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Excelソルバーによる線形計画法の解法

学習のポイント

Excelのソルバー機能を用いて小規模の線形計画法(LP:リニアプログラミング)の問題を解く手順を説明します。

本文の操作説明は、Windows10 home edition Excel 2013 を対象にしていますが、表示画面は古いバージョンのままになっています。そのため表示の用語が異なっている個所があります。

キーワード

線形計画法(LP:リニアプログラミング),Excelソルバー


線形計画法(LP:リニアプログラミング)は,変数が2つのときは図式解法により解くことができますが,3変数以上になるとシンプレックス法などの解法があります。中・大規模モデルでは専用のツールうを使う必要がありますが,練習問題程度の小規模モデルであれば,Excelのソルバー機能で比較的簡単に解くことができます。

ソルバーアドオンのインストール

Excel画面を開いて,[データ]のメニューに[ソルバー]があればすぐに利用できます。それが表示されていないときは,次の手順によりインストールしてください。
Excel画面で[ファイル]→[オプション]→(基本設定)→[ソルバーアドイン]を選択、[設定]→[ソルバーアドイン]にチェック→[OK]をマークでインストールできます。

モデルの作成

Excel画面で線形計画法の問題(モデル)を入力します。次のモデルを入力するとします。

    目的関数
     Z=3x+2y → 最大
    制約条件
       4x+1y≦72
       2x+2y≦48
       1x+3y≦48
       x≧0,y≧0

   ★この元の問題は「線形計画法の定式化と図式解法」にあります。

Excelでの入力画面

Excelを起動して,次の画面のように入力します。

入力を終えたExcelファイル(reidai.xlsx)をダンロードできます。

Excel入力画面


ソルバーでの条件設定

Excel画面で目的セルをクリックした状況で,[データ]→[ソルバー]をクリックすると,ソルバーが起動して,「ソルバーのパラメータ」が表示されます。



目的セルの設定
Excel画面の目的セルを指定します。
目標値
「最大値」を指定します。
変数セルの変更
Excel画面での緑色の範囲を指定します。
制約条件の対象
当初はこのフォームは空白になっています。ここにカーソルを合わせて[追加]ボタンをクリックしますと「制約条件の追加」画面が表示されます。この画面で制約条件を1つずつ入力し,[追加]ボタンにより制約条件を加えていきます。最後の制約条件を入力したら[OK]ボタンをクリックすると「ソルバーのパラメーター」に戻ります。
セル参照
Excel画面の青色の部分(制約式)のセルを入力します。Excel画面の対象セルをクリックすることにより指定できます。
制約条件
Excel画面の青色の部分(定数項)のセルを指定します。
制約のない変数を非負数にする
チェックを入れます。これにより、x≧0、y≧0の制約条件が追加されます。
解決方法の選択
「シンプレックスLP」を選択します。

計算の実行とその結果

「ソルバーのパラメーター」画面で[解決]ボタンをクリックすると計算が実行されて,「ソルバー:探索結果」画面が表示され,Excel画面が解の画面になります。

ソルバー:探索結果

Excel結果画面

すなわち,「x=16,y=8のとき,目的関数は最大値64になり,制約条件はaとbは余裕がないが,cは48-40=8の余裕がある」ことがわかります。