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地方自治体とSNS


SNS(Social Network Service)とは、会員制のブログのことですが、これを市区町村の住民の交流の場として運営しているのが地域SNSです。地方自治体のWebサイトは、行政が運営管理するので制約を受けることが多いのですが、地域SNSでは、むしろ住民主体の自由な交流をする場として、活用が注目されています。 以下、地方自治情報センター「地域SNSの活用状況等に関する調査報告書」2007年のデータにより、地方自治体と地域SNSの状況を説明します。

地域SNSの状況と関心
エリアに地域SNSがある地方自治体はわずか6.6%にすぎませんが、地方自治体の半数は、地域SNSを知っているし、地域SNSは知らなくても全国的なSNSは知っており、約7割の自治体が地域SNSに関心を持っています。そして、現在地域SNSのない地方自治体の69%が地域SNSがあるとよいと考えています。
地域SNSへの期待
地方自治体が地域SNSに関心を持つ理由として、「住民同士の交流促進」や「住民による地域発信」「住民からの意見収集」など、住民の発言を活発にする手段として期待しており、Webサイトとは異なる機能を期待していることがわかります。
地方自治体の地域SNSへの関与
しかし、行政が地域SNSにどのように関与するかについては、現状と期待の間には大きなギャップがあります。既に地域SNSある地方自治体や将来持ちたいと思っている地方自治体は、地域SNSへの関与として、「行政情報の提供」「災害情報や不審者情報等などの提供」などに用い、「行政の広報誌やWebページなどで地域SNSを紹介したリンクしたりする」べきだと思っているのですが、現実にはそのような関与をしているのはごく少数であり、60%以上が特に関与していない状況です。
その理由として、現在の地域SNSの多くは、個人や民間企業が自発的に開設したものが多く、商用目的も兼ねたものも多いので、どのように関係してよいか戸惑うことがあると想像されます。
望ましい運営主体
それで、地方自治体からみたとき、地域SNSの運営主体として、NPOが適切だとするのが4割以上でトップになっています。次に「行政から補助金を提供して地方自治体・NPO・民間企業などが共同運営する」、「民間企業に任せる」などが続きます。このうち、既に地域SNSがある地方自治体では共同運営、ないところでは民間企業が多くなっています。おそらく後者では、地方自治体として関与するだけの経験や余裕がないからでしょう。

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