RAS
次の信頼性、可用性、保守性をRASといいます。主に稼働率の尺度です。
- Reliability(信頼性)
- ハードウェアやソフトウェアが故障しないようにすること。故障が回復してから次の故障が起こるまでの平均時間をMTBF(mean time between failures)というが,それを大きくすること。
- Availability(可用性)
- システムが利用できる割合のこと。稼働率ともいいます。上のMTBFと下のMTTRを使うとMTBF/(MTBF+MTTR) で表せます。
- Serviceability(保守性)
- 故障してから回復するまでの平均時間であるMTTR(mean time to repair)を小さくすること。それには原因を短時間に見つけることや故障した機器を切り離したり正常な機器と取り替える時間を短縮することが必要になります。
すなわち,コンピュータの稼働率をあげるためには,MTBFを長く,MTTRを短くすることが必要です。これがOSの目的の一つです。
●問題
ある装置の1000時間の障害記録を調査したところ,障害が4回発生し,故障時間の平均値は150分であった。稼働率はいくつになるか。
●解答
与件
MTTR=150[分/回]=2.5[時間/回]
MTBF+MTTR=1,000[時間]/4[回]=250[時間/回]
であるから,
MTBF=250-2.5=147.5[時間/回]
稼働率=247.5/250=0.99・・・答
RASIS
上のRASに「保全性」「安全性」を加えてRASISといいます。
- Integrity(完全性)
- Integrityは、日本語に適切な用語がなく「完全性」「保全性」「一貫性」など訳されます。過負荷や障害、誤操作などによるデータの破壊や喪失、不整合などの起こりにくさ、事前と事後の整合性の尺度です。
- Security(機密性)
- 「安全性」ともいいます。データやプログラムの破壊・改ざん・漏洩などの起こりにくさの尺度です。