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ユーザビリティ(ISO 09241-11,JIS Z8521)

キーワード

UI、UX、HCD、人間中心設計、UCD、UXD、ユーザビリティ、ISO 09241-11、JIS Z 8521、ヤコブ・ニールセン、ゴール 5つの指標、ユーザビリティ10原則、電子政府ユーザビリティガイドライン、評価手法、ヒューリスティック評価法、回顧法、ユーザビリティテスト、思考発話法、認知的ウォークスルー、CMS


基本概念

UI/UX

UI(User Interface)
ヒトとモノ(機器やシステム)の間のインタフェースです。利用者にとっての理解のしやすさ使いやすさといってもよいでしょう。それをユーザビリティといいます。
パソコンでいえば、  CUI(キャラクターユーザーインターフェース):キーボード操作、フォントなど  GUI(グラフィカルユーザーインターフェース):マウス操作、アイコン、メニューなど に分けられます。  Webサイトでいえば、利用者がWebサイトを訪問したときの使いやすさのことです。画面のデザインやフォントなどの好感度、必要なページに到達するための適切なナビゲーション、誤解を生じないわかりやすい表示など、利用者とWebサイトの接点をよくすることです。
UX(User Experience)
ヒトがモノやサービスに触れて得られる体験や経験です。「使い勝手が良い」「目的のページに容易に達する」という利用者の評価だともいえます。
このWebサイトを利用して得られる経験や満足など全体的な概念です。魅力のある商品、注文にあたっての問い合わせシステムの整備、注文後の状況報告や納期、商品への満足など、Webサイトだけでなくサービス全体が対象になります。
健全なUXデザインとして、ピーター・モービル氏のハニカム構造が有名です。以下の7要素をValuableを中心としたハチの巣形で表現したものです。
  • Useful 役に立つ
    常に製品とシステムに有用であることを求め続ける勇気と独創性を持ち、保有している技術と手段を利用し、より有用性の高い革新的な解決策を定義する。
  • Usable 使いやすい
    ユーザーの目的実現に効率的・効果的なサポートを行う。
  • Findable 探しやすい、迷わずに目的地に辿り着ける
    ユーザーがほしい情報に辿り着けるような設計と、常に現在位置を確認できるような設計をする。
  • Credible 信頼できる
    提供するコンテンツに信憑性がある。ユーザーは提供されている内容に信頼できるかどうかの設計的要因を重視する。
  • Accessible アクセスしやすい、誰もが見られる
    ユーザーへの配慮を欠かさず行う。どのような状態の人でも利用できるようにする。
  • Desirable 好ましい・魅力的
    イメージ・アイデンティティ・ブランドなどの要素を含めた情動的なデザイン(Emotional Design)を駆使し、ユーザーに好感を持たせる。
  • Valuable 価値がある
    Webサイトはスポンサーに利益をもたらさなければいけない。非営利的な場合は、UXはミッションの実現を進行させる役割を持つ。営利的な場合は、UXは売り上げに貢献し、顧客満足度を上げる役割を持つ。
UIとUXの関係

HCD/UXD

HCD(Human Centered Design、人間中心設計)
UCD(User Centered Design、ユーザー中心設計)ともいいます。ほぼ同義語です。モノやサービスの設計段階からUIを重視するべきだとの考え方です。
 多くの分野で重視されていますが、特に高度情報化社会においては、インターネットなどの情報活用知識が社会生活のハンディになってはならないし、利用にあたってのトラブルを抑制することが重要です。それにはユーザビリティの向上が必要です。
UXD(User Experience Design)
モノやサービスの設計段階からUXを重視する考え方です。市場で競争力を高めるには顧客満足を向上させること、すなわち優れたUXの商品サービスを提供することが求められます。  例えば、Webサイトを構築するときに試作品あるいは他社の類似サイトをモニタに操作してもらい、その操作の実際や感想を記録分析して、顧客満足度を上げるような手段です。さらには、顧客の本来のニーズを探求して、自動車会社が「車を売る」ことから「ドライブの楽しさを売る」として体験を重視するなど経営戦略の変更にまで有効な手段だといわれています。

このように、UXのほうがUIよりも利用者満足に適した概念ですが、あまりにも対象により対処方法・手段が異なります。それで、多くの規格や基準は、UIおよびHCDによるユーザビリティや人間中心設計を主として、UXを部分的に取り入れたような範囲になっています。


ユーザビリティの定義

Webアクセシビリティが、Webページを閲覧するときに、高齢者や障害者がもつハンディキャップをなくすことであるのに対して、Webユーザビリティは一般の人が利用する際の便利さのことを指します。

ISO/JISの定義

ISO 09241-11JIS Z 8521(人間工学-視覚表示装置を用いるオフィス作業-使用性の手引き)では、ユーザビリティ(使用性)とは「特定の利用状況において、特定のユーザーによって、ある製品が、特定の目標を達成するために用いられる際の、有効さ、効率、ユーザーの満足度の度合い」と定義しています(ISO 09241 は以前には ISO 13407 とされていました)。

有効さ(Effectiveness)
ユーザが指定された目標を達成する上での正確さ、完全性
(やりたい作業を確実に達成できるか)
効率(Efficiency)
ユーザが目標を達成する際に、正確さと完全性に費やした資源
(作業を短い時間で達成できるか)
満足度(Satisfaction)
製品を使用する際の、不快感のなさ、及び肯定的な態度
(利用した人が、また利用してみたいと思うか)

ヤコブ・ニールセンの定義

ユーザビリティのゴール 5つの指標
  • 学習しやすさ(Learnability)
    システムは、ユーザがそれをすぐ使い始められるよう、簡単に学習できるようにしなければならない
  • 効率性(Efficiency)
    一度学習すれば、あとは高い生産性を上げられるよう、効率的に使用できるものでなければならない
  • 記憶しやすさ(Memorability)
    ユーザがしばらくつかわなくても、また使うときにすぐ使えるよう覚えやすくしなければならない
  • エラー(Errors)
    エラーの発生率を低くし、エラーが起こっても回復できるようにし、かつ致命的なエラーは起こってはならない
  • 主観的満足度(Satisfaction)
    ユーザが個人的に満足できるよう、また好きになるよう、楽しく利用できなければならない
ユーザビリティ10原則
  1. システム状態の視認性を高める
  2. 実環境に合ったシステムを構築する
  3. ユーザーにコントロールの主導権と自由度を与える
  4. 一貫性と標準化を保持する
  5. エラーの発生を事前に防止する
  6. 記憶しなくても、見ればわかるようなデザインを行う
  7. 柔軟性と効率性を持たせる
  8. 最小限で美しいデザインを施す
  9. ユーザーによるエラー認識、診断、回復をサポートする
  10. ヘルプとマニュアルを用意する

電子政府ユーザビリティガイドライン

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/guide/security/kaisai_h21/dai37/h210701gl.pdf

本ガイドラインは、中央官庁のオンライン申請システム等のユーザビリティに関して、効果的かつ継続的な向上を図るために、新規開発や保守をする際に、企画、設計・開発、運用及び評価の段階で利用することを目的としたものですが、一般のWebサイトにも適用できます。

本ガイドラインでは「共通設計指針」として、次の13項目を掲げています。

本ガイドライン(付属文書にも)では、モニター実験を実施するときの人選、アンケートや実験方法などに関しての解説もしています。
 また、本ガイドライン策定に先立ち、典型的な申告業務を対象に行った「電子政府ユーザビリティ基本調査」(2009年)は、その具体例として参考になります。


関連事項

ユーザビリティの評価手法

CMS(Content Management System)

Webサイトの管理、特にアクセシビリティ対策のツールとして、CMS(Content Management System)の採用が効果的です。

CMSとは、Webサイトの素材データとデザインやルールなどを一元管理するシステムです。CMSの持つ機能は、製品により、あるいは設定によりまちまちですが、一般的に次のような機能を持っています。
 このよう機能は閲覧者の立場からも効果的ですが、Webサイト管理者の立場でも、公開コンテンツの公開ルールの順守、コンテンツの作成や更新の管理、公開時の確認などの労力を改善することができます。

デザイン等の統合
各ページが統一されたレイアウトのWebページになります。ページ間のリンクが自動作成され、しかも統一した操作になります。それで、閲覧者が使いやすいサイトになります。
アクセシビリティ対策
例えば画像には自動的に代替テキストが付けられるなど、JIS規格等のルールが強制的に確保されます。さらには、使用禁止用語や個人情報などを検出して注意を促す機能もあります。
Webページ制作の知識不要
このように、誰でも一定のルールに従ったWebページが作成できますので、各部署で分担してWebページの作成・更新が容易になります。それにより、Webマスター(Webサイト構築管理者)の負荷が削減できますし、作成を通して職員のアクセシビリティやWebサイトへの意識向上にも役立ちます。
セキュリティ/責任の明確化
CMSでは、Webページの作成→承認→公開の作業の流れを制御します。決められた項目を決められた担当者が作成すると、承認者にその原稿が送付され、承認を得たら公開担当者に送付されて公開するという手続きがルール化されるのです。しかも、それらの状況がすべて記録されますので、セキュリティ/責任が明確になります。
素材管理
バックナンバー管理により、過去の記事を取り出すことができます。また、記事・写真などを部品化しておき、必要に応じて再利用することができます。
他システムとの連携
例えば毎月同じような統計データをグラフにしてWebページに掲げるとき、Excelデータを変更するだけで自動的にグラフが置き換わるような機能を持つCMSもあります。
 Webサイトの見出しや要約などを構造化して記述し、更新があったときに配信するサービスをRSSといいます。自治体でのRSSサービスが求められていますが、これらを自動化する機能を持つCMSもあります。