SLA、SLM、ITサービス
ITサービスとは、情報システムの受注者(提供者)が発注者(利用者)対して、システムの品質や性能、システム運用やヘルプデスクなど、システムに関連するサービス全体のことです。
SLA(Service Level Agreement)とは、情報システムの運用にさいして、発注者(利用者)と受注者(提供者)の間で、提供するITサービスの内容と範囲、品質に対する要求(達成)水準を明確にして、それが達成できなかった場合のルールを含めて、あらかじめ合意しておくこと、あるいは。合意内容を文書化した契約書のことです。
たとえば、次のような合意内容があります。
・システムの稼働率を99%以上にする。
・システムが故障したときは、最大5時間以内で復旧する。
・注文データは入力してから結果が得られるまでの時間を5秒以内とする。
・ヘルプデスクでは、質問に1回の電話で答える割合を80%以上とする。
これらが達成できないときはペナルティを課し達成したときにはインセンティブを与えるといった契約にすることもあります。
物事には完全を期待できません。どの程度のサービスレベルが適当かについて、発注者と受注者の間の合意がないと、トラブルの原因になります。そこで、委託者と提供者の間で誤解や不満が起こる原因であった曖昧さの排除を目的として、契約時に、双方の間でサービス品質の水準を明確にすることが必要なのです。
SLAを行うことにより、
・発注者は、期待通りのサービスが保証され、権利が確保される。
・受注者は、提供責任を明確にし、これを全うしたことを証明できる。
・双方にとって、責任のなすりあいのようなトラブルになるのを回避できる。
などのメリットがあります。
SLAを作成しただけでは効果がありません。
・サービスレベルが定期的にモニタリングされ、
・サービスレベルの状況と異常時対応などが定期的に報告され
・発注者と受注者がサービス改善に建設的な検討を行ない
・継続的に改善が行われる
ようにマネジメントすることが大切です。
こうした活動をSLM(Service Level Management)といいます。