カメラ付き携帯電話の誕生と普及
- 1999年 「VP-210(VisualPhone)」
京セラ製、DIIポケット(現ウィルコム)
世界で初めて市販されたカメラ付き携帯電話(PHS)
撮像素子はCMOS、約11万画素。2インチの反射型TFTカラー液晶
テレビ電話用の携帯電話だったので、カメラのレンズが液晶面側にあり自分しか撮ることができなかった。
参照:「インプレス InternetWatch「京セラ、TV電話つきPHS「VP-210」を7月末に販売」
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/1999/0517/vp210.htm
- 2000年 「J-SH04」
シャープ製、Jフォン(現・ソフトバンクモバイル)
携帯の背面にカメラのレンズが付き、自分撮りもできるようにレンズの横に小さな凸面鏡を配置。
撮った写真をメールで送れる業界初のカメラ付き携帯電話。
- 2001年 「写メール」
Jフォン、シャープは、J-SH04のキャンペーンで撮影した画像を電子メールに添付できる「写メール」サービスを展開、大ヒットした。業界に大きなインパクトを与え、各社がすぐに追従した。
2001年 「TS11」三洋電機製、ツーカー
2002年 「A3012CA」カシオ製、au
2002年 「SH251i」シャープ製、NTTドコモ
その結果、日本国内において、2003年にはほとんどの携帯電話にカメラが標準装備されるようになった。
ノキア(フィンランド)やサムソン(韓国)などの海外メーカーもカメラ付きの携帯電話を開発したが、日本ほど関心をもっていなかったので、その普及度は日本が突出していた(韓国ではその後急速に普及する)。
カメラ付き携帯電話の発展
画素競争
VP-210やJ-SH04の画素数は11万程度であり、引き伸ばしてプリントするとかなり粗くなってしまい、カメラとしては玩具に近いものだった。それが、急速に画素数が増加し、2009年には1,200万画素に達し、コンパクトデジタルカメラと比較して遜色ないようになった。
- 100万画素:2003年「J-SH53」、シャープ製、J-フォン
撮像素子はCCD(CMOSより高価だが高感度・低ノイズ)使用。
最大画像1144×858。ディスプレイは2.4型QVGA(240×320ピクセル)/26万色表示
- 200万画素:2003年「V601SH]、シャープ製、ボーダフォン(現ソフトバンク)
ビデオカメラモードによりテレビで再生可能
- 800万画素:2008年「EXILIMケータイ W63CA / CA004」、カシオ製、au
顔検出オートフォーカス機能
- 1000万画素:2009年「AQUOS SHOT SH-06A/SH-07A」シャープ製、ドコモ
- 1200万画素:2009年「AQUOS SHOT SH003」シャープ製、au
付加機能競争
携帯電話のカメラは、必需品になってきた。それに応じて、カメラの使い勝手の改善のために、多様な工夫が採用されるようになった。
- 2002年 QRコードの認識機能。「J-SH03」、シャープ製、J-フォン
- 2003年 横撮りケータイ。「D505i」、三菱電機製、ドコモ
- 2005年 広角レンズ。「EXILIMケータイ W53CA」、カシオ製、au
- 2005年 手ブレ補正。「N902i」、NEC製、ドコモ
- 2005年 回転2軸方式。「V602SH」、シャープ製、ボーダフォン(ソフトバンク)
- 2006年 光学3倍ズーム。「910SH」、シャープ製、ソフトバンク
- 2007年 顔検出オートフォーカス。「N905i」、シャープ製、ソフトバンク