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Web2.0とビジネス

キーワード

Web2.0、マッシュアップ、ロングテール現象、パレートの法則


2000年代中頃になると、Web利用の状況が全般的に従来とは質の異なる状況に変化してきたことが認識され、Web2.0といわれるようになりました。これは特定の技術や利用環境を指すものではなく、Web利用の第2世代というような意味で用いられます。

参加型Web
Web2.0の特徴の一つとして、利用者参加型のWebが増大したことがあげられます。従来のWebページは、作成者から閲覧者への一方通行でした。掲示板など、閲覧者からの発信手段がありましたが、限定的なものでした。
それに対して、最近ではブログやSNS(Social Networking Service)などの利用が急速に増大しています。これらは、閲覧者からの発信を予定したもので、参加型Web、双方向Webだといえます。
ポータルサイトの変化
検索エンジンやバーチャルモールなどのポータルサイトは、Web利用で重要な存在です。無料の乗換えサービス、地図サービスやグループウェアサービスなどは、すでに一般化していますが、それがさらに高度化、多様化してきました。無料オンラインストレージサービス、ワープロ・表計算ソフトサービス、各種アプリケーションサービスなどが、Webから無料で利用できるようになりつつあります。
 この動向が進むと、情報環境が通信回線の「こちら側(パソコン)から向こう側(Web)へ」と大きく変化することになります。このような無料サービスは、2010年頃にはパーソナルクラウドと呼ばれるようになりました。この動きは、ソフトウェア業界だけでなく、社会的にも大きな影響を与えるでしょう。

ビジネスでの変化

Web利用環境の変化は、Webを活用したビジネスに大きな変化を及ぼしています。

マッシュアップ
例えば旅行の計画をするとき、列車予約と旅館予約の両方が必要になりますが、JRや私鉄、個別の旅館のサイトをいちいち調べるのでは大変です。また、それを統合するサイトとしては、鉄道会社や旅館からデータを提供してもらい、それを編集してWebページにする作業は大変です。
 これを解決するためには、各社が予約サービスのインタフェースを標準化しておくこと、各社の予約サービスの存在をまとめたデータベースがあること、それを簡単な操作で利用できる標準化がなされていることなどが必要になります。
 このように、ネットワーク上に分散した複数のサービス要素の集合を一つのサービスとして提供することをWebサービスといいます(参照:「Webサービス」)。Web2.0では、それが急速に発展してマッシュアップと呼ばれるようになりました。
 例えばグーグルでは、地図情報のインタフェースを公開しています(Google Maps API)。それにホテルやレストランの情報を組み合わせれば、旅行案内サイトが構築できます。このように、他人のシステムを組み合わせたり編集したりして独自のシステムを構築することが容易になり、新しいビジネスが出現するようになります。
ロングテール現象
「売上の80%は、上位20%の商品により得られる」ことは、80:20の法則あるいはパレートの法則としてよく知られています。従来のマーケティングでは、上位20%の商品を重点にすべきであり、残りの80%の商品(長い尾の意味で、ロングテールという)を在庫するのは無駄であるといわれてきました。いわゆる売れ筋・死に筋の考えかたです。(参照:「売れ筋商品と死に筋商品」
 たしかに、スーパーやコンビニなどで有形の実商品を取扱うのであれば、限られた売場面積の有効利用や在庫費用の削減が重要なため、この考え方は適切です。ところが、インターネットでソフトウェアや音楽など無形のデジタル化された商品を販売するのであれば、その在庫費用も販売費用もあまりかかりません。書籍でも、それがデジタル化されていれば同じです。また、有形の商品の販売でも、インターネットで取次ぎをするだけなら、商品種類が多くても費用はあまりかかりません。
 インターネットのように、多様な関心を持つ多数の顧客を対象にしたときには、ロングテールの売上比率がかなり高いことが知られており、それをロングテール現象といいます。
 その有名な例が、Amazon.comの書籍販売の例です。同社のインターネット販売では、通常の書店で取扱っていないロングテールの書籍の売上が、全体の1/3を占めているといわれています。

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