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ユーザ企業IT技術者の育成 選択問題


  1. ユーザ企業のIT部員の立場について、最も不適切なものはどれか。

    • ア IT部門が戦略部門になり、個別のシステム開発は利用部門とベンダとの直接取引になるので、IT部門が個別システムに関与するのは、IT戦略への合致性を監視することに限定される。
    • イ IT部門が戦略部門になっても、IT部門は利用部門に対しては、システム提供者としての任務がある。
    • ウ システム開発をベンダに発注するときIT部門は発注側の窓口になるので、利用部門のニーズを的確に整理してベンダに示す任務がある。
    • エ IT部門は、利用部門からはITの専門部門とみなされているので、ITの幅広い知識が求めれる。

    【解答】

    正解:ア

    アは×。イ・ウの立場がある
    参照:「ユーザ企業IT技術者の育成」

  2. ユーザ企業のIT人材の過不足に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    • ア ユーザ企業では、IT人材が数的にも質的にも不足していると感じている企業が多い。
    • イ ユーザ企業では、社内から最も適切な人材をIT部門に配置すればよいので、数的には不足はあっても、質的には満足している企業の割合は高い。
    • ウ ユーザ企業では、特に大企業では、新卒採用に当たり、IT部門に配置することを前提に採用する企業が過半数であり、数的な不足感はない。
    • エ ユーザ大企業では、全社員に占めるIT部員の比率は数%に過ぎないので、その過不足は関心をもたない割合が多い。

    【解答】

    正解:ア

    アは○。ベンダ企業に劣らず深刻な状況
    イは×。それでもIT人材の量・質ともに不足
    ウは×。このような対処をしている企業は大企業でも3割程度
    エは×。関心は高いが、他部門でも不足あるいは適任者不足
    参照:「ユーザ企業IT技術者の育成」

  3. ベンダのIT技術者と比較して、ユーザ企業のIT部員のほうが悩みが多い日常業務として、最も適切なものはどれか。
     ア コスト削減、納期短縮の圧力  イ 仕様決定の遅れ、変更多発
     ウ バージョンアップの頻発    エ 製品・技術の低信頼性

    【解答】

    正解:ウ

    アは×。ベンダのほうが利害に直結。IT部員は計画に参加
    イは×。同様な悩み
    ウは○。IT部門は守備範囲が広い。影響確認、ベンダ切り分けが必要
    エは×。同様な悩み
    参照:「ユーザ企業IT技術者の育成」

  4. ユーザ企業のIT部員のキャリアパスに関する記述として、最も適切なものはどれか。

    • ア IT部門にいる限り、ベンダのIT技術者と同様に、ITSSを活用したキャリアパスを設定するのが適切である。
    • イ IT技術者として大成させるか、IT部門を多部門のうちの一つとして体験させるかにより育成方法を考える必要がある。
    • ウ ユーザ企業でのIT人材を対象とした標準スキルモデルにUISSがある。IT部員だけを対象にしているので、他部門とのローテーションを前提とした育成には不向きである。
    • エ 他部門を体験させるには計画的なローテーションが必要であり、IT部門はローテーションが活発に行われている部門である。

    【解答】

    正解:イ

    アは×。イは○。
    ウは×。UISSは非IT部門のIT人材も対象にしている。
    エは×。IT部門のローテーションが少ないのが問題になっている
    参照:「ユーザ企業IT技術者の育成」

  5. ユーザ企業において、IT活用の成功、IT人材の育成などに関する記述として、最も不適切なものはどれか。

    • ア IT活用で成功している企業では、そうでない企業と比較して、IT部員が利用部門の業務をよく理解している傾向がある。
    • イ 一般に、IT部員として優秀な人材であっても他部門では通用しないことが多い。しかも、そのような人材が転出するとIT部門の戦力ダウンになる。ローテーションが活発なこととIT活用で成功していることとは逆の関係がある。
    • ウ 他部門経験者のIT部門への人事異動は望ましいことであるが、その人の社内地位が高くITスキルがあまりにも低いと、組織運営上、不適切な状況になることがある。
    • エ システム開発・運用のアウトソーシングやクラウドコンピューティングの採用は、自社でのIT技術の空洞化を招き、IT人材の確保・育成の面では、不適切な環境になる危険性があることに留意する必要がある。

    【解答】

    正解:イ

    アは○。自社内での他部門の業務に疎いことがある。それでは、適切なシステムはできない。
    イは×。「優秀」の意味を取り違えている。IT部員で最も重要な任務はIT戦略の策定である。アと同じ理由により、ローテーションが活発なほうが成功する傾向がある(極端な場合は除く)
    ウは○。部下との関係。適切な指示ができない
    エは○。いかに上流工程が重要だとはいえ、日常業務のIT環境がないのは魅力がない。
    参照:「ユーザ企業IT技術者の育成」