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IT技術者のキャリアアップ


客先の経営者との関係が密接な職種、高いスキルレベルが給与も高い (図表) し、やりがいを感じる割合が高く (図表) なります。 それで、IT技術者は、そのような職種への移動を希望しています。 (図表)

便宜上、職種を次のように大別します。
  超上流工程職種=コンサルタント+ITアーキテクト
  システム開発職種=プロジェクトマネジメント+ITスペシャリスト
        +アプリケーションスペシャリスト+ソフトウェアデベロップメント
  運用・保守職種=ITサービスマネジメント+カスタマーサービス
  営業職種=マーケテイング+セールス
  その他職種=エデュケーション+品質管理など

システム開発職種は、全体の2/3程度を占めています (図表) 。ここでの花形職種はプロジェクトマネジメントで、他のシステム開発職種や運用・保守職種の当面の目標はプロジェクトマネジメントです。
 最終的な目標としての職種はコンサルタントです。超上流工程職種の割合は現状では10%未満ですが、その多くの希望者がおり、年齢があがるにつれてコンサルタントを希望する比率が高くなります。

スキルレベルの向上も必要です。レベル3以下のコンサルタントやプロジェクトマネジメントでは困ります。アンケート調査では、目標としているスキルレベルはかなり高い (図表) のですが、実際のスキルレベルはかなり低い状態です。 (図表)

目標と現実のギャップが大きい理由として、キャリアアップやスキルアップを本気で考えている人もいれば、希望しているだけで努力をしていない人もいるからです。将来のキャリア目標をもっている人は数%にすぎず、「どちらかといえば」を入れても半数以下で、自己努力をしている人はそれ以下だいう調査もあります。 (図表・目標) (図表・努力)

では、どのような分野の知識やスキルを向上させたいのでしょうか?
 IT技術者は「技術者」ですから、技術力の向上が第1義です。とかく情報技術というとプログラミングや情報理論などと思いがちですが、実際には実務で注目されている分野-ネットワークやセキュリティなど-が重視されています。 (図表)

プログラミングは、20代の頃には重要視されるのですが、年齢が上がるにつれて重視されなくなります。プログラミングに従事することが少なくなるし、それを必要とする職種を希望しないからでしょう。
 逆に、年齢とともに分野を横断した幅広い技術が重視されるようになります。ITアーキテクトには必須ですし、プロジェクトマネジメントにも必要です。

超上流工程職種として適切なシステムを提案したり、プロジェクトマネジメントとしてシステム開発を円滑に遂行するには、ITの技術力だけでなく、顧客の業務に関する知識や対話能力が重要になります。 (図表)
 しかも、IT技術者は、技術分野では自信があるのですが、業種・業務の知識や対話能力が不足していると感じているのです。 (図表)

能力向上と転職希望

技術力のうち、新技術の動向や理論、プログラムの習得などは、図書(Webも含む)を読んだり研修に参加したりして習得できますし、プログラミング言語をパソコンにインストールして練習できます。
 しかし、大規模データベースやネットワークなどの実務的な技術を習得するには、その環境を設定する必要があります。独力で習得するのは困難で、実務を通して習得するか、会社が研究用として整備してくれなければできません。
 会社がそのような業務を受託して、あなたをそれに従事させてくれるか、研究投資をするだけの余裕があるかどうかは、会社の事情で左右されます。プログラミング受注を主としている下請企業で、コンサルタントやプロジェクトマネジメントの立場を経験する機会は少ないでしょう。
 コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力は、個人の素質にもよりますが、経験により向上するので、そのような機会が少ないと実践的な能力になりません。

このような能力は仕事を通して向上するのが理想ですが、なかなか思い通りにはならないのが実情です。 (図表)
 そのため、「年齢相応に要求される職務経歴や自分の能力に自信がない」「自分の能力を最大限に活かして仕事をした経験がない」という不安が起こります。

30歳代中頃までにプロジェクトマネジメントさらにはコンサルタントへの職種転換をするのが適切だといわれています。そのためには、30歳頃までに目標を立て、30歳代前半で、準備を進める必要があります。
 IT技術者は転職が多いといわれますが、能力アップの機会を求めることが大きな理由になっているのです。 (図表)

CDP

IT技術者のキャリアアップは、IT技術者本人にとっても、企業にとっても重要な事項です。これはIT業界に限定せず、全業界に共通する経営課題です。それで、近年、CDP(Career Development Program、経歴開発計画)という概念が注目されています。

CDPとは、社員の自主的な能力開発に併せて教育や人員配置などを行い,人材の育成を図る技法です。社員と企業がよく話し合い、社員の希望、企業ニーズ、業界動向など多面的な観点から、長期的・短期的な目標を設定し、PDCAサイクルにより達成する仕組みです。
 IT業界は、環境変化が激しいので、適切なCDPを作成するのが困難なことが多いといえますが、逆にそれだからこそ、CDPを検討することが重要なのだともいえます。

HRM

社員の能力を最大限に引き出すためのキャリアパスの設定,教育・育成,スキル管理などを総合的にマネジメントする経営手法をHRM(Human Resource Management)といいます。
 コンピュータ活用の初期段階から、「人事管理システム」は構築されていました。しかし、その内容は給与計算や履歴記録など単なる事務的な処理が主でした。それが、人材活用が重視されるとともに、戦略的な分野に活用されるようになりました。


理解度チェック: 正誤問題選択問題記述問題