「みんなの公共サイト運用モデル」の概要
地方自治体のWebサイトの構築・運営を円滑に進めるためのガイドラインに、総務省の「みんなの公共サイト運用モデル」があります。これには「手順書類集」(http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/pdf/051215_1_f-zen.pdf)もつけられています。
この運用モデルでは、次の事項を強調しています。
- JIS X8341-3の遵守
- 地方自治体のWebサイトは、JIS X8341-3を遵守すべきことを明示しています。
- 全庁での取り組み
- 地方自治体のWebサイトには、多くの分野で多くのページがありますので、一部の人だけで作成・管理することはできません。各部署の職員が参加する必要があります。そのためには、首長のリーダーシップをとり、推進組織体制を整えて、全庁的な活動とすることが必要です。
- 利用者・制作業者の参加
- Webサイトが使いやすいかどうかは、提供者ではなく、利用者の視点で検討することが必要です。また、地方自治体では、Webサイトの構築やWebページの作成・更新を庁外に委託することも多くあります。それで、Webアクセシビリティの実現には、職員だけでなく、利用者や制作業者の参加が重視されます。
- PDCAサイクルによる継続的運動
- JIS X8341-3の要求事項を一挙に実現するのは困難ですし、アクセシビリティからユーザビリティへと発展させることも必要です。また、庁外関係者を含む全庁的な活動です。それで、PDCA(Plan-Do-Check-Action)による組織的かつ継続的な取り組みが重要になります。
「みんなの公共サイト運用モデル」の認知度
残念なことに、2007年7月時点では、この運用モデルの認識度は不十分で、内容まで理解しているのは半分程度、実際に活用しているのは1割程度になっています。そして、運用モデルの認識度は、Webアクセシビリティへの関心度とかなり関係があることがわかります。
運用モデルへの認知度が不十分なように、運用体制も不十分です。
- Webアクセシビリティの基本方針を策定した地方自治体はまだ少ないし、その目標・実施計画はほどんど策定されていません。
- 「Webページの作成・更新の実施手順」やそれの「庁内向けガイドライン」を作成しているのは、4分の1程度です。