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1930年代 RCA端子(コンポジット端子) 1952年 D-sub開発 1969年 D-sub MIL規格 1987年 VGA端子 = D-sub 15ピン 1987年 S端子(セパレート端子) 1996年 コンポーネント端子 1996年 USB 1.0 1998年 USB 1.1 1999年 D端子 1999年 DVI端子 2000年 USB 2.0 2002年 HDMI 1.0 2004年 HDMI 1.1 2005年 HDMI 1.2 2006年 HDMI 1.3 2006年 DisplayPort 1.0 2007年 DisplayPort 1.1 2008年 DisplayPort 1.1a 2008年 USB 3.0 2009年 HDMI 1.4 4K 2009年 DisplayPort 1.2 マルチディスプレイ環境 2010年 D5 1080p (1125p) 1920×1080フルハイビジョン画質 2012年 DisplayPort 1.2a 2013年 HDMI 2 2013年 USB 3.1 2014年 DisplayPort 1.3 2015年 HDMI 2.0a/b 2016年 DisplayPort 1.4 2017年 HDMI 2.1 2017年 USB 3.2 2018年 DisplayPort 1.4a 2019年 DisplayPort 2.0 USB Type-C 2019年 USB 4 2022年 HDMI 2.1a 2022年 DisplayPort 2.1 8K、10K 2022年 USB 4.2
A/D 映像 音声 本数 テレビ モニタ RCA アナログ ○ ○ 3 ○ ○ D-sub アナログ ○ 1 △ ○ VGA端子 アナログ ○ 1 △ ○ S端子 アナログ ○ 1 ○ コンポーネント端子 アナログ ○ 3 ○ D端子 アナログ ○ 1 ○ DVI端子 両方 ○ 1 ○ ○ HDMI デジタル ○ ○ 1 ○ ○ DisplayPort デジタル ○ 1 ○ ○
映像を表示するという観点では、モニタとテレビの違いはない。テレビをモニタとして使うこともできる。
しかし、目的が異なることから、それぞれ次のような特徴を持つ。
現在のモニタやテレビは、すべてデジタル化されており、USB、HDMI、DisplayPort などのデジタル端子になっている。
CRTディスプレイは、1990年代後半に液晶ディスプレイが出現するまで使われていたアナログディスプレイである。
モニタとしては、パソコン内部のデジタル映像信号をいったんアナログ信号に変換した上で、RCAやVGAなどアナログ端子に接続されたCRTディスプレイに出力していた。
テレビでは、デジタル放送が2003年に開始され、アナログ放送は2011年に終了した、液晶テレビ本体はデジタルの液晶テレビになっても、放送データはアナログなので、アンテナが捉えたテレビ放送電波から音声と映像信号を分離し、さらに映像信号のうち輝度信号から同期信号を分離し、色差信号と輝度信号でRGB信号を復元、同期信号とともに表示用の回路を経てテレビに映像を表示する方式だった。
1930年代にRCA社(Radio Corporation of America)が、同社の電気蓄音機等の映像・音響機器などで用いた接続端子で、その後、アナログの映像・音声端子の業界標準になった。
「D-sub」とは「横倒ししたD字形の小型」の意味。
映像だけを対象にしており、音声の伝送機能はない。
キャノンが1953年に米国で特許を出願、1957年に認可。その後、世界各国で用いられ、1969年には MIL(米国防総省規格)、1991年にはIEC(国際電気標準規格)により標準化。
ピン数とシールド形状の違いにより20種類近いバリエーションがあるが、代表的なのは次の3つである。
「VGA端子=mini D-sub 15ピン」
VGA(Video Graphics Array)とは、1987年にIBMパソコンPS/2に搭載したディスプレイ表示用の専用ICチップおよびその仕様。それに搭載された mini D-sub 15ピンもVGA端子といわれるようになった。
画素数640×480ピクセル、262,144色(RGB各6ビットの18ビット)から指定した16色を同時発色できた。
各社がPS/2互換機を生産し、この仕様は業界標準になった。そのため、「VGA端子」の名称が広がった。また画素数640×480もVGAといわれ、その後の規格も SVGA(800×600), XGA(1024×768S), UXGA(1600×1200)などと使われた。
主にテレビとビデオデッキ、ゲーム機間の接続に利用された。
S端子は映像出力端子。音声はRCAなどを使う。
コンポジット映像信号を、輝度信号と色信号の2系統に分離 (Separate) して伝送することからこの名称になった。
1976年 日本ビクターはVHS対応のビデオデッキ「HR-S7000」を発表。
1980年代半ば、衛星放送など放送での高画質化が進んできた。それに対処して日本ビクターは1987年、S-VHSを発表した。
そのS-VHS の端子がS端子である。
S-VHS規格発表以降に発売されたほとんどの家庭用映像機器には、このS端子が採用されていた。
コンポーネント端子は、RCA端子に似た構造だが、RCAでは1本(黄)のケーブルで映像情報を伝えていたが、コンポーネント端子では、映像情報だけで3本のケーブルを用い、音声情報はRCAの音声ケーブルを用いる。
そのため、コンポジット信号よりも装置が複雑で高コストだが、高画質の画像が得られる。
コンポーネント端子では、赤、緑、青のケーブルがある。これを光の3原色に対応させたRGB方式もあるが、通常は色差方式(YUV、YCbCr、YPbPr)を用いる。
緑端子 輝度信号 Y 青端子 青色差信号 PB/CB 赤端子 赤色差信号 PR/CR SD(Standard Definition) DVDビデオ用 輝度: Y = 0.299 *R + 0.587 *G + 0.114 *B 色差: Cb= 0.564*(B-Y) = -0.169 *R - 0.331 *G + 0.500 *B Cr= 0.713*(R-Y) = 0.500 *R - 0.419 *G - 0.081 *B HD(High Definition) ハイビジョン用 2000年 輝度: Y = 0.2126*R + 0.7152*G + 0.0722*B 色差: Pb= 0.5389*(B-Y) = -0.1146*R - 0.3854*G + 0.5000*B Pr= 0.6350*(R-Y) = 0.5000*R - 0.4542*G - 0.0458*B
RGB方式は「理論的に正確な色を再現」することを目的にしているのに対して、色差方式は「人間の目は明るさの変化には敏感だが, 色の変化に は鈍感である」ことから、見やすい画像であることを前提に、色度を抑え、輝度により広い帯域やビット数を割くことにより圧縮を行い、少ない損失で効率の良い伝送を実現する。
D端子は、地上波アナログ放送を対象に、コンポーネントケーブル(赤青緑のケーブル)の接続を簡単にする目的で開発された日本独自の規格。
コンポーネント端子では、3本のケーブルを使って接続していたが、これを1本のケーブルで接続できるようにした。また、コンポーネント映像信号だけではなく走査線数・走査方式・アスペクト比を切り換えるための識別信号の伝送も可能にした。
ケーブルには、両端にD端子を持つ以外に、一方をD端子、他方をコンポーネント端子にして互換性を持たせるものもある。
1999年に最初のD端子である D1 が発表されて以降、放送の高解像度化に応じて拡張され、2010年にはフルハイビジョン映像に対応する D5 になった。
しかし、この規格は国内用で海外の機器に搭載されることが少なかったこと、時代はデジタル化が進んだことなどから、次第に HDMI へ移行した。
規格 画素数 走査方式 備考 D1 720× 480 インターレース 1999年 地上アナログ放送の標準画質(SD画質) D2 720× 480 プログレッシブ DVDビデオ D3 1920×1080 インターレース D1 のフルハイビジョン対応 D4 1280× 720 プログレッシブ D2 のハイビジョン対応 D5 1920×1080 プログレッシブ 2010年 D4 のフルハイビジョン対応
インターレース方式とは、走査線を一本おきに伝送し次に欠けた走査線を伝送する方式。動画をなめらかに表示できる。日本のテレビ放送(NTSC方式)はこの方式を採用していた。
プログレッシブ方式とは、すべての走査線を一本ずつ順番に伝送する方式。画像一枚あたりの解像度が高く静止画の表示に適する。パソコンのCRTディスプレイはこの方式を採用している。
DVI(Digital Visual Interface)とは、主にパソコンからモニタへ映像信号を転送する方式で。アナログ映像とデジタル映像が共存している時代の橋渡し的な存在である。
DVI-A アナログ信号対応
DVI-D デジタル信号対応
DVI-I デジタル・アナログ信号両対応
例えば、パソコンがデジタルなのに、モニタが従来のアナログ方式の場合、DVI-I ケーブルで接続するか、一方にDVI-D端子、他方にDVI-A端子を持つケーブルで結合することで接続できる。
従来普及していたVGA規格と異なり、DVIでは無圧縮のデジタル映像データを送れるので、電気的ノイズを受けにくく、高画質、高解像度の映像を表示できる。
DVI-D、DVI-I のケーブルにはシングルリンクとデュアルリンクがある。それぞれ端子のピン数が異なる。シングルリンクのケーブルは真ん中の6ピンが歯抜けになっている。
シングルリンクケーブルはWUXGA(1920×1200 ピクセル)まで、デュアルリンクケーブルはWQXGA(2560×1600ピクセル)までの映像を表示できる。
mini DVI, macro DVI は、DVI-I を小型化したもの。
Mini-DVIは、ノートパソコンに使われた。2つの垂直に重なったスロット形状の4列ピンを持つ。
Micro-DVIは、mini DVI よりも小型で、Appleが2008年に発表した薄型・軽量のモバイルノート端末「MacBook Air」に搭載された。
DVI は、VBAに代わる新端子と期待されたのであるが、2000年代当初のモニタは 720×480 程度の画素数が主流であり、あえて DVI に置き換えるメリットは低く、切り替わりには時間が掛かっていた。モニタはデジタル化し高画質になった頃には、既に HDMI が普及しており、VBA から直接に HDMI に移行するケースが多かった。
mini-DVIやMicro-DVIは、一時は普及しかけたのであるが。これも HDMI や USB へ移行してしまった。
HDMI(High-Definition Multimedia Interface)端子は、DVIを基にオーディオ・ビジュアル家電向けに改良したもの。当初は、家庭用ゲーム機やビデオカメラ、Blu-ray Discプレーヤーなどをテレビ接続するのに利用。パソコンとモニタの接続hやや遅れて2008年頃から普及。
DisplayPortが発表された2006年では、6年前にHDMIが発表され、すでにディスプレイの多数がMEMIコネクタを標準搭載していた。
この時点でも4Kディスプレイがあったが、高解像度への要望が高まっていた。isplayPortは、高解像度・高リフレッシュレート対応として発表された。
2020年代前半では、医療分野など超高解像度モニタにはDisplayPort、その他にはHDMIが適しているとされているが、その境界は曖昧である。また、ディスプレイメーカーの都合によることもある。
(注)HDMIケーブルの端子を利用する際、製造業者はHDMIのライセンス料を支払う必要がある。それを回避するために、業界標準として DisplayPort を開発したともいわれる。
このように、DisplayPort と HDMI にはそれぞれ長短があるが、パソコンやディスプレイには一方の端子しかないことがある。
リフレッシュレート 最大帯域幅 4K 5K 8K 16K 2006年 DisplayPort 1.0 10.8Gbps 30Hz 2007年 DisplayPort 1.1 10.8 30 2008年 DisplayPort 1.1a 10.8 30 2009年 DisplayPort 1.2 21.6 75 30Hz 2012年 DisplayPort 1.2a 21.6 75 30 2014年 DisplayPort 1.3 32.4 120 60 30Hz 2016年 DisplayPort 1.4 32.4 240 120 60 2019年 DisplayPort 2.0 77.4 144 60 2022年 DisplayPort 2.1 80.0 240 60 60