経済産業省「営業秘密管理指針改訂版」2010年
http://www.meti.go.jp/press/20100409006/20100409006-6.pdf
営業秘密は、不正競争防止法によって保護されています。この営業秘密管理指針は、その法律における営業秘密に関する事項を解説するとともに、実際に企業が営業秘密保護のために、どのような管理をするのが適切であるかを具体的に解説をしたものです。本指針は2003年に作成されましたが、その後の法律改正や環境変化に対応するために改訂されています。
2010年の改訂版は、2009年の不正競争防止法改正(2010年施行)に基づくとともに、法律成立時の附帯決議なども考慮した内容になっています。
- 処罰対象行為の明確化
不正競争防止法は数度の改正により、営業秘密侵害罪の導入、2005年改正による国外犯や退職者などへの対象者の拡大、目的要件の変更、営業秘密の不正な取得行為等への適用、罰則規定の法定刑の引上げなどが行われてきました。それらへの理解を周知徹底させることにしています。
- 事業者の実態を踏まえた合理性のある秘密管理方法の提示
処罰対象が拡大するのに伴い、労働者保護の観点から、労働者の正当な行為や日常業務が処罰対象とならないことを指針等により明確に示すことが必要です。不正競争防止法上の営業秘密としての法的保護を享受するためには、事業規模や情報の性質等に応じた合理性のある秘密管理を行うことで足りることを明確にするとともに、営業秘密と認められ得るための管理方法と、漏えいリスクを最小化するための高度な管理方法とを分けて具体的に列挙しています。
- 中小企業等における管理体制の普及
中小企業が発展成長するには、知的財産を活用することが重要ですが、とかく中小企業では営業秘密の意識が低く管理体制が不十分な状態ですし、下請の場合では知的財産権の不当な取り扱いを受けることがあります。それを改善するために、中小企業の実態に即した適切な措置を講じる必要があります。本指針では、主に中小企業等を対象として、適切な管理体制を構築するための導入手順例を紹介するとともに、営業秘密管理チェックシートや各種契約書の参考例等の参照資料を提示しています。
参考資料1:チェックシートの概要
参考資料2:各種契約書等の作成例
参考資料3:各種ガイドライン等について
参考資料4:営業秘密を適切に管理するための導入手順例について