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外部評価と自治体ランキング


Webサイト外部評価の必要性

Webサイトは利用者のためにあるのですから、提供者側ではなく、利用者側の視点でWebアクセシビリティやユーザビリティを考えることが必要です。
 そのためには、住民からモニターを募集して、実際に使って改善点を指摘してもらうのが適切です。しかし、それには労力がかかります。

主なランキング調査

多様な団体が、地方自治体のWebサイトを評価して、ランキングを公表しています。そのうち、毎年継続して行っている主なものを紹介します。

日経BP社『日経パソコン』「e都市ランキング」
全国の市区町村に対してアンケート調査を行い、
 ・情報・サービス(40点)インターネットでの情報・サービスの提供
 ・アクセシビリティ(10点)Webページのアクセシビリティの確保
 ・庁内情報化(15点)庁内の情報インフラの整備、業務の情報化
 ・情報化政策(20点)情報化に関する政策の実施
 ・セキュリティ(15点)セキュリティ対策の実行
の5つの点から評価し、ランキングします。
回収率は非常に高く、主な都市がほとんど参加をしているため、自庁のレベルを評価するのに適しています。
この結果は、『日経パソコン』『日経ガバメントテクノロジー』誌だけでなく、Webサイトにも掲載されています。そのため、これから2次加工をするのにも便利です。(2007年度は、http://pc.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070703/276536/
なお、調査方法や評価基準は、 http://pc.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070703/276536/?P=3&ST=govtechにあります
アライド・ブレインズ(A.A.O)「自治体サイト全ページアクセシビリティ実態調査」
同社が開発したホームページ品質解析ツールを用いて、全国自治体のWebアクセシビリティ対応状況を調査しています。実際に全ページを、プログラムが走査してチェックするので、より実際の状況が把握できます。
アクセシビリティの基本対応として画像の代替テキストの有無、発展対応として構造化の程度(ディレクトリの適切性、目的ページまでの深さなど)を重点にしています。
公共サイトの調査結果は、(http://www.aao.ne.jp/service/research/cronos2/)にあります。
ユニバーサルワークス「自治体サイトWebアクセシビリティ調査」
全国47都道府県、17政令指定都市、東京23区のWebサイトを対象としています。
アンケート調査ではなく、同社が定めるチェックリスト(http://www.u-works.co.jp/jichitai/list.htmlにそって、全盲の視覚障害者などのテスターが実際にWebサイトにアクセスして確認し、別途定めた採点基準(非公開)によって採点を行っているのが特徴です。
その結果は、「音声化対応」「操作性」「可読性」「レイアウト」「汎用性」に分類し、0~5の6段階にわけて、 http://www.u-works.co.jp/jichitai/index.htmlで公表しています。

ランキングの活用

このようなランキングは、質問者が重要だと想定した項目と評価基準でランキングするのですから、多分に主観的なものです。また、各地方自治体は、常にWebアクセシビリティ改善しています。そのため、この順位に一喜一憂するのは不適切です。

しかし、外部者が、どのような項目を重視しているのか、その評価基準によると自庁のレベルはどうなのか、他の自治体での状況と比較して自庁の状況はどうかなどを知るにのには適切な資料になります。しかも、これらの調査に回答すると、一般公表資料よりも詳細な資料が得られます。外部監査の一つとして考えるのが適切です。


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