特定商取引法、特定商取引に関する法律、訪問販売、通信販売、クーリングオフ
特定商取引法(http://www.meti.go.jp/policy/consumer/tokushoho/joubun.html)は、正式名称を「特定商取引に関する法律」といいます。略して特商法ともいいます。
●目的(第1条)
特定商取引とは、通常の店舗での販売と異なる形態で、次の販売形態を指します。
特定商取引では、消費者保護の観点から、次のような行政規制があります。
・氏名等の明示の義務づけ
・不当な勧誘行為の禁止(不実告知、重要事項の不告知、威迫勧誘行為の禁止)
・広告規制(重要事項の表示義務、虚偽・誇大広告の禁止)
・書面交付義務
また、契約の解除などの規則が定められています。
・クーリングオフ(消費者は、契約後一定の期間に無条件で解約できる)
・意思表示の取消し(事業者の違法行為により消費者が誤認したとき、契約取消ができる)
・損害賠償等の額の制限(消費者が中途解約するときの損害賠償額に上限を設ける)
上記の行政規制や契約解除規則などは、販売形態により異なります。インターネット販売などの通信販売では、次のような定めになっています。
・広告の表示(法第11条)
・事業者の氏名(名称)、住所、電話番号
・販売価格、販売価格や送料等以外に購入者等が負担する費用
・代金支払時期と方法
・商品の引渡時期・方法
・ソフトウェ販売では動作環境
・相手方の承諾がない広告電子メールの件名欄の冒頭に「未承諾広告※」
(参照:「特定電子メール禁止法」
・誇大広告等の禁止(法第12条)
・前払式通信販売の承諾等の通知(法第13条)
・顧客の意に反して契約の申込みをさせようとする行為の禁止(法第14条)
例えば、インターネット通販では
・あるボタンをクリックすれば有料申込みとなることを、容易に認識できるようにする
・申込みをする際に、消費者が申込み内容を容易に確認し、訂正できるようにする
いったん締結された契約を一方的に解除することは、民法で禁止されています。ところが、訪問販売やマルチ商法などでは、消費者が冷静に判断できないような状況で契約してしまうことがあります。消費者保護の観点から、消費者に頭を冷やして(クーリング)考える期間を与え、その間ならば無条件で解約(オフ)できるという制度があります。それをクーリングオフ制度といいます。
解約できる期間は、訪問販売、店舗外取引、キャッチセールスなどは8日、連鎖販売取引(マルチ商法)は20日というように、販売形態や提供される商品やサービスにより異なります。
ここで重要なのは、インターネット販売のような通信販売では、消費者が契約をする前に考える時間があるので、クーリング制度は適用されないことです。