費用対効果、項目列挙法
次のように、評価項目に重みをつけ、それの改善度を例えば5段階法で与え、その合計を効果とするものです。項目列挙法とかスコアリング法といいます。多様な観点から項目をあげ、項目間の関連を明確にするためにバランススコアカードの方法を援用することもありますが、基本的には同じような評価方法になります。
次のような表を作成して評価します。
評価項目 重み 効果 重み×効果
情報伝達の迅速化 20 4 80
情報の共有化 30 3 90
情報活用の容易化 30 2 60
組織文化の改善 20 2 40
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合計 270
この方法を用いるときの留意点を示します。
この方法には、次の限界があります。
・合計値の絶対値には特別の意味がない。
そのため、同一評価項目による複数案からの選択には使えるが、単独案の評価には使えません。
単独案の評価に用いるのであれば、効果を金額換算する必要があります。
・項目の設定、重みの設定、効果予測に主観が入りやすい(現実の問題点)。
現実の場では、評価を行う以前から賛否を決めている賛成派と反対派が存在します。賛成派は、実現しやすい項目を選択し重みを大にしますし、効果予測でも甘い予測をします。反対派はそれと逆の行動をします。そのため、「正しい」評価ができるというより、誰が賛成派なのか反対派なのか、その主張は何かを知るための方法になってしまうことが多いのです。
いろいろな機関が「標準モデル」を示しています。しかし、「標準」ですから、個別の投資案にそのまま使うのは不適切なので、そのリストから取捨選択することになります。その取捨選択が主観で行われるのですから、同じことになります。
後述のように、評価表や議事録を事後評価や説明責任に用いることにより、賛成派・反対派の我田引水的な行動を牽制することができます。
だからといって、この評価方法が無意味だというのではありません。このようなモデル化をすることにより、次の効果が得られます。