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現在価値法の概要


現価P,終価S,年価Mの換算公式

   終価係数  [P→S]=(1+i)
   現価係数  [S→P]=(1+i)-n
   年金現価係数[M→P]={1-(1+i)-n}/i
   資本回収係数[P→M]=i/{1-(1+i)-n

 例えば,年利10%,5年のとき,
  [P→S]=(1+i)=1.1=1.61
  [S→P]=(1+i)-n=1.1-5=0.621
  [M→P]={1-(1+i)-n}/i=(1-0.621)/0.1=3.79
  [P→M]=i/{1-(1+i)-n}=0.1/(1-0.621)=0.264
となります。

現在価値法の定式化

「500万円の設備投資をすると,毎年度末に200万円の利益があり,5年度末に50万円で売却できるという。年利を10%とするとき,この投資の利失を計算せよ」

 次の記号を用います。
   P:初期投資額(=500万円)
   n:対象期間(=5年)
   M:t年末の利益(名目額)(=200万円/年)
   S:n年後の残存価値(名目額)(=50万円)
   i:年利(=10%=0.1)
 t年後のX円の現在価値はX/(1+i)ですから,
   Sの現在価値はS/(1+i)
   Mの現在価値はM/(1+i)
となります。
 それで,全体の現在価値Aは,
   A = -P + M1/(1+i)+ M2/(1+i)2 + ・・・ + M/(1+i) + S/(1+i)   ・・・A式
となります。

現在価値法の計算方法

下表を作成するのが便利です。正味現在価値で289.2万円の利益になります。

   年 名目のキャッ 現価係数   割り引いた   DCF累計
     シュフロー  (10%)   DCF
   0  -500  1.     -500.0  -500.0
   1   200  0.9091  181.2  -318.2
   2   200  0.8265  165.3  -152.9
   3   200  0.7513  150.3  -  2.6
   4   200  0.6830  136.6   134.0
   5   250  0.6209  155.2   289.2 ←正味現在価値

年価法

上のケースではP=289.2万円で,[P→M]=0.264ですから,この投資は,毎年度末に,289.2×0.264=76.3[万円/年]得るのと同じです。このような方法を年価法といいます。
 耐用年数が異なる2つの設備AとBのうち,どちらか一方を選ぶ問題,買取とリースの比較する問題の場合には,現在価値法よりも年価法を用いるのが適切です。

●発展→「現在価値法」 (or-dcf-genka)