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私たちはインターネットでWebページ閲覧や電子メール送信などをしています。Webページ閲覧ではHTTP、電子メール送信ではSMTPなどのプロトコルで実行されます。本章では、よく使われるアプリケーション層のプロトコル(下表)について学習します。
これらのプロトコルは、TCP/TDPのヘッダにあるポート番号により指定されます。
ポート番号 プロトコル サービス内容
53 DNS 名前解決
80 HTTP Webページ閲覧
443 HTTPS 同上(セキュリティ)
25 SMTP 電子メール(送信・転送)
110 POP3 同上(受信)
143 IMAP 同上(IMAP)
20 FTP ファイルの転送(データ)
21 FTP 同上(制御)
23 TELNET 遠隔ログイン
22 SSH セキュアログイン
123 NTP 時刻同期
123 SNTP 時刻同期(簡略版)
ここではTCP/IP体系のアプリケーション層です。OSI基本参照モデルでは、トランスポート層の上位層として、セッション層、プレゼンテーション層、アプリケーション層に階層化されていますが、実際のプロトコルでは、そのような区分は不明確です。
Webページを見るには、ブラウザで http://www.example.co.jp/webtext/index,htmlのようにURLを入力します。電子メールの宛先では、kogure@mail.sample.comのように指定します。このwww.example.co.jpやmail.sample.comをドメイン名といいます。
TCP/IPでは、IPアドレスで相手のサーバなどと接続することになっていました。ところがここではドメイン名で指定することにしています。ドメイン名のwww.example.co.jpのIPアドレスが150.111.222.26だと知っていれば、URLをhttp://150.111.222.26/~とすることができます。しかし、IPアドレスを覚えるのは大変でしょう。IPv6では1080::8:800:200C:417Aのような形式ですから、なおさらです。
ここでは、ドメイン名の構造や体系、管理組織などについて学習します。
相手先をドメイン名で与えますが、実際にはアプリケーションはTCPなどを用いて通信するのですから、ドメイン名をIPアドレスに変換する必要があります。それをDNSによる名前解決といいます。
HTTPやSMTPなどは、すぐに閲覧ページ名やメール本文を送るのでなく、まずDNSでIPアドレスを知って、次にそのIPアドレスを用いて閲覧ページ名やメール本文を送るという2段階の操作になります。
DNSでは、IPでの受信先サーバまでの経路探索のような複雑な探索が必要になります、そのためのDNSサーバは、ドメインの管理体系による権威DNSサーバと以前の探索結果を保存するDNSキャッシュサーバがあり、それらをうまく組み合わせて効率化を図っています。
HTTPは,WebブラウザとWebサーバとの間でのデータ交換のための通信プロトコルです。Webページ閲覧は、通常はHTTPで行われます。
電子メールの仕組みは郵便と比較するとわかりやすいでしょう。
近年、Webブラウザから電子メールを送信したり、受信した電子メールをWebブラウザで表示したりするWebメール(HTTPメール)が多くなってきました。
これは、Webページ閲覧と電子メールの中間のような位置づけになります。その特徴について学習します。
アプリケーションプロトコルは多様です。Webページ閲覧や電子メールだけでなく、多くの分野でそれぞれのプロトコルがあります。それらは、該当する章で扱います。ここでは、次のプロトコルを対象にします。