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W.H. Inmon著、藤本康秀、小畑喜一訳
『初めてのデータウェアハウス構築』
インターナショナルトムソンパブリッシングジャパン、1995年
ISBN4-900718-32-7、4,900E
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原著:William H.Inmon, "Building the Data Warehouse", John Wiley & Sons

販売システムや会計システムなどで収集蓄積したデータを、エンドユーザが任意の切り口で、検索加工する利用形態をデータウェアハウスという。「必要な人が、必要なときに、必要な情報を容易に得られる」ことを目的にした形態は、1970年代頃DSSとしてはじまり、1980年代をとおして情報検索系システムとして普及し、1990年代になるとデータウェアハウスへと発展した。

著者のインモンは、「データウェアハウスの父」といわれる。本書と『データウェアハウス活用編』、『データウェアハウス運用編』を合わせた3部作は、データウェアハウスが普及したきっかけになったものである。
 有名な、「目的別に(subject-oriented)、統合化された(integrated)、時系列に保管し(time-variant)、更新をしない(non-volatile)という特徴を持つ、マネジメントの意思決定を支援するデータの集合である」というデータウェアハウスの定義は、本書の第2章に掲げらている。
 初期の著作であり、その後の発展を知ることはできない。逆に、このような利用形態の必要性、安易な公開ファイルの提供による副作用、それを回避するためのデータ統合でのデータの持ち方、データベース機能などが懇切に説明されている。