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仮想現実(VR、メタバースなど)の歴史


参考URL


ここでの用語

VR

ここでは、次のVR、AR、MR、SRを総称してVRという。

VR機器

利用者が着用するウエアブル端末。それらの位置や動きをセンサしてパソコンやゲーム機に送り、パソコンのVRアプリにより加工して、仮想世界を作り出す。
パソコン等の機能を内蔵したVR機器もある。

VRの実現方法


VRの歴史

VR黎明期

1990年代:第一次VRブーム

2000年代:VR冬眠期

1990年代を通して、VRの基本技術、VR機器の開発、その応用などが進んできたが、2000年代になると、VRへの期待感が弱まり、その需要も頭打ちになってしまった。

2010年代前半:VR復活期

2010年代後半:第二次VRブーム


メタバース

メタバースは「超(メタ)」と「宇宙(ユニバース)」を組み合わせた造語。
 2010年代後半から始まり、2020年代前半にかけて急速に普及した。
(2022年を「メタバース元年」という人もいる)

街頭や建物内などの3次元仮想空間(ワールドという)を作成し、その中に利用者の分身である アバターを表示する。利用者は、VR機器によりアバターを操作して、移動させたり会話させたりすることができる。

HMD型と似た操作ではあるが、メタバースでは仮想空間に没入していることである。没入型VRとの違いは、仮想空間にいるのはアバターであり、利用者自身ではない。特定の場所に出かける必要がない。

他人とのコミュニケーションを重視していることから、VRSNS(ソーシャルVR)ともいう。
(注)meta社(旧 Facebook)は、自社のサービスを「メタバース」ということがあるが、メタバースは普通名詞であり、特定企業の商品名ではない。

メタバースの定義

未だメタバースの厳格な定義はなされていない。

~2010年代中頃:メタバース黎明期

1990年代の第一次VRブーム後半には、現在のメタベースの先駆けとなるサービスが続出した。しかし、当時のIT環境では厚い壁があり、広く普及するには至らなかった。

2010年代後半:メタバースプラットフォームの続出​

(注)メタバース運営者の収益モデル

プラットフォームも作成や維持運営には莫大なコストがかかるが、メタバースサービスの利用料は無料なのが通常である。次のような手段で収益を得ているが、いずれも利用者人数が大きく影響するので、競争が熾烈になっている。

2020年代前半:メタバースのビジネス活用展開期​

以下の「クローズ メタバース」で示すように、広い分野でメタバースがビジネス戦略として活用されるようになった。

クローズ メタバース

ここでのクローズ メタバースとは、特定の組織が、特定の目的のために構築し運営するメタバースのこととする。
 プラットフォーマーに依頼する、その構築ツールを利用して構築する、組織独自で構築するなど手段は多様である。  以下、代表的な利用分野を掲げる。
(注)下記のURLは、たまたま私がアクセスしたもので、特別の選択理由はない。

ゲーム分野

通常のVRの時代でも、ゲーム分野への利用は圧倒的であった。メタバースでは、従来のゲームと質的に大きく異なり、利用者を増大させている。

観光、美術館、博物館

従来からARを用いて古城などを重ねて見せるサービスはあったが、その多くは現地でのサービスで、視野も限定されていた。メタバースを利用することにより、次のようなことが可能になった。

メタバースイベント

音楽フェスティバル、業界あるいは地域の展覧会イベントなどの催しが、2020年代初期には新型コロナの猛威により開催できなくなった。その代替手段としてメタバースを利用したイベントが流行した。
 その経験から、メタバースイベントの長所が認識され、代替手段ではない位置づけになり、メタバースイベントの対象分野や開催頻度が急激に増加した。

メタバース店舗

オンライン店舗は以前から日常化している。また、商品説明などを仮想空間で行う例も多くなっている。不動産業ではVRにより客が住居内部を多様な位置から見ることもできる。
 これらと比較したメタバース店舗の特徴は、客も店員もアバターであることだといえる。

メタバース店舗だけで売買が完結するのは稀で、ここで関心と理解を持ってもらい、実店舗げと誘導するのが目的になる。

組織内メタバース

2020年代初期には新型コロナの猛威により、在宅勤務やオンライン教育が行われるよういになった。単なる電話や電子メール、ネット授業ではなく、実際の職場や教室で、仲間と一緒にいる臨場感のある環境の設定が効果的であることが実感された。