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選択肢試験目次
ki192 高度試験午前I 令和元年度秋期
[ki192-01][ki122-01]
全体集合S内に異なる部分集合AとBがあるとき,A∩Bに等しいものはどれか。ここで,A∪BはAとBの和集合,A∩BはAとBの積集合,AはSにおけるAの補集合,A-BはAからBを除いた差集合を表す。
ア A-B イ (A∪B)-(A∩B) ウ (S-A)∪(S-B) エ S-(A∩B)
【解答】
[ki192-02]
通信回線を使用したデータ伝送システムに M/M/1 の待ち行列を適用すると,平均回線待ち時間,平均伝送時間,回線利用率の関係は,次の式で表すことができる。
平均回線待ち時間=平均伝送時間×回線利用率/(1-回線利用率)
回線利用率が0から徐々に増加していく場合,平均回線待ち時間が平均伝送時間よりも最初に長くなるのは,回線利用率が幾つを越えたときか。
ア 0.4 イ 0.5 ウ 0.6 エ 0.7
【解答】
正解:イ
平均伝送時間をT,回線利用率をρとすれば,平均回線待ち時間=ρ/(1-ρ)×T
これがTより大きいことから,
ρ/(1-ρ)×T≧T →ρ/(1-ρ)≧1 ∴ρ≧0.5 →イが〇
参照:M/M/1の公式
[ki192-03]
AIの機械学習における教師なし学習で用いられる手法として,最も適切なものはどれか。
- ア 幾つかのグループに分かれている既存データ間に分離境界を定め,新たなデータがどのグループに属するかはその分離境界によて判別するパターン認識手法
- イ 数式で解を求めることが難しい場合に,乱数を使って疑似データを作り,数値計算をすることによって解を推定するモンテカルロ法
- ウ データ同士の類似度を定義し,その定義した類似度に従って似たもの同士は同じグループに入るようにデータをグループ化するクラスタリング
- エ プロットされた時系列データに対して,曲線の当てはめを行い,得られた近似式によってデータの補完や未来予測を行う回帰分析
【解答】
正解:ウ
アは×。グループ分けは人間が行うが定式化されていないので機械学習。評価を人間があるので「教師あり」
イは×。モンテカルロは乱数を用いるが数値計算手順は人間が作成。機械学習ではない。
ウは〇。分類そのものも人間は介入していない。「教師なし」
エは×。計算手段が定式化されている。機械学習ではない。
参照:機械学習の分類、教師なし学習
[ki192-04]
先頭ポインタと末尾ポインタをもち,多くのデータがポインタでつながった単方向の線形リストのうち,先頭ポインタ,末尾ポインタ又は各データをたどる回数が最も多いものはどれか。ここで,単方向のリストは先頭ポインタからつながっているものとし,通知するデータはポイントをたどらなくても参照できるものとする。
ア 先頭にデータを追加する処理
イ 先頭のデータを削除する処理
ウ 末尾にデータを追加する処理
エ 末尾のデータを削除する処理
【解答】
正解:エ
ア:先頭にデータを追加
先頭ポインタに追加データのポインタ設定
追加データに前の先頭データのポイント設定
→たどる回数=0
イ:先頭データ削除
先頭データまでたどる→1回
先頭データのポインタ(次のデータ)を先頭ポインタに設定
ウ 末尾データ追加
末尾ポインタから末尾データをたどる→1回
末尾データに追加データのポイントを設定
末尾ポインタに追加データを設定
エ:末尾データ削除
末尾データをポイントとするデータを探す→n-1回
そのデータのポイント削除
末尾ポイントを新末尾ポイント設定
→エが最大
参照:リスト構造とポインタ
[ki192-05][ki172-04][ki132-04][ki102-04]
容量がaMバイトでアクセス時間がxナノ秒の命令キャッシュと,容量がbMバイトでアクセス時間がyナノ秒の主記憶をもつシステムにおいて,CPUからみた,主記憶と命令キャッシュとを合わせた平均アクセス時間を表す式はどれか。ここで,読み込みたい命令コードがキャッシュに存在しない確率をrとし,キャッシュメモリ管理に関するオーバヘッドは無視できるものとする。
(1-r)・a r・b
ア ──────・x+───・y イ (1-r)・x+r・y
a+b a+b
r・b (1-r)・a
ウ ───・x+──────・y エ r・x+(1-r)・y
a+b a+b
【解答】
正解:イ
そもそも容量のaやbは無関係(ヒット率の算出に関係) →ア・ウは×
r=1のとき,キャッシュがなのと同じだからyになるはず →イは〇,エは×
イが〇となる確認
確率 時間 期待値
ヒットしたとき 1-r x (1-r)・x
ヒットしないとき r y r・y +(
平均読込み時間 (1-r)・x+r・y →イが〇
参照:「記憶階層とキャッシュメモリ」
[ki192-06]
ジョブ群と実行の条件が次のとおりであるとき,一時ファイルを作成する磁気ディスクに必要な容量は最低何Mバイトか。
[ジョブ群]
[実行の条件]
- (1):ジョブの実行多重度を2とする。
- (2):各ジョブの処理時間は同一であり,他のジョブの影響は受けない。
- (3):各ジョブは開始時に50Mバイトの一時ファイルを新たに作成する。
- (4):の関係があれば,ジョブXの開始後に作成した一時ファイルは,直後のジョブYで参照し,ジョブYの終了時にその一時ファイルを削除する。直後のジョブが複数個ある場合には,最初に生起されるジョブだけが先行ジョブの一時ファイルを参照する。
- (5):はジョブXの終了時に,ジョブY,ZのようにジョブXと矢印で結ばれる全てのジョブが,上から記述された順に優先して生起されることを示す。
- (6):は先行するジョブX,Y両方が終了したときにジョブZが生起されることを示す。
- (7):ジョブの生起とは実行待ち行列への追加を意味し,各ジョブは待ち行列の順に実行される。
- (8):OSのオーバーヘッドは考慮しない。
ア 100 イ 150 ウ 200 エ 250
【解答】
正解:ウ
A用 B・C用 D・E用 F用 合計
A生起 50 作成< 50
A終了 50 B・C参照 50
B・C生起 50 B・C参照 100 作成 150
B・C終了 削除 100 D・E参照 100
D・E生起 100 D・E参照 100 作成 200 ←最大
D・E終了 削除 100 F参照 100
F生起 100 F参照 50 作成 150
F終了 削除 削除 0
D・E実行中に,B・Cで作成しD・Eが参照している100Mと,D・Eが作成した100Mが存在する。
最大容量=200Mバイト → ウが〇
[ki192-07]
キャパシティプランニングの目的の一つに関する記述のうち,最も適切なものはどれか。
- ア 応答時間に最も影響があるボトルネックに注目して,適切な変更を行うことによって,そのボトルネックの影響を低減又は排除することである。
- イ システムの現在の応答時間を調査し,長期間に監視することによって,将来を含めて応答時間を維持することである。
- ウ ハードウエアとソフトウェアをチューニングして,現状の処理能力を最大限に引き出して,スループットを向上させることである。
- エ パフォーマンスの問題はリソースの過剰使用によって発生するので,特定のリソースの有効活用を向上させることである。
【解答】
正解:イ
イは〇。キャパシティプランニングの目的は新システム開発や既存システムの利用増大に伴うサービスレベル維持のためのリソース増強計画
イ・ウ・エは×。これらはキャパシティプランニングの一環として検討されることもあるが,キャパシティプランニングの主目的とはいえない。
なお,イのボトルネックの発見と対策の考え方をTOC(Theory of Constraints)という。
[ki192-08]
エネルギーハーベスティングの適用例として,適切なものはどれか。
ア AC電源で充電したバッテリで駆動される携帯電話機
イ インバータ制御を用いるエアーコンディショナルの室外機
ウ スイッチを押す力を電力に変換して作動するPFリモコン
エ 無停電電源装置を備えたデータサーバ
【解答】
正解:ウ
エネルギーハーベスティング(環境発電技術):微弱エネルギーを収穫して実用電力を得る技術
アは×。通常の方法
イは×。インバータ:直流を交流に変換する装置
ウは〇。RFリモコン:数十M~数GHz帯の電波を,データの送受信に利用する無線リモコン。微弱電力で作動するので,スイッチボタンを押す力を電力に変換するタイプもある。
エは×。UPSは,通常はバッテリ
[ki192-09]
データベースに媒体障害が発生したときのデータベースの回復法はどれか。
- ア 障害発生時,異常終了したトランザクションをロールバックする。
- イ 障害発生時点でコミットしていたがデータベースの実更新がされていないトランザクションをロールフォワードする。
- ウ 障害発生時点でコミットもアボートもしていなかった全てのトランザクションをロールバックする。
- エ バックアップコピーでデータベースを復元し,バックアップ取得以前にコミットした全てのトランザクションをロールフォワードする。
【解答】
正解:エ
アは×。媒体障害の場合はロールフォワード。ここでの異常終了とは,更新時に媒体障害が生じたので異常終了したと解釈する。それなら通常のトランザクションと同じ扱いになる。
イは×。ロールバックで回復する。
ウは×。媒体障害の場合はロールフォワードする。
エは〇。媒体障害への対応での標準的な対応。
参照:リカバリー処理
[ki192-10][ki171-10]
イーサネットで使用されるメディアアクセス制御方式であるCSMA/CDに関する記述として,適切なものはどれか。
- ア それぞれのステーションがキャリア検知を行うとともに,送信データの衝突が起きた場合は再送する。
- イ タイムスロットと呼ばれる単位で分割して,同一周波数において巣クスの通信を可能にする。
- ウ データ送受信の開始時にデータ送受信のネゴシエーションとしてRTS/CTS方式を用い,受信の確認はACKを使用する。
- エ 伝送路上にトークンを巡回させ,トークンを受け取った端末だけがデータを送信できる。
【解答】
正解:ア
アは〇。CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection):搬送波感知多重アクセス/衝突検出方式
イは×。TDMTDM(Time Division Muitiplexing):時分割多重化→ATM
ウは×。CSMA/CA(CSMA Collision Avoidance):無線LANでの衝突回避方式
エは×。トークンパッシング方式(token passing):リング型LANで用いられる。
[ki192-11]
TCP/IPネットワークのフォワードプロキシに関する説明のうち,最も適切なものはどれか。
- ア Webサーバと同一の組織内(例えば企業内)にあって,Webブラウザからのリクエストに対してWebサーバの代理として応答する。
- イ Webブラウザと同一の組織内(例えば企業内)になければならない。
- ウ Webブラウザの代理として,Webサーバに対するリクエストを送信すTる。
- エ 電子メールをインターナット上の複数のサーバを経由して転送する。
【解答】
正解:ウ
フォワードプロキシとは,企業内のクライアント(Webブラウザ)とインターネット(Webブラウザ)の間にあり,クライアントの代理として,WebブラウザからのリクエストをWebサーバに送信する。→ ウが〇
アは×。リバースプロキシの説明
イは×。Webブラウザの代理はリバースプロキシ
エは×。SMTPの説明である。
[ki192-12]
インターネットとの接続において,ファイアウォールのNAPT機能によるセキュリティ上の効果はどれか。
- ア DMZ上にある公開Webサーバの脆弱性を突く攻撃からWebサーバを防御できる。
- イ インターネットから内部ネットワークへの侵入を検知し,検知後の通信を遮断できる。
- ウ インターネット上の特定Webサービスを利用するHTTP通信を検知し,遮断できる。
- エ 内部ネットワークからインターネットにアクセスする利用者PCについて,インターネットからの不正アクセスを困難にすることができる。
【解答】
正解:エ
アは×。ファイアウォールでのアクセス制御,Webサーバの脆弱性改善による。
イは×。IDSなどの監視システムの機能である。
ウは×。Webサーバでの監視,あるいはポート遮断による。
エは〇。NATやNAPTは,限られたグローバルIPアドレスの有効活用だけでなく,外部から利用者PCのIPアドレスやポート番号を見えなくして,利用者PCへの攻撃を防ぐ効果がある。
参照:NAPT
[ki192-13][ki162-13]
チャレンジレスポンス認証方式の特徴はどれか。
- ア 固定パスワードをTLSによって暗号化し,クライアントからサーバに送信する。
- イ 端末のシリアル番号を,クライアントで秘密鍵を使って暗号化してサーバに送信する。
- ウ トークンという装置が自動的に表示する,認証のたびに異なるデータをパスワードとして送信する。
- エ 利用者が入力したパスワードと,サーバから受け取ったランダムなデータとをクライアントで演算し,その結果をサーバに送信する。
【解答】
[ki192-14][ki181-14]
ファジングに該当するものはどれか。
- ア サーバにFINパケットを送信し,サーバからの応答を観測して,稼働しているサービスを見つけ出す。
- イ サーバのOSやアプリケーションソフトが生成したログやコマンド履歴などを解析して,ファイルサーバに保存されているファイルの改ざんを検知する。
- ウ ソフトウェアに,問題を引き起こしそうな多様なデータを入力し,挙動を監視して,脆弱性を見つけ出す。
- エ ネットワーク上を流れるパケットを収集し,そのプロトコルヘッダやデータを解析して,あらかじめ登録された攻撃パターンと一致した場合は不正アクセスと判断する。
【解答】
[ki192-15]
虹彩認証に関する記述のうち,最も適切なものはどれか。
- ア 経年変化による認証精度の低下を防止するために,利用者の虹彩情報を定期的に登録し直さなければならない。
- イ 赤外線カメラを用いると,照度を高くするほど,目に負担をかけることなく認証制度を向上させることができる。
- ウ 他人受入率を顔認証と比べて低くすることが可能である。
- エ 本人が装置に接触したあとに残された遺留品を採取し,それを加工することによって認証データを偽造し,本人になりすますことができる。
【解答】
正解:ウ
アは×。虹彩は,生涯不変ともいわれる。
イは×。照度を高くすると,角膜からの鏡面反射が起きるし,目に負担が生じる。
ウは〇。他人受入率とは他人を本人だと誤認する確率。顔全体では似た人がいるが,虹彩は一卵性双生児であって模様が異なる
エは×。カメラ撮影なので,通常は装置に接触しない。
[ki192-16][ki121-17]
作業成果物の作成者以外の参加者がモデレータとして主導する役割を受け持つこと,並びに公式な記録及び分析を行うことが特徴のレビュー技法はどれか。
ア インスペクション イ ウォークスルー ウ パスアラウンド エ ペアプログラミング
【解答】
正解:ア
アは〇。インスペクション:問題文の通り
イは×。ウォークスルー:レビューを希望する作成者が自ら数人のレビューアを集め,自ら成果物の配布や説明をしてチェックを受ける
ウは×。パスアラウンド:対象資料をレビューア間で回覧してチェックする
エは×。ペアプログラミング:XPの方法論の一つ。二人が一組になってプログラムを作る
参照:レビューの方法
[ki192-17]≒[ki162-17]
自社開発したソフトウェアの他社への使用許諾に関する説明として,適切なものはどれか。
- ア 既に自社の製品に搭載して販売していると,ソフトウェア単体では使用許諾対象にできない。
- イ 既にハードウェアと組み合わせて特許を取得していると,ソフトウェア単体では使用許諾対象にできない。
- ウ ソースコードを無償で使用許諾すると,無条件でオープンソースソフトウェアになる。
- エ 特許で保護された技術を使っていないソフトウェアであっても,使用許諾することは可能である。
【解答】
正解:エ
アは×。組み合わせても単体でも使用許諾可能
イは×。エは〇。著作権と特許権は独立しており,ソフトウェアの著作権は特許権の有無に無関係。通常のソフトウェアは特許を得たものではないし,特許の一部であるソフトウェアも,特許利用の許諾に関係なく使用許諾できる。
ウは×。ソースコードの無償使用許諾とオープンソースソフトウェアは異なる。
[ki192-18]
PMBOKガイド第6版によれば,プロジェクト・マネジャー,プログラム・マネジャー,ポートフォリオ・マネジャー,プロジェクトマネジメント・オフィス(PMO)は,それぞれ他と異なる役割を担っている。それぞれに対応した役割の説明のうち,PMOのものはどれか。
- ア 戦略目標に整合させるよう,関連する複数プロジェクトに影響する制約条件およびコンフリクトを解消する。
- イ 戦略目標を達成するために,プログラム及びプロジェクトの最適な組み合わせを選択して,構成要素の優先順位を決定し,必要な資源を提供する。
- ウ プロジェクトの関連するガバナンス・プロセスを標準化し,資源,方法論,ツール及び技法の共有を促進する。
- エ プロジェクトの要求事項を満たすために,知識,スキル,ツールと技法をプロジェクトへ適用する。
【解答】
正解:ウ
アは×。プログラム・マネジャー
イは×。ポートフォリオ・マネジャー
ウは〇。PMO
エは×。プロジェクト・マネジャー
参照:プロジェクト関連の概念・組織
[ki192-19][ki102-19][fe072-48][ad072-34]
次のアローダイアグラムで表される作業A~Hを見直したところ,作業Dだけが短縮可能であり,その所要日数を6日間にできることが分かった。業務全体の所要日数は何日間短縮できるか。ここで,矢印に示す数字は各作業の標準日数を表す。
ア 1 イ 2 ウ 3 エ 4
【解答】
正解:ウ
クリティカルパスはA→C→D→E→H(31日)
Dを3日短縮すると,
A→C→D→E→H(28日)
A→C→F→H(28日)
がクリティカルになる。
これ以上Dを短縮してもA→C→F→Hは短縮できない。
参照:CPM(or-pt-cpm)
[ki192-20][fe171-57]≒[fe111-56]
ITサービスマネジメントの活動のうち,インシデント及びサービス要求管理として行うものはどれか。
- ア サービスデスクに対する顧客満足度が合意したサービス目標を満たしているかどうかを評価し,改善の機会を特定するためにレビューする。
- イ ディスクの空き容量がしきい値に近づいたので,対策を検討する。
- ウ プログラム変更を行った場合の影響度を調査する。
- エ 利用者からの障害報告に対し,既知のエラーに該当するかどうかを照合する。
【解答】
正解:エ
アは×。サービス設計でのサービスレベル管理
イは×。キャパシティ管理
ウは×。変更管理
エは○。インシデント及びサービス要求管理
参照:「ITIL」
[ki192-21][ki161-21]
クラウドサービスの導入検討プロセスに対するシステム監査において,クラウドサービス上に保存されている情報の消失の予防に関するチェックポイントとして,適切なものはどれか。
- ア 既存の社内情報システムとのIDの一元管理の可否が検討されているか。
- イ クラウドサービスの障害時における最大許容停止時間が検討されているか。
- ウ クラウドサービスを提供する事業者に信頼が置け,かつ,事業やサービスが継続して提供されるかどうかが検討されているか。
- エ クラウドサービスを提供する事業者の施設内のネットワークに,暗号化通信が採用されているかどうかが検討されているか。
【解答】
正解:ウ
クラウド導入検討時点での事業者の情報消失予防対策を評価するチェックポイントを聞いている。
アは×。かなり部分的な項目。情報消失との関係は希薄
イは×。障害停止時間の情報消失との関係は希薄
ウは〇。総合的な事業者評価が重要。継続性も重要。
エは×。情報消失の原因に不正アクセスもあるが,外部ネットワークからの攻撃も多い。
[ki192-22]
システム監査基準(平成30年)における監査手続の実施に際して利用する技法に関する記述のうち,適切なものはどれか。
- ア インタビュー法とは,システム監査人が,直接,関係者に応答で問合せ,回答を入手する技法をいう。
- イ 現地調査法は,システム監査人が監査対象部門に直接赴いて,自ら観察・調査するものなので,当該部門の業務時間外に実施しなければならない。
- ウ コンピュータ支援監査技法は,システム監査上使用頻度の高い機能に特化した,しかも非常に簡単な操作で利用できる専用ソフトウェアによらなければならない。
- エ チェクリスト法とは,監査対象部門がチェックリストを作成及び利用して,監査対象部門の見解を取りまとめた結果をシステム監査人が点検する方法をいう。
【解答】
正解:ア
アは○。インタビューでは直接相手と面談
イは×。業務実態を調査するには業務時間内に実施
ウは×。専用ツール以外にも使えるものが多い。限定する必要はない。
エは×。チェクリストは監査人が作成。監査関連機関のものを監査人が適宜修正して作成することもある。
[ki192-23]≒[fe112-61]
BCPの説明はどれか。
- ア 企業の戦略を実現するために,財務,顧客,内部ビジネスプロセス,学習と成長という四つの視点から戦略を検討したもの
- イ 企業の目標を達成するために業務内容や業務の流れを可視化し,一定のサイクルをもって継続的に業務プロセスを改善するもの
- ウ 業務効率の向上,業務コストの削減を目的に,業務プロセスを対象としてアウトソースを実施するもの
- エ 事業中断・阻害に対応し,事業を復旧し,再開し,あらかじめ定められたレベルに回復するように組織を導く手順を文書化したもの
【解答】
正解:エ
アは×。BSC(Balanced Scorecard)
→参照:「バランススコアカード」
イは×。BPM(Business Process Management)
BPR(Business Process Re-enginnering)を継続的に推進する仕組み,その支援ツール
ウは×。BPO(Business Process Outsourcing)
→参照:「運用外部委託の種類」
エは○。BCP(Business Continuity Plan)
→参照:「事業継続計画(BCP/BCM)」
[ki192-24]≒[fe091-64]
定性的な評価項目を定量化するために評価点を与える方法がある。表に示す4段階評価を用いた場合,重み及び4段階評価の結果から評価されたシステム全体の目標達成度は,評価項目が全て目標どおりだった場合の評価点に対し,何%となるか。
システムの評価項目 重み 4段階評価の結果
省力化効果 5 目標どおり
期間の短縮 8 変わらず
情報の統合化 12 部分改善
4段階評価法
3:目標どおり 2:ほぼ目標どおり
1:部分改善 0:変わらず
ア 27 イ 36 ウ 43 エ 52
【解答】
正解:イ
評価項目 重み 評価
省力化効果 5 × 3 = 15
期間の短縮 8 × 0 = 0
情報の統合化 12 × 1 = 12
─── ───
合計 25 27
完全達成のときの得点=25×3=75
目標達成度=27/75=36[%] → イが〇
[ki192-25]
半導体メーカが行っているファウンドリサービスの説明として,適切なものはどれか。
ア 商号や商標の使用権とともに,一定地域内での商品の独占販売権を与える。
イ 自社で半導体製品の企画,設計から製造までを一貫して行い,それを自社ブランドで販売する。
ウ 製造設備を持たず,半導体製品の企画,設計及び開発を専門に行う。
エ 他社からの製造委託を受けて,半導体製品の製造を行う。
【解答】
正解:エ
アは×。IPプロバイダ
イは×。IDM
ウは×。ファブレス
エは〇。ファウンドリサービス
参照:半導体産業の分業構造
[ki192-26][fe121-67][ad071-61]
プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)における「花形」を説明したものはどれか。
- ア 市場成長率,市場占有率ともに高い製品である。成長に伴う投資も必要とするので,資金創出効果は大きいとは限らない。
- イ 市場成長率,市場占有率ともに低い製品である。資金創出効果は小さく,資金流出量も少ない。
- ウ 市場成長率は高いが,市場占有率が低い製品である。長期的な将来性を見込むことはできるが,資金創出効果の大きさは分からない。
- エ 市場成長率は低いが,市場占有率は高い製品である。資金創出効果が大きく,企業の支柱となる資金源である。
【解答】
正解:ア
アは○。
イは×。負け犬
ウは×。問題児
エは×。金のなる木
参照:「PPM」
[ki192-27][ki172-26][fe092-70]
CRMを説明したものはどれか。
- ア 卸売業者・メーカが,小売店の経営活動を支援してその売上と利益を伸ばすことによって,自社との取引拡大につなげる方法である。
- イ 企業全体の経営資源を有効かつ総合的に計画して管理し,経営の高効率化を図るための手法である
- ウ 企業内の全ての顧客チャネルで情報を共有し,サービスのレベルを引き上げて顧客満足度を高め,顧客ロイヤリティの最適化に結び付ける考え方である。
- エ 生産,在庫,購買,販売,物流などの全ての情報をリアルタイムに交換することによって,サプライチェーン全体の効率を大幅に向上させる経営手法である。
【解答】
[ki192-28]
RPA(Robotic Process Automation)の説明はどれか。
- ア ホワイトカラーの単純な間接作業を,ルールエンジンや認知技術などを活用して代行するソフトウェア
- イ 自動制御によって,対象物をつかみ,動かす機能や,自動的に移動できる機能を油有し,また,各種の作業をプログラムによって実行できる産業用ロボット
- ウ 車両の状態や周囲の環境を認識し,利用者が行き先を指定するだけで自律的な走行を可能とするレーダ,GPS,カメラなどの自動運転関連機器
- エ 人の生活と同じ空間で安全性を確保しながら,食事,清掃,移動,コミュニケーションなどの生活支援に使用されるロボット
【解答】
正解:ア
アが〇。対象は事務処理作業での情報システム
イ・ウ・エは×。対象がハードウェア
参照:RPA
[ki192-29]
損益分岐点分析でA社とB社を比較した記述のうち,適切なものはどれか。
単位 万円
A社 B社
売上高 2,000 2,000
変動費 800 1,000
固定費 900 300
営業利益 300 300
ア 安全余裕率はB社の方が高い。
イ 売上高が両社とも 3,000万円である場合,営業利益はB社の方が高い。
ウ 限界利益率はB社の方が高い。
エ 損益分岐点売上高はB社の方が高い。
【解答】
正解:ア
エは×。損益分岐点売上高=変動費+固定費
A社=800+900=1700, B社=1000+300=1300 → A社>B社
アは〇。安全余裕率=1-損益分岐点売上高/売上高
A社=1-1700/2000=0.15, B社=1-1300/2000=0.35 → A社<B社
ウは×。限界利益率=1-変動費/売上高
A社=1-800/2000=0.6, B社=1-1000/2000=0.5 → A社>B社
参照:損益分岐点
イは×。営業利益=売上高-変動費-「販売費及び一般管理費」であるが,問題の表から
A社の「」=2000-800=1200, B社の「」=2000-1000=1000
売上高=3,000万円 → 現在の 1.5倍 → 変動費も 1.5倍
A社の変動費=1.5x800=1200, B社の変動費=1.5x1000=1500
営業利益=売上高-変動費-「販売費及び一般管理費」
A社の営業利益=3000-1200-1200=600,
B社の営業利益=3000-1500-1000=500 → A社>B社
参照:損益計算書
[ki192-30][ki101-30][ad081-77]
プログラムの著作物について,著作権法上,適法である行為はどれか。
ア 海賊版を複製したプログラムと事前に知りながら入手し,業務で使用した。
イ 業務処理用に購入したプログラムを複製し,社内教育用として各部門に配布した。
ウ 職務著作のプログラムを,作成した担当者が独断で複製し,他社に貸与した。
エ 処理速度を向上させるために,購入したプログラムの改変を行った。
【解答】
正解:エ
アは×。不正に作成された複製だと知っていて使用することは著作権の侵害(第113条)。
イは×。企業内教育には学校の授業での複製許可(第35条,第36条)は適用されない
ウは×。職務著作の著作権は作成担当者ではなく企業に属する(第15条)。
エは○。第20条の2
参照:プログラムと著作権