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人材育成

キーワード

人材育成、CDP、HRM、OJT/OffJT、e-ラーニング、ゲーミフィケーション、情報リテラシー、ITSS、ETSS、UISS、共通キャリア・スキルフレームワーク(CCSF)、知識体系(BOK)、人材モデル、スキル、iCD(i コンピテンシ ディクショナリ)、情報処理技術者試験


人材育成システム

CDP(Career Development Program、経歴開発計画)

IT技術者のキャリアアップは、IT技術者本人にとっても、企業にとっても重要な事項です。これはIT業界に限定せず、全業界に共通する経営課題です。それで、近年、CDPという概念が注目されています。

CDPとは、社員の自主的な能力開発に併せて教育や人員配置などを行い,人材の育成を図る技法です。社員と企業がよく話し合い、社員の希望、企業ニーズ、業界動向など多面的な観点から、長期的・短期的な目標を設定し、PDCAサイクルにより達成する仕組みです。
 IT業界は、環境変化が激しいので、適切なCDPを作成するのが困難なことが多いといえますが、逆にそれだからこそ、CDPを検討することが重要なのだともいえます。

HRM(Human Resource Management::人材管理)

社員の能力を最大限に引き出すためのキャリアパスの設定,教育・育成,スキル管理などを総合的にマネジメントする経営手法をHRMといいます。
 コンピュータ活用の初期段階から、「人事管理システム」は構築されていました。しかし、その内容は給与計算や履歴記録など単なる事務的な処理が主でした。それが、人材活用が重視されるとともに、戦略的な分野に活用されるようになりました。


育成方法

OJT/OffJT

知識やスキルを習得させる方法は、大きく2つに区分されます。

OJT((On-the-Job Training)
職場内訓練。現在担当している業務の実践を通じて,業務の遂行に必要な技術や知識を習得させる教育訓練の手法です。
上司や先輩が,計画的に業務上の仕事を通して必要な知識や技術を修得させます。
OffJT
職場を離れての訓練。研修会,講演会,学習会など。 e-ラーニングもその一つ。

e-ラーニング

コンピュータを使用した学習支援をCAI(Computer Assisted Instruction)といいます。
 CAIを基礎にして、インターネットなどの環境により学習する形態をWBT(web-based training)といいます。
 e-ラーニングとは、WBTのこと、あるいはWBTを発展させた学習システムで、

簿記やプログラミングなど汎用的な分野の教材は、教材作成業者が開発したものがあります。自社独自の分野に関しては、学習教材のデジタル化、インターネットでの学習方法の作成、学習・成績管理を行う機能などを統合化したe-ラーニング開発ツールがあります。

e-ラーニングは、企業でのOffJTとしてだけでなく、生涯教育での有用な手段とされています。高等教育(大学等)では、授業の教材一式をWebページで公開するOCW(オープンコースウェア)が広まってきました。

ゲーミフィケーション

コンピュータ・ゲームのゲームデザイン要素やゲームの原則をゲーム以外の物事に応用することです。
 コンピュータ・ゲームは人々を熱中させます。コンピュータ・ゲームのノウハウをe-ラーニングに応用すれば、大きな動機付けになり、楽しく意欲的に学習できるようになります。

コンピュータ・ゲームでは、次のような仕組みにより参加意欲を高めています。


情報教育

情報リテラシー

一般利用者を対象したIT活用能力は、次の3段階に区分できます。

コンピュータリテラシー
ワープロソフトや表計算ソフトの利用、メール交換やWebページの閲覧、業務システムでのデータ入力などができる能力です。
これは「できないと困るが、できたといってもたいしたことではない」能力であり、企業が求めているのは、さらに進んだ能力です。
情報リテラシー
情報リテラシーとは、情報技術を利用して業務遂行のために情報を活用することのできる能力です。
情報システムに保存されている過去の営業実績データを分析して業務に活用するなど、社内のデータベースやインターネットの情報などを分析することにより、業務に役に立つ情報に加工できる能力です。
ビジネスリテラシー
ビジネスリテラシーとは、業務改善や業務改革を実現するために、ITをどのように適用すればよいかを示すことができる能力です。これも情報リテラシーに含めることもありますが、質的に異なるリテラシーです。

情報倫理

IT活用能力だけでなく、情報通信社会において必要とされる道徳やマナーを理解し遵守する教育が必要です。
 利用部門の人がSNSやWebサイトに投稿する機会が増大してきました。誹謗・中傷、プライバシ侵害、反社会的発言をしないこと、セキュリティに関心を持つことなどの教育が重要になります。
 IT適用分野が拡大し、システムの誤動作や脆弱性が人命や社会インフラに直接に影響するようになりました。IT技術者の育成にあたっては、職業倫理としての情報倫理を理解させることが重要です。

詳細:IT活用能力


スキル標準

IT技術者の育成や評価にあたっては、職種区分(対象人材)と、それに必要な知識経験の内容とレベルを明確にすることが必要です。しかも、個別企業に限定しない標準的な共通の物差しが求められます。

ITSS・ETSS・UISS

IT技術者の職種(業務)を分類して、必要なスキルを示した3基準があります。

ITSS(IT Skill Standards)
主にエンタプライズ系ソフトウェアのIT技術者を対象にしています。
主に、ベンダ企業での業務とシステム開発工程の分類に従って職種を設定し、それぞれに求められる知識・スキルとレベルを示したものです。
詳細:ITSS
ETSS(Embedded Technology SS)
組込みソフトウェアの分野での技術者を対象にしています。
組込みソフトウェア分野が急速に成長してきました。ここでの技術はエンタプライズ系とはかなり異なるため、新基準を策定したのです。「スキル基準」「キャリア基準」以外に人材育成を目的とした「教育研修基準」の3つの基準からなっています。
詳細:ETSS
UISS(Users' Information Systems SS)
主にユーザ企業のIT部門技術者を対象にしています。
ITSSの「職種」に相当する区分を「人材像」としており、その人材像とタスク(業務)を結び付け、人材像とスキルレベルを設定しています。
詳細:UISS

共通キャリア・スキルフレームワーク(CCSF)

共通キャリア・スキルフレームワーク(CCSF:)は、これらの3基準を包括的に再編成して、異なるIT業種を横断した各職種に求められるスキル・知識やレベルの異同を明確にして、
  ・IT人材の学習や成長の目標
  ・IT人材評価の標準化
  ・自社IT人材の育成計画
に役立てることを目的にしています。
 共通キャリア・スキルフレームワークによりITSSなどがなくなるのではなく、ITSSの適用が適切な企業はITSSを使うことができます。逆に、企業内でIT部門やユーザ部門のIT技術者を流動的に育成したい場合などには、共通キャリア・スキルフレームワークを参照するのが適切です。

共通キャリア・スキルフレームワークは、3つの側面を示しています。
 ・タスクモデル(仕事の定義)機能や役割no  ・人材モデル(役割分担の例示)職種や人材像の体系化
 ・スキルモデル(タスク人材像に求められる能力を定義)

人材モデル

基本戦略系人材
ストラテジスト
経営の各種課題をITにより解決するための基本戦略を立案する人材
ソリューション系人材
情報システムの設計、開発、運用を担当する人材で、次の人材像に区分されます。
システムアーキテクト
ビジネス戦略に対して最適なシステムをデザインする人材
サービスマネジャー
継続的な高い信頼性を確保しつつ、システムを維持する人材
プロジェクトマネジャー
与えられた制約条件(品質、コスト、納期など)のもとで、信頼性の高いシステム構築を総括する人材
テクニカルスペシャリスト
データベースやネットワークなどの特定分野の技術を持つ人材
クリエーション系人材
クリエーター
新たな要素技術の創造等により社会・経済にイノベーションをもたらす人材
その他
エデュケーション
IT教育に従事する人材など

スキルのレベル

共通キャリア・スキルフレームワークは、人材像ごとに経験やスキルにより7つのレベルにランクづけして、同一レベルなら他の類型でも同等の価値があるように、スキル内容を設定しています。

詳細:「共通キャリア・スキルフレームワーク」

共通キャリア・スキルフレームワーク第一版・追補版

CCSFは2008年公表でしたが、2012年に追補版が公表されました。
 セキュリティ関連の人材が重視されてきたこと、CCSFでの知識体系(BOK)が大幅な項目追加があったことなどがありますが、CCSFをもっと使いやすくするするためのツール提供が必要になったからです。

iCD(i コンピテンシ ディクショナリ)

CCSFを使いやすくするための手段はCCSF増補版でも行われましたが、iCDではそれをさらに抜本的に行うもんです。IT人材および人材育成者が活用できる人材育成関連ツールとして位置づけられます。
 企業においてITを利活用するビジネスに求められる業務(タスク)と、それを支えるIT人材の能力や素養(スキル)を「タスクディクショナリ」、「スキルディクショナリ」として、それぞれ辞書のように参照できる形で構成立てて体系化したものです。「タスクディクショナリ」は、タスク3階層と評価項目の計4階層、「スキルディクショナリ」はスキル3階層と知識項目の計4階層で構成されています。

iCDでは、CCSFに次の追加をしています。
 セキュリティやクラウド、データサイエンスなど新時代のビジネスモデルに求められるタスクやスキル、、職種が新たに追加されました。
 ITILやPMBOKなどの各種標準、CCSFの知識体系(BOK)との参照性を重視しています。

教育内容とスキル向上が具体的に結びつくことも目的にしています。
 学生などを含むIT技術者個人に対しては、スキル向上における目標を明らかにすることができるように、具体的なスキルやスキルと仕事の関係を明らかにしています。
 教育・研修サービス提供機関には、iCDで定義したスキルにもとづいた教育を提供できるような仕組みを提供しています。

情報処理技術者試験

スキルには、知識として持っていることと、実務に従事して得る経験があります。情報処理技術者試験は主に知識を判定するものです。例えば、高度情報技術者試験に合格すればレベル4に判定されますが、レベル5以上だと評価されるにはCCSFでのスキルレベルで評価することになります。

情報処理技術者試験の体系を、CCSFの人材モデルと対比して示します。
 情報処理技術者試験のうち午前の出題範囲は、CCSFの知識体系に準拠しています。各試験について、知識体系の各項目からの出題数が表示されています(知識体系では具体的な出題内容を示すものではありませんから、知識体系そのものを理解すれば合格するのではありません)。

  情報処理技術者試験                   CCSF人材
    高度情報技術者試験
      ITストラテジスト試験(ST)         ストラテジスト
      システムアーキテクト試験(SA)        システムアーキテクト
      プロジェクトマネジャー試験(PM)       プロジェクトマネジャー
      ネットワークスペシャリスト試験(NW)    (テクニカルスペシャリスト)
      データベーススペシャリスト試験(DB)    (テクニカルスペシャリスト)
      エンベデッドシステムスペシャリスト試験(ES) 
      ITサービスマネジャー試験(SM)       サービスマネジャー
      システム監査技術者試験(AU)
    応用情報技術者試験(AP)
    基本情報技術者試験(FE)
  (ITを利活用する者)
    ITパスポート試験(IP)
  情報処理安全確保支援士試験(SC)
                               クリエータ
                               エデュケーション