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ダグラス・エンゲルバートのマウス。ボールではなく、X軸、Y軸方向に取り付けられた2つの車輪で動きを検知する。ボタンは1つ。ケーブルが現代のマウスとは逆に手首側から出ている |
エンゲルバートの2車輪にかわりボールが使われるようになった。ボールマウスの発明者についてはあやふやだが、1972年にイングリッシュ(Bill English)が発明したとの説がある。いずれにせよ、1970年代前半にはボールマウスが主流になっていた。
ボールマウスの構造は、ゴムボールの回転を縦・横のローラで測定する仕組みになっている。
ボールマウスは、机が滑らかだとボールが回転せずに滑ってしまうし、ゴミがたまるとボールの回転がローラに伝わらない。そのため、マウスの操作とポインタの動きが一致しないことが多い。
ボールの滑りを防ぐために、シリコーンやゴム製のマウスパッドを使うのが通常であった(マウスパッドはコンピュータ関連のイベントでの典型的なグッズだった)。それでもマウス操作の初心者はマウスパッドをはみ出してしまう。それで、社長用は、机全体の大きさで趣味のよいデザインにしたマウスパッドを用意するなど工夫をしたものである。
1980年代を通して、マウスはパソコン操作の重要なデバイスになった。それとともに、人間工学的な面からのデザインが求められ、1987年、マイクロソフトはエルゴノミクスデザインを初めて採用した曲線形状のマウスを発表。棒状せっけんに似ていたので、一般に「Dove bar」と呼ばれた。
マウスボタンの間に回転する円盤を挿入した「ホイールマウス」の最初の製品。現在の典型的なマウスの原型になる。初代機種はすでに生産終了したが「IntelliMouse」の名称はMicrosoftのマウスのシリーズ名になり、その後、光学式やコードレスのものなどが発売されている。
チルト(Tilt)機能とは、ホイールを横方向のスクロールにも使えるようにした機能である。
光学式マウスとは、底面に発光器と受光器を備え、移動の量・方向・速度を光学的に読み取るマウスのことである。マウスの操作とポインタの動きが一致しないというボールマウスの欠点が解決され、2000年前半において、ボールマウスは次第に姿を消していった。
通常は赤色LEDを用いるが、青色LEDやレーザー光を使用した高精度なマウスも多くなってきた。
昔は、マウスやキーボードは、シリアルポートで接続していた。それが、PS/2コネクタになりUSBコネクタになったが、コードがあることが軽快なマウス操作を妨げていた。コードレスマウスでは、コンピュータ本体に受信機(レシーバ)をケーブルで接続し、受信機とマウスの間は電波や赤外線で通信する。それでマウスの尻尾をなくすことができる。
しかし、コード接続ならばコードを通して本体から電気を供給できるが、コードレスにするとマウス内に電源を持つ必要がある。MouseManでは2本の単3電池が必要だったが、これがコードレスマウスの欠点で、電池の軽量化が進んでいる。
なお、MA-WHNBSでは、電池不要とはいったが、USBで給電する専用パッドを用い、パッドとマウスの間の電磁誘導により発生した誘導電流により行う仕組みになっている。利用形態により、多様な工夫が出現するであろう。