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選択肢試験目次
ck22 中小企業診断士一次試験
経営情報システム 令和4年度
[ck22-01]
インターネットへの接続やデジタル機器同士のデータ交換の際に用いる無線通信技術にはさまざまな種類があり、それぞれの特徴を理解する必要がある。
無線通信技術に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。
- a 無線LAN規格 IEEE802.11n に対応する機器は、IEEE802.11ac に対応する機器と通信が可能である。
- b 無線LAN規格 IEEE802.11g に対応する機器は、 5GHz 帯を利用するので電子レンジなどの家電製品から電波干渉を受ける。
- c Bluetooth に対応する機器は、周波数ホッピング機能により電子レンジなどの家電製品からの電波干渉を軽減できる。
- d Bluetooth に対応する機器は、5 GHz 帯を利用するので電子レンジなどの家電製品から電波干渉を受ける。
- e Bluetooth に対応する機器は、2.4 GHz 帯と 5 GHz 帯を切り替えて通信を行う
ことができるので、電子レンジなどの家電製品からの電波干渉を軽減できる。
ア aとc イ aとe ウ bとc エ bとd オ bとe
【解答】
正解:ア
電波干渉とは、他機器との周波数が重なることによるノイズの発生
2.4GHz帯:電子レンジ、コードレス電話、無線のマウス・キーボード、Bluetoothなど多くの家電機器・情報機器
IEEE802.11の周波数帯
2.4GHz 5GHz
11b ○
11g ○
11a ○
11n ○ ○
11ac ○
11ax ○ ○
aは○。共に5GHz周波数帯がある
bは×。通常の家電製品は2.4GHz
cは○。周波数ホッピング方式:ノイズの少ない周波数を選択するために、極短時間ごとに周波数を変更する方式。Bluetoothはこの機能をもつ。
dは×。Bluetoothは2.4GHzのみ
eは×。同上
○はaとc → 正解はア
参照:電波干渉
[ck22-02]
ある値(value)を何らかのキー(key)を付けて記憶するデータ構造は、さまざまなプログラミング言語で利用可能である。
Python においては、辞書(dictionary)と呼ばれるデータ型が組み込まれている。辞書は、「キー: 値」という形のペアの集合であり、
{キー 1: 値 1, キー 2: 値 2, …, キー n: 値 n}
のように、「キー: 値」の各ペアをカンマで区切り、{ } で囲むことで定義できる。
例えば、
mis = {"科目名":"経営情報システム", "試験時間":"60 分"}
として辞書 mis を定義でき、mis["科目名"] でキー "科目名" に対応する値である"経営情報システム" を、また、mis["試験時間"] でキー "試験時間" に対応する値である "60 分" を参照することができる。なお、次のように、値には辞書型のデータも指定することができる。
employee = {"E001":{"氏名":"中小太郎", "部門":"財務部"},
"E002":{"氏名":"診断次郎", "部門":"総務部"}}
この場合、employee["E001"]["氏名"] で "中小太郎" を参照することができる。
いま、次のように exam を定義するとき、値の参照に関する記述として、最も不適切なものを下記の解答群から選べ。
exam = {
"A":{"科目名":"科目A", "試験時間":"60 分", "配点":"100 点"},
"B":{"科目名":"科目B", "試験時間":"60 分", "配点":"100 点"},
"C":{"科目名":"科目C", "試験時間":"90 分", "配点":"100 点"},
"D":{"科目名":"科目D", "試験時間":"90 分"},
"E":{"科目名":"科目E", "試験時間":"60 分", "配点":"100 点"},
"F":{"科目名":"科目F", "試験時間":"60 分", "配点":"100 点"},
"G":{"科目名":"科目G", "試験時間":"90 分"}
}
[解答群]
ア exam["A"]["試験時間"] の値と exam["B"]["試験時間"] の値は等しい。
イ exam["C"]["配点"] の値は、"100 点" である。
ウ exam["D"] に、キー "配点" は存在しない。
エ exam["E"]["試験時間"] の値と exam["G"]["試験時間"] の値は等しい。
オ exam["F"]["科目名"] の値は、"科目F" である。
【解答】
正解:エ
アは適切:双方とも60分
イは適切:"C":{~"配点":"100 点"},
ウは適切:"D":{"配点"がない}
エは不適切:Eは60分、Gは90分
オは適切:"F":{"科目名":"科目F", ~}
→不適切なものはエ
参照:連想配列
[ck22-03]
プログラミング言語には多くの種類があり、目的に応じて適切な選択を行う必要がある。
プログラミング言語に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- ア JavaScript は Java のサブセットであり、HTMLファイルの中で記述され、動的なWebページを作成するために用いられる。
- イ Perl は日本人が開発したオブジェクト指向言語であり、国際規格として承認されている。
- ウ Python は LISP と互換性があり、機械学習などのモジュールが充実している。
- エ Rは統計解析向けのプログラミング言語であり、オープンソースとして提供されている。
- オ Ruby はビジュアルプログラミング言語であり、ノーコードでアプリケーションソフトウェアを開発することができる。
【解答】
正解:エ
アは×。JavaScriptとJavaには直接の関係はない。後半は正しい
イは×。日本人が開発した代表的なオブジェクト指向言語はRuby
ウは×。PythonとLISPには直接の関係はない。後半は正しい
エは〇。
オは×。Ruby はビジュアルプログラミング言語ではない。その代表的なものにScratch(スクラッチ)がある。
参照:代表的な軽量言語
[ck22-04]
データを格納する考え方としてデータレイクが注目されている。データレイクに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- ア 組織内で運用される複数のリレーショナルデータベースからデータを集めて格納する。
- イ 組織内の構造化されたデータや、IoT機器やSNSなどからの構造化されていないデータをそのままの形式で格納する。
- ウ データウェアハウスから特定の用途に必要なデータを抽出し、キー・バリュー型の形式で格納する。
- エ データ利用や分析に適したスキーマをあらかじめ定義して、その形式にしたがってデータを格納する。
- オ テキスト形式のデータと画像・音声・動画などのバイナリ形式のデータをそれぞれ加工し、構造化したうえで格納する。
【解答】
正解:イ
- アは×。データウェアハウス。必ずしもリレーショナルデータベースに限定しないが、これに近い用語としては適切だろう
- イは○。データレイクは整理した形式でもち、そのままの整理されていない形式でもつのはデータスワンプであるが、他の設問はデータレイクとの直接の関係が乏しいので、これを正解とする。参照:大量データの体系
- ウは×。キー・バリュー型のデータベースはNoSQLがこれに当たる
- エは×。データウェアハウスやデータマートのデータ整備にこのような方法が適用されることが多いが、その方法の名称を私は知らない
- オは×。データカタログ? ドキュメントデータベース?
[ck22-05]
「アルバイト担当者」表から電話番号が「03-3」から始まる担当者を探すためにSQL 文を用いる。以下の SQL 文の空欄に指定する文字列として、最も適切なもの
を下記の解答群から選べ。なお、電話番号は「アルバイト担当者」表の「電話番号」列に格納されているものとする。
SELECT * FROM アルバイト担当者 WHERE [ ];
[解答群]
ア LIKE 電話番号 '= 03-3%'
イ LIKE 電話番号 = '03-3%'
ウ 電話番号 = 'LIKE 03-3%'
エ 電話番号 'LIKE 03-3%'
オ 電話番号 LIKE '03-3%'
【解答】
正解:オ
LIKE は [=]や[>] と同じく比較演算子 →「変数 LIKE 値」の形式 → オが○
[ck22-06]
コンピュータ内で特定のファイルの所在を表す際に相対パスが用いられる。相対パスに関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 親ディレクトリから対象ファイルに至るパスである。
イ 仮想ディレクトリから対象ファイルに至るパスである。
ウ カレントディレクトから対象ファイルに至るパスである。
エ ホームディレクトリから対象ファイルに至るパスである。
オ ルートディレクトリから対象ファイルに至るパスである。
【解答】
正解:ウ
相対パスはカレントディレクトリ(現在位置)から対象ファイルに至るパス → ウが○
絶対パスはルートディレクトリとそれからのパスを指定(オ)
仮想ディレクトリとは、実際には複数のディレクトリに散在しているフォルダやファイルを、あたかも一つのフォルダに存在するかのように表示する見せかけのフォルダ
ホームディレクトリとは、コンピュータのストレージ(外部記憶装置)内に用意された、個々の利用者が自由に使えるディレクトリ。
参照:ディレクトリとリンク
[ck22-07]
ネットワーク上では多様な通信プロトコルが用いられている。通信プロトコルに関する記述とその用語の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
- ① WebブラウザとWebサーバ間でデータを送受信する際に用いられる。
- ② 電子メールクライアントソフトが、メールサーバに保存されている電子メールを取得する際に用いられる。
- ③ 電子メールの送受信において、テキストとともに画像・音声・動画などのデータを扱う際に用いられる。
- ④ クライアントとサーバ間で送受信されるデータを暗号化する際に用いられる。
[解答群]
ア ①:HTTP ②:POP3 ③:MIME ④:SSL/TLS
イ ①:HTTP ②:SMTP ③:IMAP ④:UDP
ウ ①:NTP ②:POP3 ③:IMAP ④:UDP
エ ①:NTP ②:POP3 ③:MIME ④:UDP
オ ①:NTP ②:SMTP ③:IMAP ④:SSL/TLS
【解答】
正解:ア
HTTP(HyperText Transfer Protocol):①
SMTP(Simple Mail Protocol):電子メールの送信・転送
POP3(Post Office Protocol v3):②
IMAP(Internet Message Access Protocol):電子メールの受信。メールボックスに残る
MIME(Multipurpose Internet Mail Extensions):③
UDP(User Datagram Protocol):コネクションレス型通信
NTP(Network Time Protocol):時刻同期
SSL/TLS(ecure Socket Layer / Transport Layer Security):④
→ アが○
[ck22-08]
IPアドレスやドメインに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- ア DHCPは、ネットワークに接続するノードへのIPアドレスの割り当てを自動的に行うプロトコルであり、サブネットマスクやデフォルトゲートウェイのアドレスは自動設定できない。
- イ IPv4 と IPv6 の間には互換性があるので、IPv4 アドレスを割り当てられた機器と IPv6 アドレスを割り当てられた機器は直接通信できる。
- ウ NATは、ドメイン名とIPアドレスを動的に対応づけるシステムである。
- エ トップレベルドメインは、分野別トップレベルドメイン(gTLD)と国別トップレベルドメイン(ccTLD)に大別される。
- オ ルータの持つDNS機能によって、LAN内の機器に割り当てられたプライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスに変換し、インターネットへのアク
セスが可能になる。
【解答】
[ck22-09]
経済産業省が 2021 年 8 月に公表した「DXレポート 2.1」(DXレポート 2 追補版)では、デジタル変革後の新たな産業の姿やその中での企業の姿が提示されている。デジタル社会の実現に必要となる機能を社会にもたらすのがデジタル産業であるとしている。
「DXレポート 2.1」におけるデジタル産業を構成する企業の類型として、最も不適切なものはどれか。
ア DXに必要な技術を提供するパートナー
イ 企業の変革を共に推進するパートナー
ウ 共通プラットフォームの提供主体
エ 新ビジネス・サービスの提供主体
オ デジタル化を外部委託してコスト削減を図る企業群
【解答】
正解:オ
「DXレポート 2.1」では、DXの推進はコアコンピタンスを持つ企業がパートナーを組んで取り組むことが必要であり、どの分野でパートナーになるかについて、ア~エを掲げている。
デジタル産業とは、「価値創出の全体にデジタルケイパビリティを活用し、それらを介して他社・顧客とつながることで、エコシステムを形成している全ての企業」としているので、オのような単にコスト削減のためにデジタル化をする企業はこれに該当しない。
参照:デジタル産業の構造と企業類型
[ck22-10]
中小企業においても、オープンデータの活用は競争力向上の重要な要因となり得る。オープンデータに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- ア 売上データや人流データなどに匿名加工を施したうえで第三者に販売されるデータ。
- イ 行政の透明化を図るために、条例に基づいて住民からの公開請求の手続きにより住民に公開されるデータ。
- ウ 公開の有無にかかわらず、OpenDocument フォーマットで保管されるデータ。
- エ 政府や企業が公式に発表する統計データや決算データではなく、インターネットのログやSNSの投稿などから得られるデータ。
- オ 二次利用が可能な利用ルールが適用され、機械判読に適し、無償で利用できる形で公開されるデータ。
【解答】
[ck22-11]
製品修理を専門に行う中小企業がある。下図は、この企業の修理業務の一部をUMLのクラス図として描いたものである。この図の解釈として、最も適切なもの
を下記の解答群から選べ。
┌────┐ ┌────┐
│ │0..* 担当 1│ │
│ 修理 ├──────────┤ 従業員 │
│ │ │ │
└────┘ └────┘
[解答群]
ア いずれの従業員も、少なくとも 1 つ以上の修理を担当する。
イ いずれの従業員も、複数の修理を担当することは許されない。
ウ 各修理に対して、担当する従業員は 1 人以上である。
エ 各修理に対して、担当する従業員は必ず 1 人である。
オ 担当する従業員が存在しない修理もあり得る。
【解答】
正解:エ
「修理」から見たとき:担当する従業員は1人である。 → エが○。ウ・オは×。
「従業員」から見たとき:担当する修理は0~複数である。ア・イは×。
参照:関連、多重度
[ck22-12]
企業は環境変化に対応するために、コンピュータシステムの処理能力を弾力的に増減させたり、より処理能力の高いシステムに移行させたりする必要がある。
以下の記述のうち、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。
- a システムを構成するサーバの台数を増やすことでシステム全体の処理能力を高めることを、スケールアウトという。
- b システムを構成するサーバを高性能なものに取り替えることでシステム全体の処理能力を高めることを、スケールアップという。
- c 既存のハードウェアやソフトウェアを同等のシステム基盤へと移すことを、リファクタリングという。
- d パッケージソフトウェアを新しいバージョンに移行する時などに行われ、データやファイルを別の形式に変換することを、リフト&シフトという。
- e 情報システムをクラウドに移行する手法の 1 つで、既存のシステムをそのままクラウドに移し、漸進的にクラウド環境に最適化していく方法を、コンバージョンという。
〔解答群〕
ア aとb イ aとe ウ bとc エ cとd オ dとe
【解答】
[ck22-13]
システム開発の方法論は多様である。システム開発に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- ア DevOps は、開発側と運用側とが密接に連携して、システムの導入や更新を柔軟かつ迅速に行う開発の方法論である。
- イ XPは、開発の基幹手法としてペアプログラミングを用いる方法論であり、ウォーターフォール型開発を改善したものである。
- ウ ウォーターフォール型開発は、全体的なモデルを作成した上で、ユーザにとって価値ある機能のまとまりを単位として、計画、設計、構築を繰り返す方法論である。
- エ スクラムは、動いているシステムを壊さずに、ソフトウェアを高速に、着実に、自動的に機能を増幅させ、本番環境にリリース可能な状態にする方法論である。
- オ フィーチャ駆動開発は、開発工程を上流工程から下流工程へと順次移行し、後戻りはシステムの完成後にのみ許される方法論である。
【解答】
正解:ア
アは〇。DevOps:開発担当者(Development)と運用担当者(Operations)が協調
イは×。XPはアジャイル開発の技法であり、ウォーターフォール型とは直接の関係はない。前半は正しい。
ウは×。フィーチャ駆動開発の説明
エは×。アプリケーションリリース自動化ツールの説明。スクラムはXPに類似した開発技法
オは×。ウォータフォール型開発技法の説明
[ck22-14]
情報システムにおいてデータベースは要となるものである。データベースに関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。
- a リポジトリとは、データベース全体の構造や仕様を定義したものであり、外部・概念・内部の三層構造で捉える。
- b NoSQL とはDBMSが管理するデータ・利用者・プログラムに関する情報やこれらの間の関係を保存したデータベースである。
- c ロールフォワードとは、データベースシステムなどに障害が発生した時に、更新前のトランザクションログを使ってトランザクション実行前の状態に復元する処理である。
- d カラムナー(列指向)データベースは、列方向のデータの高速な取得に向けて最適化されているので、大量の行に対する少数の列方向の集計を効率化できる。
- e インメモリデータベースは、データを全てメインメモリ上に格納する方式で構築されたデータベースであり、ディスクにアクセスする必要がないので、応答時間を最小限にすることが可能になる。
〔解答群〕
ア aとb イ aとe ウ bとc エ cとd オ dとe
【解答】
[ck22-15]
機械学習の手法に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。
- a クラスタリングはカテゴリ型変数を予測する手法であり、教師あり学習に含まれる。
- b クラスタリングはデータをグループに分ける手法であり、教師なし学習に含まれる。
- c 分類はカテゴリ型変数を予測する手法であり、教師あり学習に含まれる。
- d 分類はデータをグループに分ける手法であり、教師あり学習に含まれる。
- e 回帰はデータをグループに分ける手法であり、教師なし学習に含まれる。
〔解答群〕
ア aとd イ aとe ウ bとc エ bとd オ cとe
【解答】
正解:ウ
- 教師あり学習
データと教師の示した解(正解)の組を与えて、AIに正解率が高くなる法則を見つけさせる方法。
回帰(Regression)、
分類(Classification)など
- 教師なし学習
教師は正解を与えるのではなく、単に「3つのグループに分けよ」などと指定するだけ。
クラスタリング(clustering)、
次元削減(dimensionality reduction)など
aは×。前半は正しいが教師なし学習
bは○。分類
cは○。判別
dは×。前半はクラスタリングの説明。後半は正しい。
eは×。前半はクラスタリングの説明。教師あり学習。
→bとc→ウが○
[ck22-16]
パスワードを適切に設定して管理することは、ネットワーク社会でセキュリティを守るための基本である。
総務省は、「IDとパスワードの設定と管理のあり方(国民のための情報セキュリティサイト)」でパスワードの設定と管理についての留意点をあげている。パスワードの漏洩リスクを低減するための個人や組織の対策として、最も不適切なものはどれか。
- ア アカウントの乗っ取りやパスワード流出の事実がなくとも、管理者がユーザにパスワードの定期的変更を要求すること。
- イ パスワードのメモをディスプレイなど他人の目に触れる場所に貼ったりしないこと。
- ウ パスワードを電子メールでやりとりしないこと。
- エ パスワードを複数のサービスで使い回さないこと。
- オ やむを得ずパスワードをメモなどに記載した場合は、鍵のかかる机や金庫など安全な方法で保管すること。
【解答】
正解:ア
すべて適切なようだが、アに関しては、以前は推奨されていたが、現在はサービス提供側が要求するべきではなく、流出の事実があったときに限定すべきだとされている。
参照:パスワードの管理
[ck22-17]
情報セキュリティマネジメントにおいては、情報セキュリティリスクアセスメントの結果に基づいて、リスク対応のプロセスを決定する必要がある。
リスク対応に関する記述とその用語の組み合わせとして、最も適切なものを下記
の解答群から選べ。
- a リスクを鍵う活動の停止やリスク要因の根本的排除により、当該リスクが発生しない状態にする。
- b リスク要因の予防や被害拡大防止措置を講じることにより、当該リスクの発生確率や損失を減じる。
- c リスクが受容可能な場合や対策費用が損害額を上回るような場合には、あえて何も対策を講じない。
- d 保険に加入したり、業務をアウトソーシングするなどして、他者との間でリスクを分散する。
〔解答群〕
ア a:リスク移転 b:リスク低減 c:リスク回避 d:リスク保有
イ a:リスク移転 b:リスク保有 c:リスク回避 d:リスク低減
ウ a:リスク回避 b:リスク移転 c:リスク保有 d:リスク低減
エ a:リスク回避 b:リスク低減 c:リスク保有 d:リスク移転
オ a:リスク低減 b:リスク回避 c:リスク移転 d:リスク保有
【解答】
正解:エ
aはリスク回避
bはリスク低減(軽減)
cはリスク保有(受容)
dはリスク移転(転嫁)
→エが○
参照:リスク対応
[ck22-18]
ITサービスマネジメントとは、ITサービス提供者が、提供する ITサービスを効率的かつ効果的に運営管理するための枠組みである。
ITサービスマネジメントに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- ア COSOは、ITサービスマネジメントのベストプラクティス集である。
- イ ITサービスマネジメントシステムの構築に経営者が深く関与することは、避けた方が良い。
- ウ ITサービスマネジメントシステムの認証を受けると Pマークを取得できる。
- エ ITサービスマネジメントにおけるインシデントとは、顧客情報の流出によってセキュリティ上の脅威となる事象のことをいう。
- オ SLAは、サービス内容およびサービス目標値に関するサービス提供者と顧客間の合意である。
【解答】
[ck22-19]
中小企業A社では、基幹業務系システムの刷新プロジェクトを進めている。先月のプロジェクト会議で、PV(出来高計画値)が 1,200 万円、AC(コスト実績値)が800 万円、EV(出来高実績値)が 600 万円であることが報告された。
このとき、コスト効率指数(CPI)とスケジュール効率指数(SPI)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア CPI は 0.50 であり、SPI は 0.67 である。
イ CPI は 0.50 であり、SPI は 0.75 である。
ウ CPI は 0.67 であり、SPI は 0.50 である。
エ CPI は 0.67 であり、SPI は 0.75 である。
オ CPI は 0.75 であり、SPI は 0.50 である。
【解答】
正解:オ
コスト効率指数(CPI)=EV/AC= 600 / 800 = 0.75
スケジュール効率指数(SPI)=EV/PV= 600 / 1,200 = 0.50
→ オが○
参照:EVM
[ck22-20]
デジタル署名に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。
- a 送信者のなりすましを防ぎ、本人が送信したメッセージであることを証明できる。
- b 送信されたメッセージが改変(改ざん)されていないことを検知できる。
- c 送信されたメッセージが傍受(盗聴)されていないことを証明できる。
- d 送信者はメッセージのダイジェストを公開鍵で暗号化し、受信者は秘密鍵で復号する。
- e 電子証明書は、秘密鍵の所有者を証明するものである。
[解答群]
ア aとb イ aとe ウ bとc エ cとd オ dとe
【解答】
正解:ア
a・bは○。送信者本人確認。改ざんの有無の確認ができる。
cは×。盗聴の有無を確認する手段はない。
dは×。送信者は送信者の秘密鍵で暗号化、受信者は送信者の公開鍵で復号
eは×。公開鍵の所有者を証明。電子署名と認証
aとbが○ →アが○
参照:ハイブリッド暗号方式
[ck22-21]
情報システムの信頼性や性能を正しく評価することは重要である。情報システムの評価に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。
- a 可用性とは、高い稼働率を維持できることを意味し、ターンアラウンドタイムで測定する。
- b 完全性とは、データが矛盾を起こさずに一貫性を保っていることを意味する。
- c スループットとは、単位時間当たりに処理できる処理件数を意味する。
- d レスポンスタイムとは、システムに処理要求を送ってから結果の出力が終了するまでの時間を意味する。
- e RASISとは、可用性・完全性・機密性の3つを指している。
[解答群]
ア aとd イ aとe ウ bとc エ bとd オ cとe
【解答】
正解:ウ
aは×。ターンアラウンドタイムではなくMTBF,MTTRから算出
bは○。
cは○。
dは×。ターンアラウンドタイムの説明。レスポンスタイムは最初の出力が出るまでの時間
eは×。RASの説明。RASIS=RAS+Integrity(完全性)+Security(機密性)
bとcが○ →ウが○
参照:RAS
[ck22-22]
情報システムを利用するには、ハードウェアやソフトウェアを何らかの形で準備する必要がある。
コンピュータ資源の利用の仕方に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。
- a クラウドコンピューティングとは、データやアプリケーションなどのコンピュータ資源をネットワーク経由で利用する仕組みのことである。
- b CaaS(Cloud as a Service)とは、クラウドサービスの類型の1つで、クラウド上で他のクラウドサービスを提供するハイブリッド型を指す。
- c ホスティングとは、データセンターが提供するサービスの1つで、ユーザはサーバなどの必要な機器を用意して設置し、遠隔から利用する。
- d ハウジングとは、データセンターが提供するサービスの1つで、事業者が提供するサーバを借りて遠隔から利用する。
- e コロケーションとは、サーバを意識せずにシステムを構築・運用するという考え方に基づいており、システムの実行時間に応じて課金される。
[解答群]
ア aとb イ aとe ウ bとc エ cとd オ dとe
【解答】
正解:ア
aは○。クラウドコンピューティング
cは×。ハウジングの説明
dは×。ホスティングの説明
eは×。SaaSの契約方法の1つ。コロケーション≒大規模ハウジング
参照:運用外部委託の種類
bについて
後半が「クラウドサービスの類型の1つ」であることは正しい。しかし、通常 CaaS は、Container as a Service あるいは Communication as a Service の意味で用いられ(CaaS)、Cloud as a Service として広く認められているかどうか私は知らない。しかし、c,d,eが×なのは明らかなので、これを○とする。
→○はaとb →アが○
[ck22-23]
統計的仮説検定に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。
a 第1種の過誤とは、帰無仮説が真であるにもかかわらず帰無仮説を棄却してしまう誤りをいう。
b 第1種の過誤とは、帰無仮説が偽であるにもかかわらず帰無仮説を採択してしまう誤りをいう。
c 第2種の過誤とは、帰無仮説が偽であるにもかかわらず帰無仮説を採択してしまう誤りをいう。
d 第2種の過誤とは、帰無仮説が真であるにもかかわらず帰無仮説を棄却してしまう誤りをいう。
e 有意水準(危険率)とは、第 1 種の過誤を犯す確率のことである。
f 有意水準(危険率)とは、第 2 種の過誤を犯す確率のことである。
g 検定力(検出力)とは、第 1 種の過誤を犯す確率のことである。
〔解答群〕
ア aとcとe イ aとcとf ウ aとfとg エ bとdとe オ bとdとg
【解答】
正解:ア
第1種の過誤(あわて者の危険、生産者危険)=帰無仮説が真であるにもかかわらず帰無仮説を棄却してしまう誤り→a○、b×
第2種の過誤(ぼんやり者の危険、消費者危険)=帰無仮説が偽であるにもかかわらず帰無仮説を採択してしまう誤り→c○、d×
危険率:帰無仮説が棄却できない確率=第 1 種の過誤を犯す確率→e○、f×
検定力:不合格を合格としない確率=1-第2種の危険→g×
→○はaとcとe →アが○
参照:抜取検査、
検定
[ck22-24]
200人が受験した試験結果から10人の得点を無作為に抽出して並べ替えたところ、以下のとおりであった。
2 2 4 5 5 7 8 8 9 10
点推定による母平均と母分散の推定値に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、母分散の推定には不偏分散を用いることとする。
ア 母平均の推定値は 6.0 であり、母分散の推定値は 6.5 である。
イ 母平均の推定値は 6.0 であり、母分散の推定値は 7.2 である。
ウ 母平均の推定値は 6.0 であり、母分散の推定値は 8.0 である。
エ 母平均の推定値は 6.7 であり、母分散の推定値は 7.2 である。
オ 母平均の推定値は 6.7 であり、母分散の推定値は 8.5 である。
【解答】
正解:ウ
母集団の大きさ=200(求解には使われない)
標本の個数=10
標本の自由度=10-1=9
標本の合計=2+2+…+10=60
標本の平均=合計/個数=60/10=6 ・・・母平均の推定値=6
標本の偏差平方和=(2-6)2 + (2-6)2 + … + (10-6)2 =72
標本の不偏分散=偏差平方和/自由度=72/9=8 ・・・母分散の推定値=8
→ウが○
参照:平均、分散、標準偏差
[ck22-25]
ブロックチェーン技術に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- ア NFT(Non-Fungible Token)は、ブロックチェーン技術を基に作られた一意で代替不可能なトークンであり、デジタルコンテンツに対応したNFTを発行することにより唯一性・真正性を証明できる。
- イ PoW(Proof of Work)とは、ブロックチェーン上に新たなトランザクションを追加するための合意形成メカニズムの 1 つで、承認権限を持つ人のコンセンサスで決める。
- ウ スマートコントラクトは、ブロックチェーン上に保存されたプログラムコードのことであり、暗号資産の取引に限定して利用される。
- エ ブロックチェーンネットワークでは、パブリック型、コンソーシアム型、プライベート型のいずれにおいても中央管理者を置くことはない。
- オ ブロックチェーンはブロック間のデータの連続性を保証する技術の1つであり、追加されたブロックが前のブロックのナンス値を保持することによって連続性が確保されている。
【解答】
正解:ア
アは〇。NFT
イは×。PoWやPoS(Proof-of-stake)などの合意形成メカニズムはブロックチェーンネットワークのアルゴリズムなので、どの方式を採用するかはコンセンサスで決定でぃるがアルゴリズムそのものは変えられない。また、パブリック型では特定の承認権限者が存在しない。
ウは×。スマートコントラクトとは、「特定の条件が満たされた場合に、決められた処理が自動的に実行される」といった、契約履行管理の自動化のこと。暗号資産の取引に限定しない。
エは×。プライベート型、コンソーシアム型では中央管理者が存在
オは×。前半は正しい。追加されたブロックが前のブロックのハッシュ値を保持する。