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情報システム調達契約での問題点 選択問題


  1. システム仕様書が合意され開発を進めている途中で、「出荷」の意味が発注者とベンダとで異なっていることがわかり、開発の手戻りが発生した。それによる費用増加の負担について、最もてきせつなものはどれか。

    • ア これは業務要件が明確でないことに起因しており、業務要件作成は発注者の作業であるから、発注者が負担すべきである。
    • イ ベンダは、このような誤解を生じることを経験で知っているはずであり、契約での費用にリスク対処費用を見込んでいるのだろうから、ベンダが負担すべきである。
    • ウ 双方の誤解によるものなので、折半するのが常識的である。
    • エ 契約で明確になっていない限り、どちらが負担すべきかは判断できない。双方で相談して合意するか、裁判にかけることになる。

    【解答】

    正解:エ

    契約がすべてに優先する。契約で明記されていない事項はなんともいえない。
    参照:情報システム調達契約での問題点

  2. 情報システムの外部調達に関する記述のうち、最も適切なものはどれか。

    • ア 新規技術を利用すれば必ずメリットがあるし、それを提案しているベンダは、技術力が高いと想定できるので、他の条件に大きな違いがなければ、その提案を採用するのがよい。
    • イ ベンダは、業務要件を満足する情報システムを納入すればよく、その実現方法はベンダに任されているので、ERPパッケージやSaaSを利用するかどうかは、ベンダの一存で決定してよい。。
    • ウ 大規模システムの場合、ベンダは下請を利用することが多いが、下請を使うかどうかはベンダ内部のことであるから、発注者はそれに介入することは不適切である。
    • エ 契約で取り決めがない場合は、ベンダが作成したシステム仕様書、完成した情報システムの著作権はベンダに帰属する。

    【解答】

    正解:エ

    アは×。新規技術は不安定なことが多い。信頼性が重要な場合には「枯れた」技術を用いるほうが適切な場合もある。
    イは×。このように重要事項は提案書で記述すべき。当然、システム仕様書でも記述があるはず。
    ウは×。発注者にとって不適切な下請が起用される危険がある。下請を利用する場合、発注者の承認を得る契約にすべき。
    エは○。著作権法で定められている。これでは困るので、契約での取り決めが重要
    参照:情報システム調達契約での問題点

  3. 情報システム開発の契約について、現状とは最も合致していないものはどれか。
     ア 開発する情報システムの仕様があいまいなままに契約することが多い。
     イ 第三者ソフトの欠陥により開発に大きな変更が生じたときの費用負担が不明確なことが多い。
     ウ 請負契約と派遣契約を明確に区別することが困難なことが多い。
     エ 成果物の著作権の帰属について、詳細に規定することが困難なことが多い。

    【解答】

    正解:ウ

    「適切」であるかどうかではなく、現状でこのようなことが広く行われているかどうかで判断すること
    アは○。それで後工程になってから変更が発生してトラブルのもとになる
    イは○。本来、契約で明確にしておくべき
    ウは×。指揮命令権がどちらにあるかで明確
    エは○。その情報システムのために作成したのか、既存のものを転用したのかなど
    参照:情報システム調達契約での問題点

  4. システム開発の全工程を一括契約すると、契約時の費用と実際に要した費用の間に差異が生じて、発注者と開発者の間に不満が生じることを何というか。
     ア 222の法則  イ 2423の法則  ウ ベームの法則  エ ブルックスの法則

    【解答】

    正解:イ

    アは×。計画した2倍の費用と時間がかかり1/2の機能しか実現できない
    イは○。
    ウは×。開発工数は規模に対して指数的に増加する
    エは×。遅れているソフトウェアプロジェクトへの要員追加はさらに遅らせるだけだ
    参照:「2423の法則」 (kj2-2423