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ポーターの競争戦略理論

ポイント

経営戦略には競争という概念が重要です。ここでは,ポーターの競争理論を紹介します。

キーワード

ポーター,競争戦略,競争要因,価値連鎖(バリューチェーン)


競争戦略の種類

ポーターは、競争優位を構築しうる競争戦略には,以下の三つの戦略があり,それぞれアプローチが異なることを示しました。

コスト・リーダーシップ戦略
他社よりも低コストで生産・販売することにより,マーケット全体において,競争優位を確立します。リーダーあるいはフォロワーに適した戦略です。
差別化戦略
自社製品を性能や品質あるいはブランドなどの面で差別化を行うことにより,マーケット全体において競争優位を確立します。チャレンジャーに適した戦略です。
集中化戦略
マーケット全体を対象にするのではなく,市場を地域に限定したり特殊な製品に絞るなどにより,そこに経営資源を集中させることで競争優位を確立します。ニッチャーの戦略です。

競争5要因(ファイブフォース分析)

ポータは,経営戦略には競争の概念が重要であり,その要因として,同業他社,売り手,買い手,新規参入,代替製品を5つがあることを示しました。

ポータの5競争要因の図

とかく競争というと同業他社だけを考えがちですが,この間の競争は,従来から理解しているルールに従った競争ですから,劇的な変化はありません。
 売り手とは供給業者,買い手とは市場と考えてもよいでしょう。これには,相手との交渉力で優位にたてるかどうかと,他の競争者よりも優位な相手を持っているかの二つの競争があります。
 影響が劇的なのは新規参入と代替製品です。前者では海外企業や異業種からの参入です。彼らは従来とは異なるルールでの競争をしかけてきますので,これまでの優位性が一挙に崩れることもあります。後者では,CDプレーヤーによりレコードが駆逐されたように,これまでのコア・コンピタンス自身が無意味になってしまうことがあります。
 なお,最近ではこれにチャネル(製品を生産し販売するための企業間連携など)を加えることが多くなっています。

価値連鎖(バリューチェーン)

企業活動とは,原料入手-製造-製品販売などのモノに直接関係する主活動と,それを支える人事や経理などの支援活動がありますが,それは図のような流れになっています。その個々のチェーン(活動単位)で付加価値を高めるのだと考えることができます。これを価値連鎖(バリューチェーン)といいます。活動単位での付加価値を分析することにより,全体の付加価値を上げるにはどの活動単位に経営資源を傾注するべきかを考えます。

価値連鎖の図

ポータの競争理論は,情報システムに大きな影響を与えました。競争優位を確立するために,情報技術を活用することが重要だとされて,SIS(戦略的情報システム)の概念が普及したのです。


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