。この操作を繰り返して,未整列の部分を縮めていく。
【解答】
[ki212-04]
演算レジスタが16ビットのCPUで符号付き16ビット整数 x1, x2 を16ビット符号付き加算 (x1 + x2) するときに,全ての x1, x2 の組合せにおいて加算結果がオーバーフローしないものはどれか。ここで,|x| は x の絶対値を表し,負数は2の補数で表すものとする。
ア |x1| + |x2| ≦ 32,768 の場合
イ |x1| 及び |x2| がともに 32,768 未満の場合
ウ x1×x2 > 0 の場合
エ x1 と x2 の符号が異なる場合
【解答】
正解:エ
10進数 2進数
0: 0 0000000 00000000
32,767: 0 1111111 11111111 正数は 32,768-1 まで
-32,768: 1 0000000 00000000 負数は 32,768 まで
-1: 1 1111111 11111111
「オーバーフロー」するのは,この範囲外になる場合
アは×。x1=-32768 → |x| = 32768 なのでオーバーフロー
イは×。x1=-32767, x2=-1 → 32767 + 1 = 32768 なのでオーバーフロー
ウは×。イがその例
エは〇。ウは「x1 と x2 の符号が同じ場合」でウと排他条件。ウが×なので,正解があるとすればエが〇
( 32,767 + -1~-32,768 → 32,766~-1 。
-32,768 + 0~ 32,767 → -32,768~-1 。 オーバーフローしない)
参照:オーバーフロー
[ki212-05]
システムが使用する物理サーバの処理能力を,負荷状況に応じて調整する方法としてのスケールインの説明はどれか。
- ア システムを構成する物理サーバの台数を増やすことによって,システムとしての処理能力を向上する。
- イ システムを構成する物理サーバの台数を減らすことによって,システムとしてのリソースを最適化し,無駄なコストを削減する。
- ウ 高い処理能力のCPUへの交換やメモリの追加などによって,システムとしての処理能力を向上する。
- エ 低い処理能力のCPUへの交換やメモリの削減などによって,システムとしてのリソースを最適化し,無駄なコストを削減する。
【解答】
正解:イ
アは×。スケールアウト
イは〇。スケールイン
ウは×。スケールアップ
エは×。スケールダウン
参照:クラスタコンピュータ
[ki212-06][ki121-08]
ページング方式の仮想記憶において,ページ置換えの発生頻度が高くなり,システムの処理能力が急激に低下することがある。このような現象を何と呼ぶか。
ア スラッシング イ スワップアウト ウ フラグメンテーション エ ページフォールト
【解答】
正解:ア
必要なページがメモリに存在しない(ページフォールト)と,使われていないページを仮想記憶に移して(スワップアウト),そのページをメモリに入れる。そのページ置換えをページング(スワッピング)といい,それが極度に頻発する状態をスラッシングという。→アが○。イ・ウは×
エは×。フラグメンテーション:メモリ空き領域の断片化
参照:スワッピング,スラッシング,
フラグメンテーション
[ki212-07][ki182-07]
1桁の2進数A,Bを加算し,Xに桁上がり,Yに桁上がりなしの和(和の1桁目)が得られる論理回路はどれか。
【解答】
正解:ア
「Xに桁上がり,Yに桁上がりなし」は下表の「正解」になる。
ア~エについて,トレースすると,正解に一致するのはア →アが○
入力 正解 ア イ ウ エ
A B X Y X(AND) Y(XOR) X(OR) Y(XOR) X(OR) Y(AND) X(AND) Y(OR)
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
0 1 0 1 0 1 1 1 1 0 0 1
1 0 0 1 0 1 1 1 1 0 0 1
1 1 1 0 1 0 1 0 1 1 1 1
参照:組合せ回路,
半加算器と全加算器
[ki212-08]
関係Rと関係Sに対して,関係Xを求める関係演算はどれか。
R S X
ID A B ID A B ID A B
0001 a 100 0001 a 100 0001 a 100
0002 b 200 0002 a 200 0002 a 200
0003 d 300 0002 b 200
0003 d 300
ア IDで結合 イ 差 ウ 直積 エ 和
【解答】
正解:エ
- アは×。結合(join):結合キーが双方にある行で表を作る
ID A B A B
0001 a 100 a 100
0002 b 200 a 200
- イは×。Rの行からSにある行を削除
ID A B
0002 b 200
0003 d 300
- ウは×。双方のすべての組合せ
ID A B ID A B
0001 a 100 0001 a 100
0001 a 100 0002 a 200
0002 b 200 0001 a 100
0002 b 200 0002 a 200
0003 d 300 0001 a 100
0003 d 300 0002 a 200
- エは〇。二つの表を縦に並べ,重複した行を削除
ID A B
R 0001 a 100 ←┐
0002 b 200 │
0003 d 300 │
S 0001 a 100 ←┴ 重複 この行を削除
0002 a 200
関係表は行の順番を問わないので,これとXは同じ
参照:集合演算
[ki212-09][ki092-12]
データベースの障害回復処理に関する記述のうち,適切なものはどれか。
- ア 異なるトランザクション処理プログラムが,同一のデータベースを同時更新することによって生じる論理的な矛盾を防ぐために,データのブロック化が必要になる。
- イ システムが媒体障害以外の原因によって停止した場合,チェックポイントの取得以前に終了したトランザクションについての回復作業は不要である。
- ウ データベースの媒体障害に対して,バックアップファイルをリストアした後,ログファイルの更新前情報を使用してデータの回復処理を行う。
- エ トランザクション処理プログラムがデータベースの更新中に異常終了した場合には,ログファイルの更新後情報を使用してデータの回復処理を行う。
【解答】
正解:イ
アは×。排他制御
イは〇。
ウは×。媒体障害→ロールフォワード→ログファイルの更新後情報
エは×。更新時障害→ロールバック→ログファイルの更新前情報
参照:リカバリー処理
[ki212-10][ki162-11][ki121-13][fe071-52][su04-14]
TCP/IPネットワークにおけるARPの説明として,適切なものはどれか。
ア IPアドレスからMACアドレスを得るプロトコルである。
イ IPネットワークにおける誤り制御のためのプロトコルである。
ウ ゲートウェイ間のホップ数によって経路を制御するプロトコルである。
エ 端末に対して動的にIPアドレスを割り当てるためのプロトコルである。
【解答】
[ki212-11]
IPv4ネットワークにおいて,あるホストが属するサブネットのブロードキャストアドレスを,そのホストのIPアドレスとサブネットマスクから計算する方法として,適切なものはどれか。ここで,論理和,論理積はビットごとの演算とする。
ア IPアドレスの各ビットを反転したものとサブネットマスクとの論理積を取る。
イ IPアドレスの各ビットを反転したものとサブネットマスクとの論理和を取る。
ウ サブネットマスクの各ビットを反転したものとIPアドレスとの論理積を取る。
エ サブネットマスクの各ビットを反転したものとIPアドレスとの論理和を取る。
【解答】
正解:エ
例えば,ネットワーク部を26ビット,ホスト部を6ビット(64個のIPアドレス)のネットワークに属するホストのIPアドレスを
172. 16. 10. 66 とする。
サブネットマスク
255. 255. 255. 192
11111111 11111111 11111111 11000000 A
|---------------------------||----|
ネットワーク部 ホスト部
反転 00000000 00000000 00000000 00111111 A’
IPアドレス(ネットワークアドレス)
172. 16. 10. 66
10101100 00010000 00001010 01000010 B
|---------------------------||----|
ネットワーク部 ホスト部
反転 01010011 11101111 11110101 10111101 B’
そして,ブロードキャストアドレスはネットワークの最後のIPアドレスであるから
172. 16. 10. 127
10101100 00010000 00001010 01111111 C
|---------------------------||----|
ネットワーク部 ホスト部
問題は「AとBからCを求めるのに,ア~エのどの操作が適切か」となる。面倒なのでホスト部だけで考察すると,A’=Cであっる。どのようなビット列でも 1111111 との論理和は 1111111 になる。 → エが〇
参照:サブネットマスク,
論理演算
[ki212-12]
IoT推進コンソーシアム,総務省,経済産業省が策定した「IoTセキュリティガイドライン(Ver 1.0)」における「要点17.出荷・リリース後も安全安心な状態を維持する」に対策例として挙げられているものはどれか。
- ア IoT機器及びIoTシステムが収集するセンサデータ,個人情報などの情報の洗い出し,並びに保護すべきデータの特定
- イ IoT機器のアップデート方法の検討,アップデートなどの機能の搭載,アップデートの実施
- ウ IoT機器メーカ,IoTシステムやサービスの提供者,利用者の役割の整理
- エ PDCAサイクルの実施,組織としてのIoTシステムやサービスのリスクの認識,対策を行う体制の構築
【解答】
正解:イ
本ガイドラインに,次のような記述がある。
- アは×。要点3.守るべきものを特定する
IoTの安全安心の観点で,守るべき本来機能や情報などを特定する。
つなげるための機能についても,本来機能や情報の安全安心のために,守るべきものとして特定する。
- イは〇。要点17.出荷・リリース後も安全安心な状態を維持する
IoTシステム・サービスの提供者等は,IoT機器のセキュリティ上重要なアップデート等を必要なタイミングで適切に実施する方法を検討し,適用する。
- ウは×。 要点20.IoT システム・サービスにおける関係者の役割を認識する
IoT機器メーカやIoTシステム・サービス提供者及び一般利用者の役割を整理する。
- エは×。要点1.経営者がIoT セキュリティにコミットする
経営者は,「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」を踏まえた対応を行う。IoT セキュリティの基本方針を企業として策定し社内に周知するとともに,継続的に実現状況を把握し,見直していく。また,そのために必要な体制・人材を整備する。
21個の要点の内容まで求められても困るが,
・エはIoTシステム導入プロジェクトの開始に関する事項」であり,最初に掲げられるはずである。
・アは導入の目的や基本条件なので,発注・出荷以前に検討されべきである。
・ウも安心安全に繋がるが「状態の維持」からイのほうが適切だろう
のように考えれば,正解に達するのはむしろ容易であろう。
参照:IoTセキュリティガイドライン
[ki212-13]
JIS Q 27000:2019(情報セキュリティマネジメントシステム-用語)において定義されている情報セキュリティの特性に関する説明のうち,否認防止の特性に関するものはどれか。
ア ある利用者があるシステムを利用したという事実が証明可能である。
イ 認可された利用者が要求したときにアクセスが可能である。
ウ 認可された利用者に対してだけ,情報を使用させる又は開示する。
エ 利用者の行動と意図した結果とが一貫性を持つ。
【解答】
[ki212-14]
盗まれたクレジットカードの不正利用を防ぐ仕組みのうち,オンラインショッピングサイトでの不正利用の防止に有効なものはどれか。
ア 3Dセキュアによって本人確認する。
イ クレジットカード内に保持されたPINとの照合によって本人確認する。
ウ クレジットカードの有効期限を確認する。
エ セキュリティコードの入力によって券面認証する。
【解答】
正解:ア
アは〇。オンラインショッピングに適した本人確認方式。パスワードを用いる
イは×。4桁の数字。盗んだカード内にあるので調べることは可能
ウは×。期限が切れているカードを使うかどうか。
エは×。カードの裏面に表示されている
参照:クレジットカードのセキュリティ
[ki212-15][fe191-43]
OSI基本参照モデルのネットワーク層で動作し,「認証ヘッダ(AH)」と「暗号ペイロード(ESP)」の二つのプロトコルを含むものはどれか。
ア IPsec イ S/MIME ウ SSH エ XML暗号
【解答】
正解:ア
アは〇。IPsec(Security Architecture for the Internet Protocol):問題文の通り
イは×。MIME(Multipurpose Internet Mail Extensions):各種の文字コード,画像やプログラムなどのバイナリデータも取扱えるようにした電子メールプロトコル。
S/MIME(Secure MIME):MIMEの暗号化方式
ウは×。SSH(Secure Shell):リモートアクセスのTELNETを暗号化通信にしたもの
エは×。XML暗号:XML文書の暗号化規約
[ki212-16][fe191-46]
UMLにおける振る舞い図の説明のうち,アクティビティ図のものはどれか。
- ア ある振る舞いから次の振る舞いへの制御の流れを表現する。
- イ オブジェクト間の相互作用を時系列で表現する。
- ウ システムが外部に提供する機能と,それを利用する者や外部システムとの関係を表現する。
- エ 一つのオブジェクトの状態がイベントの発生や時間の経過とともにどのように変化するかを表現する。
【解答】
正解:ア
アは〇。アクティビティ図
イは×。シーケンス図
ウは×。ユースケース図
エは×。ステートマシン図
参照:UMLの図法
[ki212-17][ki191-17]
アジャイル開発におけるプラクティスの一つであるバーンダウンチャートはどれか。ここで,図中の破線は予定又は予想を,実線は実績を表す。
【解答】
[ki212-18]
次のプレシデンスダイアグラムで表現されたプロジェクトスケジュールネットワーク図を,アローダイアグラムに書き直したものはどれか。ここで,プレシデンスダイアグラムの依存関係は全てFS関係とする。
【解答】
正解:イ
ADM(アローダイアグラム法)作業を矢線で表現する
PDM(プレシデンス・ダイアグラム法)作業をボックスで表現する
FS:終了-開始関係:Aが終了したら,Bを開始できる。(FS依存関係のときだけADMに変換可能)
解答例での違いは「作業Aの後続作業は,C以外に何があるか,AとF・Hの関係」だけ。
問題文のPDM図では「Aが終了したらCとFが開始できる」。→イが〇。
参照:プレシデンスダイアグラム
[ki212-19]
PMBOKガイド第6版によれば,リスクの定量的分析で実施することはどれか。
- ア 発生の可能性や影響のみならず他の特性を評価することによって,さらなる分析や行動のためにプロジェクトの個別リスクに優先順位を付ける。
- イ プロジェクトの個別の特定した個別リスクと,プロジェクト目標全体における他の不確実性要因が複合した影響を数量的に分析する。
- ウ プロジェクトの全体リスクとプロジェクトの個別リスクに対処するために,選択肢の策定,戦略の選択,及び対応措置を合意する。
- エ プロジェクトの全体リスクの要因だけでなく,プロジェクトの個別リスクの要因も特定し,それぞれの特性を文書化する。
【解答】
正解:イ
アは×。リスクの定性的分析
イは〇。リスクの定量的分析
ウは×。リスク対応の計画
エは×。リスクの特定
参照:リスクマネジメントの手順
[ki212-20]
サービスマネジメントシステムにおける問題管理の活動のうち,適切なものはどれか。
- ア 同じインシデントが発生しないように,問題は根本原因を特定して必ず恒久的に解決する。
- イ 同じ問題が重複して管理されないように,既知の誤りは記録しない。
- ウ 問題管理の負荷を低減するために,解決した問題は直ちに問題管理の対象から除外する。
- エ 問題を特定するために,インシデントのデータ及び傾向を分析する。
【解答】
正解:エ
アは×。問題管理も機能は「根本原因を特定」することだが「必ず恒久的に解決」するのは不可能
イは×。「既知の誤り」で解決方法を伝えて解決するのはインシデント管理。その場合も事案は記録する。
ウは×。「直ちに問題管理の対象から除外」ではなく根本原因の確認をして記録に残す。
エは〇。このような分析も「根本原因を特定」し,類似問題に適用するのに必要
参照:問題管理
[ki212-21][ki191-21][ki162-21][ki102-20]
次の処理条件で磁気ディスクに保存されているファイルを磁気テープにバックアップするとき,バックアップの運用に必要な磁気テープは最少で何本か。
〔処理条件〕
- (1)毎月初日(1日)にフルバックアップを取る。フルバックアップは1本の磁気テープに1回分を記録する。
- (2)フルバックアップを取った翌日から次のフルバックアップを取るまでは,毎日,差分バックアップを取る。差分バックアップは,差分バックアップ用としてフルバックアップとは別の磁気テープに追記録し,1本に1カ月分を1記録する。
- (3)常に6か月前の同一日までのデータについて,指定日の状態にファイルを復元できるようにする。ただし,6か月前の同一日が存在しない場合は,当該月の末日までのデータについて,指定日の状態にファイルを復元できるようにする (例:本日が10月31日の場合は,4月30日までのデータについて,指定日の状態にファイルを復元できるようにする)。
ア 12 イ 13 ウ 14 エ 15
【解答】
正解:ウ
6か月単位のローリングになるので,それ以前の磁気テープは再利用可能である。例示の期間は6か月なので,このケースで必要な本数が,題意の本数になる。
「4月30日以降」なので4月30日も対象になり,対象月は4月~10月の7カ月
1月にフルバックアップ用と差分バックアップ用の2本が必要
必要な磁気テープ本数=2×7=14本→ウが○
[ki212-22]
データの生成から入力,処理,出力,活用までのプロセス,及び組み込まれているコントロールを,システム監査人が書面上で又は実際に追跡する技法はどれか。
ア インタビュー法 イ ウォークスルー法
ウ 監査モジュール法 エ ペネトレーションテスト法
【解答】
[ki212-23][ki131-23]
物流業務において,10%の物流コストの削減の目標を立てて,図のような業務プロセスの改善活動を実施している。図中のcに相当する活動はどれか。
[改善活動] [目標の設定例]
┌─────────────────┐
│ 物流コストの削減 │
└────────┬────────┘
↓
┌─────────────────┐
┌→│ a │ ・10%の物流コストの削減
│ └────────┬────────┘
│ ↓
│ ┌─────────────────┐ ・在庫の削減
│ │ b │ ・誤出荷の削減
│ └────────┬────────┘
│ ↓
│ ┌─────────────────┐ ・在庫日数7日以内
│ │ c │ ・誤出荷率3%以内
│ └────────┬────────┘
│ ↓
│ ┌─────────────────┐
│ │ 改善活動の実施 │
│ └────────┬────────┘
│ ↓
│ ┌─────────────────┐
│ │成果の計測と目標値とのギャップ分析│
│ └────────┬────────┘
└──────────┘
ア CSF(Critical Success Factor)の抽出
イ KGI(Key Goal Indicator)の設定
ウ KPI(Key Performance Indicator)の設定
エ MBO(Management by Objectives)の導入
【解答】
正解:ウ
a:「10%の物流コストの削減」主要目標の設定(KGI)
b:「在庫の削減,誤出荷の削減」その実現のための主要活動(CSF)
c:「在庫日数7日以内,誤出荷率3%以内」活動成果の目標(KPI)
→ウが○
(MBO:目標管理制度は直接の関係はない)
参照:KGI,CSF,KPI
[ki212-24]
A社は,社員10名を対象に,ICT活用によるテレワークを導入しようとしている。テレワーク導入後5年間の効果(「テレワークで削減可能な費用」から「テレワークに必要な費用」を差し引いた額)の合計は何万円か。
[テレワークの概要]
- テレワーク対象者は,リモートアクセスツールを利用して,テレワーク用PCから社内システムにインターネット経由でアクセスして,フルタイムで在宅勤務を行う。
- テレワーク用PCの購入費用,リモートアクセスツールの費用,自宅・会社間のインターネット回線費用は会社が負担する,
- テレワークを導入しない場合は,育児・介護理由によって,毎年1名の離職が発生する。フルタイムの在宅勤務を導入した場合は,離職を防止できる。離職が発生した場合は,その補充のために中途採用が必要になる。
- テレワーク対象者分の通勤費とオフィススペース・光熱費が削減できる。
- 在宅勤務によって,従来,通勤に要していた時間が削減できるが,その効果は考慮しない。
テレワークで削減可能な費用,テレワークに必要な費用
通信費の差減額 平均10万円/年・人
オフィススペース。光熱費の削減額 12万円/年・人
中途採用費用の削減額 50万円/人
テレワーク用PCの購入費用 初期費用;8万円/台
リモートアクセスツールの費用 初期費用;1万円/人,運用費用:2万円/年・人
インターネット回線費用 運用費用:6万円/年・人
ア 610 イ 860 ウ 950 エ 1,200
【解答】
正解:イ
削減可能な費用
通信費の差減額 10万円/年・人 × 5年 × 10人=500万円
オフィススペース。光熱費の削減額 12万円/年・人 × 5年 × 10人=600万円
中途採用費用の削減額 50万円/人 × 1人/年 × 5年 =250万円
合計 1350万円
テレワークに必要な費用
テレワーク用PCの購入費用 8万円/台 × 10台 = 80万円
リモートアクセスツールの初期費用 1万円/人 × 10人 = 10万円
リモートアクセスツールの運用費用 2万円/年・人 × 5年 × 10人 =100万円
インターネット回線費用 6万円/年・人 × 5年 × 10人 =300万円
合計 490万円
差額 1350万円-490万円=860万円 → イが〇
[ki212-25]≒[ki122-25][ki092-25]
RFIを説明したものはどれか。
- ア サービス提供者と顧客の間で,提供するサービスの内容,品質などに関する保証範囲やペナルティについてあらかじめ契約としてまとめた文書。
- イ システム化にあたって,現在の状況において利用可能な技術・製品,ベンダにおける導入実績など実現手段に関する情報提供をベンダに依頼する文書
- ウ システムの調達のために,調達側からベンダに技術的要件やサービスレベル要件を提示し,指定した期限内で実現策の提案を依頼する文書
- エ 要求定義との整合性を図り,利用者と開発要員及び運用要員の共有物とするために,業務処理の概要,入出力情報の一覧,データフローなどをまとめた文書
【解答】
[ki212-26]
バリューチェーンの説明はどれか。
- ア 企業活動を,五つの主活動と四つの支援活動に区分し,企業の競争優位の源泉を分析するフレームワーク
- イ 企業の内部環境と外部環境を分析し,自社の強みと弱み,自社を取り巻く機会と脅威を整理して明確にする手法
- ウ 財務,顧客,内部ビジネスプロセス,学習と成長の四つの視点から企業を分析し,戦略マップを策定するフレームワーク
- エ 商品やサービスを,誰に,何を,どのように提供するかを分析し,事業領域を明確にする手段
【解答】
[ki212-27]
新しい事業に取り組む際の手法として,E.リースが提唱したリーンスタートアップの説明はどれか。
- ア 国・地方公共団体など,公共機関の補助金・助成金の交付を前提とし,事前に詳細な事業計画を検討・立案した上で,公共性のある事業を立ち上げる手法
- イ 市場環境の変化によって競争力を喪失した事業分野に対して,経営資源を大規模に追加投入し,リニューアルすることによって,基幹事業として再出発を期す手法
- ウ 持続可能な事業を迅速に構築し,展開するために,あらかじめ詳細に立案された事業計画を厳格に遂行して,成果の検証や計画の変更を最小限にとどめる手法
- エ 実用最小限の製品・サービスを短期間で作り,構築・計測・学習というフィードバックグループで改良や方向転換をして,継続的にイノベーションを行う手法
【解答】
正解:エ
アは×。このような支援制度があるだろうが,私はその名称を知らない。第三セクター?
イは×。リニューアル型戦略
ウは×。私はこの方法の名称を知らない。「迅速に構築し,展開」するのに「詳細事業計画の作成」「変更を最小限」は適していない。
エは〇。リーンスタートアップ:設問文の通り
[ki212-28]
IoTの技術として注目されている,エッジコンピューティングの説明として,適切なものはどれか。
- ア 演算装置のリソースをセンサ端末の近傍に置くことによって,アプリケーション処理の低遅延化や通信トラフィックの最適化を行う。
- イ 人体に装着して脈拍センサなどで人体の状態を計測して解析を行う。
- ウ ネットワークを介して複数のコンピュータを結ぶことによって,全体として処理能力が高いコンピュータシステムを作る。
- エ 周りの環境から微小なエネルギーを収穫して,電力に変換する。
【解答】
[ki212-29]
いずれも時価100円の株式A~Dのうち,一つの株式に投資したい。経済の成長を高,中,低の三つに区分したときのそれぞれの株式の予想値上がり幅は,表のとおりである。マクシミン原理に従うとき,どの株式に投資することになるか。
経済の成長 単位:円
株式 高 中 低
A 20 10 15
B 25 5 20
C 30 20 5
D 40 10 -10
ア A イ B ウ C エ D
【解答】
正解:ア
マクシミン原理(ミニマックス原理)
「ある戦略を選択すると必ず悪い状態になる」「それなら,悪い状態になっても最大の利益が得られる戦略をとろう」という考え方。
ある株式に投資したときの最悪の状態は★のとき
株式 高 中 低
A 20 ★10 15
B 25 ★ 5 20
C 30 20 ★ 5
D 40 10 ★-10
★のうち最大になるのはAの10 → アが〇
[ki212-30]
労働基準法で定める36協定において,あらかじめ労働の内容や事情などを明記することによって,臨時的に限度時間の上限を超えて勤務させることが許される特別条項を適用する36協定届の事例として,適切なものはどれか。
- ア 商品の売上が予想を超えたことによって,製造,出荷及び顧客サービスの作業量が増大したので,期間を3カ月間とし,限度時間を越えて勤務する人数や所要時間を定めて特別条項を適用した。
- イ 新技術を駆使した新商品の研究開発業務がピークになり,3か月間の業務量が増大したので,労働させる必要があるために特別条項を適用した。
- ウ 退職者の増加に伴い従業員一人当たりの業務量が増大したので,新規に要員を雇用できるまで,特に期限を定めずに特別条項を適用した。
- エ 慢性的な人手不足なので,増員を実施し,その効果を想定して1年間を期限とし,特別条項を適用した。
【解答】
正解:ア
アは〇。「予想を超えた売上」は,特別条項の「特別な理由」になる。
イは△。「研究開発業務がピーク」が特別な理由になるかどうかは微妙。アが「勤務する人数や所要時間を定め」があるのでアを正解とする。
ウは×。「特に期限を定めず」は不可
エは×。「慢性的」は「臨時的」ではなく「特別な理由」にならない。
参照:36協定