GAAP(Generally Accepted Accounting Principles) は「一般に公正妥当と認められた会計原則」のことです。会計基準とは、財務諸表を作成する際に従わなくてはならないルールです。
各国の法律で認められた会計基準があります。日本では、戦後すぐに定められた企業会計原則や、それを改訂した会計基準などがあり、現在では企業会計基準委員会(Accounting Standard Board of Japan、ASBJ)が運営しています。これらもGAAPであり、JGAAPとも呼ばれます。
同様に米国のものをUSGAAP、主に欧州で始まり、国際標準になろうとしているものにIFRSがあります。
グローバル化が進む中、各国でばらばらな会計基準を採用していたのでは困ります。それを解消するために、2001年にIASB(International Accounting Standards Board:国際会計基準審議会)が設立されました。そこで策定されたGAAPがIFRSです。
欧州諸国はIFRSを採用していますが、日本と米国は未だ自国のGAAPが残っており、IFRSへの移行が課題になっています。
IFRS(International Financial Reporting Standards)は、IASBが策定したGAAP(会計基準)の国際標準です。正式には国際財務会計報告基準と呼ばれます。
EUでは域内上場企業に対してIFRSの適用を義務づけるとともに、域外上場企業に対しても、2009年からIFRS又はこれと同等の基準の適用を義務づけています。
IFRSには次の特徴があり、日本での基準とは異なる部分があります。
海外市場に上場している企業は多いし、国内市場でも外国人投資家が多数います。この観点から、IFRSへの移行が重要な課題になっており、金融・証券関連法規の改訂・施行などを進めています。
このように、差異を段階的に縮めていくことをコンバージェンスといい、一挙にIFRSをそのまま自国基準として採用することをアドプションといいます。国はアドプションの方向で進めていますが、大企業を除き普及は未だ限定的になっています、
詳細:IFRSと移行の問題点