スタートページ> (主張・講演、 Web教材) 歴史> コンピュータ出現以前
機械式計算機、手動計算機、手回し計算機ともいう。日本では、タイガー計算器が独占的シェアをもっていたので、「タイガー」が機械式計算機の一般用語にすらなっていた。
下図のような構成になっており、置換レバーに数値をセットし、置数レバーを回すと、計算結果が右ダイヤルに表示するような仕組みである。加減ならばソロバンのほうが手軽だが、乗除算では計算違いが少なく高速に計算できる。
日本では1920年代から始まり、1960年代の初頭頃まで広く使われていたが、電動計算機や電卓の出現により、それらに置き換えられてしまった。
減算のときは、3のステップの「右(+)方向」を「左(-)方向」にすればよい。
説明が複雑になるので割愛する。乗算の右回しを左回しにすることにより行うのであるが、引きすぎて負になるとチンと音がするので、右に1回戻す操作をする。この音により操作者のイラつき度がわかったものである。
小数点数の除算は位取りが難解になる。それを無視して計算して暗算で位取りをするほうが現実的だった。
四則演算を組み合わせて平方根の計算をすることもできた(近辺の数を二乗して探すほうが早かったが)。
戦後、米国ではモンローやフリーデンなどの電動式計算機が普及するようになり、機械式計算機は次第に減少していった。日本でも1960年代になると、それらの電動式計算機が輸入されるようになった。さらには、1960年代中頃から電子式計算機(電卓)が出現した。それにより、1960年代末には機械式計算機は駆逐され、1974年にはタイガーも機械式計算機の製造を終了した。