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R.S.キャプラン、D.P.ノートン著、吉川武男訳
『バランススコアカード』
生産性出版、1997年、ISBN4-8201-1620-7、3,500E円
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原著:Robert S. Kaplan David P. Norton, "The Balanced Scorecard: Translating Strategy into Action", Harvard Business School Pr., 1996

バランススコアカードは、業績評価や経営戦略策定やのツールとして、広く活用されている。この、バランススコアカードの概念は、著者が「ハーバード・ビジネス・レビュー」1992年1月・2月号で発表したのが最初である。

「バランス」には、次の意味がある。
・短期目標と中長期目標のバランス、将来と過去の評価指標のバランス
・財務的評価指標と非財務的評価指標のバランス
・内部視点と外部視点のバランス
・全体と部分のバランス
 米国企業の経営者は、短期の財務業績により評価され、給与が上がるし解雇される。しかし、現在の財務状況は、以前の社員能力の向上や顧客満足の向上などが反映されたものである。これらを適切に評価する手段がないと、近視眼的な経営になり、将来の発展がなおざりになる。
 このような課題を解決するものとして、バランススコアカードを提案したのである。

バランススコアカードは、当初は業務評価のツールとして認識されたが、経営戦略策定に有効に活用できることが認識されるようになった。
●1992年1・2月号「新しい経営指標 バランススコアカード」
  業績評価システムとしての有効性
●1993年9・10月号「実践・バランススコアカード」
  経営戦略への結びつきによる業績評価
●1996年1・2月号「バランススコアカードによる戦略的マネジメントの構築」
  経営戦略策定のマネジメントシステムとしての活用
 本書は、このような認識にたって、バランススコアカードの説明と、それを実現するための方法を示したものである。

その後、バランススコアカードの意義や活用方法は急速に発展した。参照『戦略マップ バランスト・スコアカードの新・戦略実行フレームワーク』