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情報検索系システムによる基幹業務系システムの簡素化


情報検索系システムの目的は,「必要な人が必要なときに必要な情報を得られるようにする」ことにありますが,これはむしろ狭義の目的です。広義には,基幹業務系システムを簡素化することにより、情報システム全体を合理化する目的があります。

一般に情報システムは、伝票などからデータをコンピュータに入力する「入力処理」、入力データにより関連するファイル群を更新する「中核処理」、それらのファイル群から画面出力や帳票出力をする「出力処理」に区分することができます。
 出力処理は必要とする出力数が多く、デザイン編集などもあり複雑なため、大きな比率になります。入力処理は、入力画面数は比較的少ないのですが、誤りデータが入らないようにするためのデータチェックが複雑です。プログラム作成での作業量比率は、システムにより大きく異なりますが、通常の事務処理システムでは、入力処理=30%、中核処理=20%、出力処理=50%という比率は、常識的な数値であるといえます。

情報検索系システムの普及により、出力処理が簡素化できます。
 エンドユーザは多様な情報を必要とします。情報検索系システムが普及していれば,帳票出力処理の大部分をEUCに任せることができますので,基幹業務系システムとしては,情報検索系システム用のデータベースを維持するだけでよいことになります。
 出力のうち、請求書や財務報告に必要な書類は、高い信頼性を求められるので基幹業務系システムとして扱う必要がありますが、商品グループ別に集計したいとか、前年同期比で知りたいというような内部用の帳票類は、エンドユーザに任せることができます。しかも、後者の比率が大きいので、これを削減すると,基幹業務系システムの出力処理を非常に小さくできます。

入力処理も簡素化できます。例えば購買システムでのデータ入力では、購買の是非までをワークフロー管理システムの電子申請により行い、最終承認を得た時点で、データを自動的に基幹業務系システムに渡すようにします。それにより、あらためて購買システムとしてデータを入力する必要もなくなり、むしろデータの信頼性も向上します。

中核処理は、処理内容そのものを減らすことはできませんが、入力処理、出力処理などヒューマンインタフェースに関係する部分が小さくなるので、ファイルを対象にしたロジックが主になります。それらの処理は、非手続言語が有効に使えるので、プログラム作成の作業量を少なくすることができます。

図では、情報検索系システムが行われていないときは100の規模なのが、情報検索系システムが普及している場合では、30の規模になります。状況により異なりますが、この数値も特殊なケースではありません。
 しかも、基幹業務系システムを検討することに、情報検索系システムの普及を前提にすることができれば、要求の多くを情報検索系システムで対応することにより、基幹業務系システムへの要件を絞り込むことができます。


理解度チェック: 正誤問題選択問題