ITSS(、ITスキル標準)とは、主に情報サービス企業を対象にしていますが、IT部門をもつユーザ企業、教育機関でのIT教育にも利用できるとされています。国のIT人材育成政策にも利用されています。
2006年の初版公開以来、各種の国際規格や国際標準に合わせ、また、共通キャリア・スキル標準との整合性をとるための改訂が行われてきました。現在は
IPA「ITスキル標準V3 2008」になっています。
その構成は、次の通りです。
・1部 概要編: 適用範囲・基本構造・構成要素解説
・2部 キャリア編: キャリアフレームワーク・職種の概要・達成度指標
・3部 スキル編: スキルレベルの定義と、最小かつ必須の条件
・附属書: ITスキル標準活用のための資料を体系化
ITベンダ企業の多くはユーザ企業からシステムの開発や運用を受託する業種です。そのプロセスと職種の対応は次のようになります。
人数比率は、およそ次の通りです。
(図表)
・マーケティング~ITアーキテクト:15%
・プロジェクトマネジメント~ソフトウェアデベロップメント:70%
・ITサービスマネジメント~エデュケーション、その他:15%
ITSSでは、職種をさらに専門分野に細分化し、各専門分野に、共通キャリア・スキルフレームワークでのレベルに準拠した7段階のスキルレベルを定義しています。
例えば、コンサルタントではレベル4以上でないと実際には通用しないし、ソフトウェアデベロップメントではレベル7を要求されることは稀であるとして、それぞれレベルの上下限を設けています
ところが、実際にはスキルレベルは低い状態です。プロジェクトマネジメントやコンサルタントなどと名乗ってはいるが、スキルレベルでは定義されていないレベルが過半数な状態です。 (図表)