スタートページ> (主張・講演Web教材歴史インターネット個人利用

ブラウザとHTMLの歴史


概要

HTML、ブラウザの歴史年表

   HTML等 ----------- ブラウザ ---------------
         Explorer   Netscape    Opera    Safari     Chrome
   共通事項         Mozilla

1985 SGML(ISO)
1991 HTML1.0 (CERN)
1993          Mosaic
1994 W3C発足          Navigator 1
1995 HTML2.0   Explorer 1,2 Navigator 2  Opera 1.0
   第1次ブラウザ戦争勃発
1996 XML草案   Explorer 3  Navigator 3  Opera 2.0
1997 HTML3.1   Explorer 4  Navigator 4  Opera 3
1998 HTML4.01  Explorer 5  Mozilla発足  Opera 3.5
   XML1.0
2000 XHTML1.0         Navigator 6  Opera 4
2001 XHTML1.1  Explorer 6          Opera 6
2002              Navigator 7
2003              Firebird    Opera 7   Safari 1
2004 第2次ブラウザ戦争勃発  Firefox 1
2005              Navigator 8  Opera 8   Safari 2
                Firefox 1.5
2006       Explorer 7          Opera 9
                        Opera Mini
2007              Firefox 2          Safari 3
                Navigator 9
2008 HTML5初期草案       Firefox 3    Mobile Safari for iPhone Chrome 1
2009       Explorer 8  Firefox 3.5  Opera 10   Safari 4    Chrome 2,3
2010                      Opera 10.5  Safari 5    Chrome 4~11
             Firefox for Mobile 1.0 Mobile Safari for iPad
2011 HTML5最終草案 Explorer 9 Firefox 4                 Chrome 9,10
2012                                Android標準Browserβ版
2014 HTML5勧告
2015       Microsoft Edge
2021 HTML Living Standardを正式のHTML5に
2023      、Internet Explorerサポート終了

HTMLとマークアップ言語の関係

文章およびその一部分に特定の記号(タグ)を挿入して、文章の構造や修飾情報などを指定することにより、元文書をテキストファイルで表現できる。そのタグの意味や指定方法などの規則を標準化することにより、テキストファイルから元文書を復元することができる。その規則をマークアップ言語(Markup Language)という。
HTMLはマークアップ言語の一つである。HTML以外の代表的なマークアップ言語に、SGML、XML、XHTMLなどがある。SGML以外の標準化はW3C(World Wide Web Consortium)が行っている。
それらの関係の歴史的変化を大雑把に(必ずしも正確ではない)示す。

HTMLとブラウザの関係

HTMLはWebページを記述するための言語であり、HTMLに従って記述された文書をHTML文書あるいはHTMLファイルという。HTMLファイルはテキストファイル(プレーンなテキスト)である。それをWebページとして表示するのがWebブラウザである。ブラウザはHTMLファイルの中にあるタグを解釈して、CSSやJavascriptも参照してWebページを表示する。

HTML言語の仕様(標準仕様)はW3Cが定めているが、ブラウザはMicrosoft、Apple、Googleなどのブラウザ開発者が個別に作成している。
 W3Cの標準仕様は詳細部分や実装方法までは規定していないので、標準仕様での機能と特定のブラウザがもつ機能とは一致しないものもある。
 ・標準仕様のすべてをカバーしないこともある。
 ・標準仕様以外に拡張機能が使えるものもある。
 ・ブラウザにより解釈が異なることもある。
そのため、一般の利用者はブラウザを介してHTMLを理解することになり、当時の大きな懸案事項になっていた。

ブラウザは単にWebページを表示するだけでなく、「戻る」「保管する」「ページ内を検索する」など多様な機能を持っている。そのうち、表示に関する機能をレンダリングエンジンという。レンダリングエンジンが処理するのはHTMLだけではない。文字の大小や色など体裁を指定するCSS(Cascading Style Sheet)やJavascriptのようなプログラムもある。
一般の利用者は、レンダリングエンジンを単体で意識することはないが、ブラウザの開発者にとっては、レンダリングエンジンの開発や選択は大きな問題だった。

ブラウザのシェア

調査機関により、シェアの定義や測定方法が異なる、数値そのものではなく大まかな傾向として把握されたい。最近の状況は末尾「参考URL」参照。

世界でのシェア推移


出典:Wikipedia「ブラウザ戦争」
 http://ja.wikipedia.org/wiki/

出典:Wikipedia「ウェブブラウザの利用シェア」(top 5のみの比率)
 StatCounter「Global Stats Top 5 Browsers」

2012年20週目時点のシェア(モバイル関係は除く)


出典:田中善一郎「ブラウザの世界シェア、ChromeがIEを追い抜く」
http://zen.seesaa.net/article/270956385.htmlより抜粋作図

世界的には、Google Chromeが急速にシェアを伸ばしているのに対して、日本では未だInternet Explorerが50%以上のシェアを維持している。
日本のプレインストールされたパソコンを購入し、その環境を変更しない利用者が多いからであろう。


1990年代前半まで:ブラウザの出現

マークアップ言語出現以前

SGMLの歴史

HTMLの起源


1990年代後半:第1次ブラウザ戦争とHTML標準化

Netscape NavigatorとIntenet Explorer

HTMLの標準化


XML、XHTML

XMLの歴史

XHTMLの歴史


2000年代:現在のブラウザ勢力体制の確立

2000年代初頭:第1次ブラウザ戦争の終結

2000年代中頃:新ブラウザの出現、第2次ブラウザ戦争へ


2010年代:HTMLの新動向

HTML5

各ブラウザのHTML5機能の実装

各ブラウザは、正式仕様が決まる以前に、ほぼ確定している機能を先取りして実装するようになった。Google ChromeはAjaxやHTML5の動向に先行するために開発されたといわれるほど、先んじて対応した。
それに対して、Internet Explorerはバージョン8では対応せず、2011年のInternet Explorer 9以降で対応したが、他のブラウザと比較して不十分だった。そして、2015年にWindows 10に搭載する新ブラウザ Microsoft Edge を発表、HTML5に完全対応した。2023年、Internet Explorerはサポートを終了した。

HTML5の新仕様と運営組織の移管

 2004年 WHATWG発足
 2014年 W3C、HTML5勧告
 2017年 Microsoft、WHATWG参加
 2019年 W3C、HTML策定を中止表明
 2021年 HTML Living Standardを正式のHTML5に
     HTML運営組織をW3CからWHATWGへ移管

2004年、WHATWG(Web Hypertext Application Technology Working Group)発足。
HTML4の拡張を渋っているW3Cに反発した Apple・Mozilla・Operaの開発者たちが集まり、次世代HTMLを開発すべく立ち上げたコミュニティ。2017年にはMicrosoftも参加。

HTML5の策定当初は、WHATWGとW3Cは協力作業をしていたのだが、その後改訂を重ねる間に両者の意見対立が顕著になってきた。当初、Microsoft は唯一の W3C 派だったが、2017年にWHATWGに参加した。

HTML5はW3CのHTML5とWHATWGのHTML Living Standardが並立する状況になり、その統一が求められた。その状況において、2019年、W3C自身が、HTMLとDOMの策定をやめ、WHATWGに協力することを表明した。
その結果、2021年、W3CのHTML5が廃止され、WHATWG の HTML Living StandardをHTML5とすることになり、その後のHTMLの運営はW3CからWHATWGへ移管された。

新HTML5になり、若干の仕様改訂がなされたが、個人のWebページ作成に大きく影響する改訂はない。

スマートフォン用ブラウザの乱立

日本でのスマートフォンの普及は、2008年にAppleがiPhone 3GSを発表したことで広がり、2010年にGoogleがスマートフォンOSのAndroidを発表したことにより加速された。世界的にもこの頃からスマートフォン向けのブラウザが相次ぎ発表された。

2023年のスマートフォン用ブラウザのシェア

乱立していたブラウザであったが、次第に集約されてきた。

           日本 世界
  Google Chrome  62.4% 63.5%
  Microsoft Edge 22.7% 11.2%
  Safari      6.3% 13.0%
  Mozilla Firefox 6.2%  6.2%
  Opera      0.9%  3.7%

(注)OSはiPhoneとAndroidに集約

2020年頃、スマートフォンOSのシェアは、AppleのiPhoneとGoogleのAndroid系の2つに集約された。
2023年でのシェアは、次の通り(日本以外の主要国・地域で、iOSが高いのは台湾の51%のみ)

     iOS  Android その他
  日本 67% 33% 0.1%
  世界 28% 72% 0.7%

参考URL

HTML一般

ブラウザの歴史

ブラウザのシェア

HTML5