スタートページ主張・講演マーフィーの法則(Vol.3)

Murphyology by a retired
老人とIT

本ページの性格に関しては、こちらを参考にしてください


まずは老人のグチから

昔は同情、今は疑惑(IT従事者だった私を見る目)

若いころ、「情報部門です」というと「マジメなのね。でも残業や徹夜で大変ね」と同情してくれた。
リタイアした今、「ITをやっていました」というと、現在の私をみて、次の言葉が返ってくる。
 「ウソでしょ。スマホも使えないくせに」
 「ウソでしょ。アニメやゲームのセンスがあるとは思えない」
 「ウソでしょ。どうして高級マンションに住んでいないの?」
結局は、ITの落ちこぼれだったということで納得する。「老兵は死なず。ただ消え去るのみ」にはなれないようだ。

ディスプレイから消えると脳のメモリからも消去される。

あるWebページから他のページに移動した瞬間にに前のページの内容を忘れる。上下にロールしたときも同様。
ファイルの作成で、過去の関係ファイルを参照すると、どれが対象ファイルなのかわからなくなる。 参照したファイルに書き込んでしまう。
(テレビも同様。CMの後では前の筋を忘れている。必ず録画で見る)

老人とユーザビリティ(メーカーさん。お願いします)

スマホのアイコンに文字の吹き出しを

スマホの操作は、アイコンの機能を理解いることが前提になっている。記憶力が極度に低下している老人には不可能だ。しかも、そのアイコンの図案は作成者が勝手にデザインしたものであり、初めて見た者が正しく理解できるとは思えない。
パソコンでは、アイコンが文字列であったり、マウスの操作で文字列吹き出しが表示される。スマホにはそれがない。
しかも「戻る」の意味がアプリにより異なり、直前の画面に戻らないことがあり、間違うと迷路に入り込んでしまう。

パソコンは持ち歩くとは限らない。

既にリタイアした高齢者は、自宅で使うのが一般的だ、何よりもサイズの大きなディスプレイが必要だ。キーボードも大きいのがよい。
自宅利用の環境では、本体のサイズはあまり気にならない。デスクトップが望ましいのだが、もはやPCの主流はノート型であり、デスクトップは「その他」に追いやられている。おそらく通常の市場からは消えるだろう。

キーボードとフォント

「. と ,」「; と :」「[ と {」などはキーボードでは並んでおり、似たような刻印がされている。視力の落ちている高齢者の震える指では間違えやすい。刻印のフォントうや色を変えるだけで、コストもかからず解決するだろうに。
ディスプレイのフォントでも同様である。保存するファイルのフォントを変えるのは困るが、メモ帳のような入力アプリでの入力表示用に一時的なフォント切替え機能があると便利である。文書作成アプリでは入力表示用になっているものもあるが、お仕着せの機能であり、ここでの指摘のようなフォントではない。

病室でのIT機器利用禁止の緩和を(院長先生。お願いします)

私にとって、既にインターネットに接続したパソコンやスマホなどの利用は人生の一部になっている。入院してそれを禁止されたら強い禁断症状が出るだろう。限定されたホールなどでの利用は、他人の邪魔になるし、覗かれるのも困る。
医療の安全が第一なので、科学的根拠による規制は仕方ないが、単なる慣習や病院都合などの規制は早急に解除してほしい。

電磁波の医療機器への影響では
  周波数帯が5GHz帯のWi-Fiなら医療機器との干渉を避けられるとのこと
  携帯電話と心臓ペースメーカーとの距離は12cm以上あればよいとのこと
騒音の同室者への迷惑では
  テレビの利用を許可している病室は多い。
  プリンタは禁止、音量を下げる(イヤホン使用)などで騒音はテレビと同等
  一般の利用者でキーボードの音が隣に騒音と感じることは稀だろう
など、機器の一定の制約、利用者のマナーで解決できよう。
(病院の指定業者よる機器認定やWi-Fi指定を持込条件にしてもよい)

利用制限は特別室への誘導?

特別室(個室)なら利用できる病院も多い。上述のように一般病室での利用もある程度は可能なのに禁止しているのは、収入が多い特別室の利用を勧めるための差別化だと勘ぐってしまう。


IT昔話

現役時代はITをやっていた。現在はIT要員不足だそうだ。どこかで雇ってほしいと思うが、あまりにも状況が違う。化石は再生できない。

IT作業環境がよくなりましたねえ

IT技術者のリスキリング


スマホ社会が怖い

多くのグチの対象はスマホだ。スマホなくしては生活できない環境になった。
スマホは高齢者の基本的人権を制限する。自らの人権擁護のために、万国の高齢者よ団結せよ!

スマホはスワイプで読む

「世の中、字が小さすぎて読めない!」(ハズキルーペ)。ピンチアウトすると、読むよりスワイプするのが主作業になる。

スマホメールは送信・受信で速度が違う。

トグル入力でクを入力するとケになってしまう。フルキ―入力だとキ・ク・ウのどれになるか不安定だ。「戻る」を押すと想定しない画面になる。
チャットで15分かけてやっと送信すると、1分もしないうちで返事が来る。

スマホは記憶能力を強制する

スマホが使えない理由に、スマホがことさらに記憶を強要することである。
アイコンが多すぎ、吹き出しも出ないものが多い。私のような認知症予備軍にとって覚えられるはずがない。
デバイスデバイドの考慮すらしていない欠陥商品なのだ。

買物弱者になった

近い将来に、スマホ知識がないと、日常の買物もできないことになりそうだ。

実社会店舗
多くのスーパーのどの店舗がスマホでの決済をしており、QRコード化も進んでいる。お店で店員に操作を教わったが、翌日にまた教わる始末。そのうち、使わないほうが自分にも相手にも無難だと結論。
教わった手順をメモに書いておき、スマホケースに入れておくことも考えられる。しかし、いかに老人だとはいえ、手帳を見ながらスマホを操作するのは人目をはばかる。
これらの一連操作(決まっているデータ入力も含めて)登録できるジョブ管理機能(マクロ設定)を持たせることを切望する。
デジタル会員になると割引サービスが受けられる。会員申請にはパソコンも使えるが、申請確認にはコードがスマホにショートメッセージで送られるので電話番号が必要である、ちょっと考えれば「スマホの電話番号」であることは明らかだろうが、固定電話の番号を入力して混乱するのは私だけだろか? 申請ページに「スマホの」と4文字入れてくれれば、私でも間違わない。このような仕組みは国民全体の基本知識なのだろう、

ネット店舗
現在はパソコンからも注文できるが、店舗側はスマホでの受注が標準としているようだ。そのうちパソコン用サイトは消滅するのでは?
買物サイトでは、一連の操作を必要とする。当然、途中でモタモタする。いじっている間に迷子になってしまう。パソコンのサイトと比べて、ページ移動が多いこと、画面が小さいのでナビ表示が不十分なことが原因だ。

iPhoneでないと教えてくれない

確かに Android に比べて iPhone はスマートだし性能もよいようだ。しかし高い。限定した用途で利用頻度が小さい私には、Android のほうが適していると思う。
ところが若い人たちは最新のiPhoneしか持っていない。Android を差し出すと、教えてくれないどころか、蔑んだ眼で見られてしまう。
若い人に合わせようと、思い切って iPhone にしても、今度は常に最新版に買い替える必要が生じる(時代遅れのものは忘れたという)。

ある調査によると、2023年でのシェアは、次の通り。

     iOS  Android その他
  日本 67% 33% 0.1%
  世界 28% 72% 0.7%

日本以外の主要国・地域でiOSのシェアが高いのは、半導体を提供している台湾(51%)だけだそうだ。将来、iPhone が日本市場だけをターゲットにした「ガラスマホ」にならなければよいが。
でもどうして、日本の若者は食費や衣料費をケチるほど貧乏なクセに、スマホだけは高級品を持ちたがるのだろう?

スマホを失うと人生も失う。

そのうちに、通貨はすべてデジタル化するだろう。マイカードや運転免許証などの身分証明、電子カルテなどの病歴記録など重要記録はすべてスマホだけに記録されるようになろう。スマホなしには生活できないのだ。
高齢者は忘れ物が多い。スマホが特殊詐欺の対象になる。通り魔に略奪されるかもしれない。しかも高齢者が短時間で多数の関係機関に紛失・盗難を連絡するのは困難だ。
クレジットカードのリスクと同様だが、1台のスマホに多数のクレジットカードを入れているので、全財産を失うリスクがある。
パスワードを用い、用途によりパスワードを使いわける必要があるが、私に覚えられるとは思えない。バイオメトリックで指紋を用いても、スマホ表面の指紋からコピーするのは容易である。虹彩もスマホに保存している写真から復元できるかもしれない。
この対処としては、スマホを体内に埋め込むのが適切だが・・・。

頼みの綱は介護ロボット

介護施設での老人虐待の話題が多い。介護関係者の労働環境を思うと同情するが、自分が虐待を受けるのは困る。
介護ロボットの話題も多い。介護作業だけでなく、話し相手になるなど癒し機能も持つという。ぜひ、介護ロボットが活躍する介護施設に入りたいが、庶民にとっては夢にすらならない。
将来、技術進歩や高齢者政策の充実により、ロボット配属の介護施設が増えることが期待される。
そのとき、ロボットに組み込まれたAIが、得意の効率性重視の観点から、ロボット不足やロボットの労働環境不備を解決するために、ロボットが、高齢者を放置したり、ベットに縛り付けたりするような行動にならなければよいが・・・。
若いうちにロボットを購入(または自作)して、自分に忠実で介護にも適したロボットに育成してこなかったことを後悔する日々である。


パソコンを教わる、教える

教わる

すべては購入者の自己責任

リタイアして相談仲間を失った。家族は面倒臭がって目的は果たしてくれるが教えてくれない。三度目は無視される。 パソコン黎明期では、量販店の店員はマニアに近い存在で、これらが辟易するほど蘊蓄を傾けてくれた。購入後も互いに情報交換するような同志的関係すら生まれた。
現在の店員は、価格交渉係以外の何者でもない。質問をすれば箱の裏側を読み出すが、その意味さえ理解していない。それ以上聞くとメーカーに問い合わせますといって長時間待たされるが、質問の内容を理解していないので、返ってくるのは質問とは無関係な内容。
たまに、メーカーコーナーでメーカーの説明者がいることもあるが、セールストーク以外のことは知らない。

なんとかならないかコールセンター

・電話はつながらない。長時間待たされる。
・仕様書以外の解答は得られない。こちらはすでに読んでいる。
・遠隔操作で試行してくれることもあるが、それも私が事前にやってみたことだけだ。
・結果として「初期状態に戻しましょう」が決まり文句。それをしたくないから電話したのに・・・

教える

初心者(高齢者)対象のパソコン教室にボランティア参加したときのカルチャーショック

文字入力方法はスマホに学べ。

通常のキーボードでローマ字変換をするのは壁が高い。促音や拗音は一覧表が必要だ。
qwerty配列で文字を探すのが大変なだけでなく、ローマ字の綴りを忘れ一覧表を探すの繰り返しになる。
これに比べてスマホの入力がいかに容易かを納得した。

社会的セキュリティホール

パソコン持ち込みでの相談では、最初にウイルス検査を行うことにしている。
「まずウイルス検査をしましょう。」「先日コロナワクチンの接種をしたけれど?」
これほど極端ではないせよ、Windows Update の存在すら知らない。アンチウイルスソフトは購入時のがそのままで更新されていないパソコンが大部分だ。
メールの再設定を依頼されることも多い。購入時にサービスで設定してもらっただけ。パスワードすら知らない。キャッシュカードの4桁数字を言い出されて慌てる。
このパソコンがインターネット接続をしているのかと思うと背筋が寒くなる。

質問の内容は経験度に反比例する。

最も人気のあるテーマは年賀状作成だ。宛名書きではガイダンス通りの受身なので、難しい質問はない。
それが裏面デザインになると一変して質問が頻出する。しかも、非常に凝ったものが多く、完全に講師の経験や技量を超えている。結果として「講師の知識不足で不満足」のアンケート結果になる。
昔、ワープロからパソコンに移行したとき、利用者の罫線への異常関心に「罫線は非行の始まり」と嘆いたのを思い出す。

的確な状況説明をするのは難しい。

受付で「映画を見たい」との相談があり、オンデマンド通信に経験がある(ありそうな)講師に回された。おそるおそる聞くと、長い問答の末、「近所の映画館はネットで割引クーポンを出しているが、そのURLがわからない」ことだった。
自分もコールセンターや病院などで同じことをしているのではないかと自戒した次第。