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経営戦略の関連用語

キーワード

経営目的、経営目標、経営活動、経営環境、経営資源、コンプライアンス、ステークホルダー、アカウンタビリティ


経営戦略に関係する用語を説明します。

用語の整理

「経営」と「戦略」

経営
経営とは、企業などの組織において、方針を定め、組織を整えて、目的を達成するよう持続的に事を行うことです。
 経営者とは、経営を主任務とする人です。制度的には、最高の意思決定機関は株主総会ですが、そこで具体的な個々の事項について討議することはできません。株主から委託された取締役が経営を行います。すべてのは経営者だといえますが、実際には少人数の上位取締役で構成される常務会などが重要事項を決定するのが通常です。その常務会以上の構成メンバー(会長、社長以下専務・常務のような肩書きの人)を経営者といい、いわゆる平取締役は含まないのが一般的です。中小企業や同族企業では、オーナーである会長・社長に実質的な権限が集中しているので、会長・社長だけを経営者というのが一般的です。
戦略
「戦略」とは軍事用語で、戦争に勝つための策略です。似た用語である「戦術」「戦闘」とは、次のような違いがあります。

戦略の重要性を示す古典である「孫子の兵法」は、企業経営にも役立つとされ、多くの企業人が愛読しています。

企業戦略に関する教養書として,中国の春秋時代(紀元前5世紀頃)に著わされた「孫子」がよく読まれています。
「上兵は謀を伐つ。其の次ぎは交を伐つ。その次は兵を伐つ。その下は城を攻む。攻城の法は、已むを得ざるが為めなり。」
  ・軍事力の最高の運用法は、敵の策謀を未然に打ち破ることである。
  ・その次は敵国と友好国との同盟関係を断ち切ることである。
  ・その次は敵の野戦軍を撃破することである。
  ・最も劣るのは敵の城を攻撃することである。
というような名言が多くあります。
参考:金谷 治「孫子の兵法」

経営理念、経営戦略、経営環境など

経営理念
企業が存在するのは,その企業の目的を実現したいからです。それを経営理念(ビジョン)といいます。
 多くの企業が「よい製品を提供して社会に奉仕する」,「株主の利益を実現する」,「社員に安定した生活を保証する」などの社是,社訓,企業理念を持っています。明文化しているのが一般的です。なかには、経営者訓話や企業文化など明文化されていないこともありますが、全社員への徹底、社外への公表などのため、なるべく明文化すべきです。
 経営理念は、時代の変化や環境の激変時には改訂が必要になりますが、企業の基本的な事項ですから長期にわたって継続できる内容でなければなりません。
経営目的
定款は,自社が行う活動の基本を定めたもので,会社を設立したときに届出をします。法的拘束力を持つ経営理念だといえますが、この場合は「経営目的」といのが通常です。
経営戦略
経営戦略とは、経営において,企業活動に大きな影響を与える基本的な意思決定をすること、企業が進むべき方向付けを行うことです。経営理念や経営目的を実現するための戦略だといえます。
 経営戦略が明確になっていないと,どの方向に向かって企業活動をすればよいのかあいまいになります。全社員がそれぞれの業務に一生懸命に努力しても,その方向が間違っていたり,ばらばらな努力をしたのでは,経営目標を効率的に達成することができません。さらに,その方向付けが不適切な場合には致命的なことになります。ですから,経営においては,経営戦略の策定が非常に重要なのです。
 なお、ビジネスの方法に注目したとき、経営戦略のことをビジネスモデルということもあります。端的にいえば、どうやって企業を維持発展させるかの青写真だといえます。
経営目標
経営目標とは、ある期間において、何を達成すべきかを示したものです。3年後に利益を現在の2倍にするとか、5年後に上場をするというような具体的な目標です。
経営活動
企業は,経営目的や経営目標を達成するために,調達,生産,販売,人事,財務など多様な業務をしています。それを経営活動あるいは企業活動といいます。
経営環境
経営を取り巻く諸条件のことです。経営環境は外部環境と内部環境に区分することができます。外部環境のことを経営環境、内部環境のことを経営資源ということもあります。
なお、経営環境の一つの要素である関係者のことをステークホルダーといいます。株主,消費者,取引先,銀行、従業員などが含まれます。
経営者は、ステークホルダーに経営理念や経営活動について説明する責任があります。それをアカウンタビリティといいます。単に財務報告だけでなく、法令の遵守、環境対策、社会貢献など多岐にわたる説明が求められます。
外部環境
企業は社会の一員ですから,社外の状況から大きな影響を受けます。それを外部環境といいます。
  • コンプライアンス:法律だけでなく、各種基準、社会通念などの制約があります。
  • 社会的責任:製品の安定供給、雇用の確保、環境保全などが求められます。
  • 経済動向:好況・不況などの景気は,経営目標や経営活動に大きな影響を与えます。
  • 市場動向:顧客の価値観,取扱製品の需要,競争製品の出現なども大きな影響を与えます。
  • 関係者(ステークホルダー):社会、株主,消費者,取引先,銀行など多くの関係者の期待や圧力があります。
内部環境(経営資源)
経営活動には,自社の技術が高いとか資金がないというような社内の状況も大きく影響します。それを経営資源といいます。経営資源は以前からヒト,カネ,モノといわれていましたが,それに情報,技術,ノウハウなど多くの要素が付け加えられるようになりました。

内部環境は経営活動により変化させることができますが,外部環境を自社の力で変更するのは一般的には困難です。外部環境にあわせて自社の経営活動を変化させることになります。
 経営とは,経営目標を効果的に達成するために,経営環境の制約のもとで経営資源をいかに獲得して活用するかを意思決定して,企業活動を行なうことだといえます。 (蛇足)

ついでですから,もっとみなさんを煙に巻いておきましょう。上のことを,数学的に表現すると図のようになります。



みなさんは「経営」というと,役員や企画スタッフの問題であり,自分には関係のないことだと思うかもしれません。
 サイモンは「経営とは意思決定である」といいました。企業全体レベルでの経営では,企業を取り巻く環境に対して企業の持つ経営資源を有効に用いる意思決定をすることにより,企業目的を達成することだといえます。それと同様に,○○部では全社方針という環境に対して,自部の持つ経営資源を活用して自部の任務を効果的に達成するための意思決定が求められます。△△担当でも同様です。
 このように,あなたの所属や地位がどのようなものであっても,(全社的な重要性は異なりますが)「経営」をしているのです。

ややいいかげんな話ですが・・・。経営を英語でいえばマネジメントです。マネージャはマネジメントをする人です。スーパーなどではあるコーナーを担当する人をフロアマネージャといいますね。あの人たちも売場のマネジメント,すなわち経営をしているのです。コジツケかな?

でも、一般に「経営」という場合、企業経営、すなわちトップマネジメントのことを指します。


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