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IT活用能力

キーワード

コンピュータリテラシー、情報リテラシー、ビジネスリテラシー


業務にITが深く関わってくると,ITの活用能力が求められるのは当然です。
 しかし、企業が求めているのは、単なるパソコンなどの操作技能だけではありません。総務省『勤労者のICT利用状況調査』(平成18年)では、情報化によって必要となる能力を下図のように示しています。

情報化によって重要になる能力

この図での円周の部分は著者が加筆したものです。ITを使いこなす能力を、コンピュータリテラシー、情報リテラシー、ビジネスリテラシーに区分しました。一般社員クラスと部長クラスとの違いが、この順に大きくなっています。すなわち、求められる人材像とは、コンピュータリテラシーがあるのは当然で、それに加えて、情報リテラシーやビジネスリテラシーを持っている人材であるといえます。

コンピュータリテラシー
ワープロソフトや表計算ソフトの利用、メール交換やWebページの閲覧などができる能力です。業務にITが深く関わってくると、ITの活用能力が求められるのは当然です。その利用内容は、ワープロソフトや表計算ソフトの利用(事務処理の生産性向上)、メール交換やWebページの閲覧(情報収集と発信)が主ですが、平均して1日に4~5時間パソコンを使っているとの調査もあります。そのため、パソコンに習熟していると、就職や転職に有利だといわれています。 (図表)

しかし、これは「できないと困るが、できたといってもたいしたことではない」能力であり、企業が求めているのは、さらに進んだ能力なのです。

情報リテラシー
情報リテラシーとは、社内のデータベースやインターネットの情報などを分析することにより、業務に役に立つ情報に加工できる能力です。また、それを上司や客先などに適切に説明できるプレゼンテーション能力です。これらは、与えられた業務を効果的に行うのに必要な能力です。
ビジネスリテラシー
ビジネスリテラシーとは、業務改善や業務改革を実現するために、ITをどのように適用すればよいかを示すことができる能力です。この能力を発揮できることにより、はじめてITを使いこなしているといえるのです。そして、企業が真に求めているのは、このビジネスリテラシーなのです。 (図表)

ユーザ企業では,IT部門が積極的な提案や企画をしないことに大きな不満を持っています。それに対処する人材として,システムを開発・運用する技術者よりも,ITの企画ができてリーダーシップを持つ人材,すなわちビジネスリテラシーを持つ人材を求めているのです。


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